つぎで最後にしよう、そう決めて冒険を始める。もはや何回目かもわからない。冒険から帰還した(多くの場合、“ 帰還してしまった”が正しい)僕の脳内は「完全に理解した。つぎはもっとうまくやれる」という根拠のない自信で溢れている。違うデッキビルドを試したい、もっと別の配置なら、あのステータスを伸ばせば……。そして僕は心の中で宣言する。「つぎで最後にしよう」と……無限ループって怖くね?

細かく作りこまれた世界観にのめり込む

 本作の大きな魅力は、とにかく奥が深いこと。メインとなるダンジョン攻略はもちろん、物語やその基盤を支える世界観もかなりのボリューム感だ。とくに筆者が驚いたのは下の画像を見てわかる通り、図鑑の“ 分厚さ”だ。

『Loop Hero』敵や建物、地形を 自由に配置。自作のルートを周回して強くなれ!【とっておきインディー】
通常エネミー・バンパイアの図鑑説明。これだけでもなかなかの情報量だが、ゲームを進めると、さらに追加ページをアンロックできるようになる。ただ図鑑を読んでいるだけで楽しかったあのころを、『Loop Hero』は思い出させてくれる。
『Loop Hero』敵や建物、地形を 自由に配置。自作のルートを周回して強くなれ!【とっておきインディー】
死神によって無限のループへと投げ入れられた世界を救うため冒険に出た主人公だが、さまざまな出会いを重ね、本当にこの世界を救うべきか迷うシーンも。そんな主人公の葛藤や心境の変化も、本作の物語を楽しむポイントのひとつだ。

探索も戦闘も自動で進行! それゆえの忙しさがやみつきに

 本作では、主人公がランダム生成された道を自動で周回し続ける。さらに、その最中に敵と遭遇した場合も戦闘が自動で進行。戦闘の際には特殊な効果を持つカードを使い、主人公が戦いやすい状況を整えることが重要だが、探索と戦闘が自動で進むため、思考が間に合わないことも。

『Loop Hero』敵や建物、地形を 自由に配置。自作のルートを周回して強くなれ!【とっておきインディー】
戦闘などで手に入れたカードは画面下に並ぶ。これをマップ上に配置すると、ステータス上昇などの効果が発生。時間を止められる“プラン”モードもあるので、じっくり考えて進もう。
『Loop Hero』敵や建物、地形を 自由に配置。自作のルートを周回して強くなれ!【とっておきインディー】

地形の組み合わせでさまざまな効果が

 たとえば、“山”は単体だと効果がないが、となりに別の“ 山”か“ 岩”が置かれている場合はひとつにつき主人公のHPが2% 上昇する。さらに山と岩を3×3の正方形に配置すると“ 山頂”という地形に変化し、効果もアップ。

『Loop Hero』敵や建物、地形を 自由に配置。自作のルートを周回して強くなれ!【とっておきインディー】
“山頂”になるとステータスが一気に上昇する代わりに、敵のハーピーが定期的に出現する。

敵を倒して、より強力な装備を手に入れよう

 敵を倒すと装備が手に入ることがある。装備には最大HPなどの基本的なステータスのほか、回避やカウンターの発動率、吸血などのオプションがランダムで付いているため、装備のビルドを考える時間が悩ましくも楽しい。

『Loop Hero』敵や建物、地形を 自由に配置。自作のルートを周回して強くなれ!【とっておきインディー】
装備のレベルやレア度によっても性能が変化する。

冒険から持ち帰った素材でキャンプ地を拡張できる

 冒険中に獲得した素材は、無事にキャンプ地へ帰還すると、すべて持ち帰ることができる。それらを使って新たな施設を建設することで、新たなカードやクラスなどが追加されていく。キャンプ地をコツコツ拡張していけば、よりスムーズに冒険できるはず。

『Loop Hero』敵や建物、地形を 自由に配置。自作のルートを周回して強くなれ!【とっておきインディー】
右下のボタンからいつでも帰還可能。持ち帰れる素材はヒーローがたき火の近くにいれば100%、遠ければ60%。なお、死亡時にも30%のみ持ち帰ることができる。
『Loop Hero』敵や建物、地形を 自由に配置。自作のルートを周回して強くなれ!【とっておきインディー】
『Loop Hero』敵や建物、地形を 自由に配置。自作のルートを周回して強くなれ!【とっておきインディー】
薬草売りの家を建設すると、ピンチ時にHPを回復するポーションを持って行けるようになる。

デッキビルドを変更して新たな冒険へ

 冒険中に獲得できるカードの種類は、デッキビルドから自由にカスタマイズが可能。必要なステータスや素材によってカードを入れ換えたり、あえて種類を減らすことによって欲しいカードの出現率を高めたりもできる。

『Loop Hero』敵や建物、地形を 自由に配置。自作のルートを周回して強くなれ!【とっておきインディー】
たくさん戦利品が欲しいからといってエネミーを湧かせすぎても危険。その逆でも主人公が十分に成長できない。バランスが肝心だ。

クラスチェンジで戦いかたも変化

 ウォリアーやローグ、ネクロマンサーなどクラスによって装備の種類やステータスの傾向が変化し、戦いかたが大きく変わる。

『Loop Hero』敵や建物、地形を 自由に配置。自作のルートを周回して強くなれ!【とっておきインディー】
『Loop Hero』敵や建物、地形を 自由に配置。自作のルートを周回して強くなれ!【とっておきインディー】
ローグは武器をふたつ装備できるためダメージは高いが打たれ弱い。ネクロマンサーはさらに打たれ弱いが、スケルトンを複数召喚して戦わせることができる。

Loop Hero

  • メーカー Devolver Digital
  • 開発元 Four Quarters
  • 配信日 2021年2月3日配信
  • 価格 1520円[税込]
  • ジャンル RPG
『Loop Hero』Steamページ
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