新世代の『ファイナルファンタジー』のスゴさを実感
2014年9月18日から9月21日まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ 2014。一般日初日となる20日、スクウェア・エニックスブースのイベントステージでは、国内発売が2015年3月19日決定したばかりの(関連記事は→こちら)“ファイナルファンタジー零式 HD緊急トークショウ”が開催された。
今回のステージは“緊急”の名の通り、急遽決定したため、時間は事前に告知されていたステージの合間をぬって行われ、時間は30分と短かめ。
まず、紹介されたのは『ファイナルファンタジー零式 HD』。プレイステーション4、Xbox One用にHDリマスター化された本作には、バランス調整やカメラのチューニング(視点がPSP版より近く臨場感、迫力が増した印象)など、PSPから移行するにあたって、据え置きゲーム機で快適に遊べるよう調整しているという。すでに「ほぼほぼできています」(田畑氏)と開発が順調であることを明かし、実機プレイも公開された。公開されたのは第4章のヴァジェラ戦。アセットはほぼPSP版と同じながら、新世代機用のライティングに加え、同じく田畑氏がディレクターを務めることになった『ファイナルファンタジーXV』のノウハウも導入しているという。現在、PVが公開されているが、「最終的な品質はもうう少し上がります」(田畑氏)とのこと。
つぎに紹介されたのは、こちらも東京ゲームショウ初日にアナウンスされた『ファイナルファンタジーアギト プラス』(関連記事は→こちら)。スマートフォンで基本無料(一部アイテム課金あり)でサービス中『ファイナルファンタジーアギト』をプレイステーション Vitaで発売することにした経緯について、田畑ディレクターは「スマホ版をリリースしたときから、PS Vitaでも遊びたいという声をいただいていたので」とコメント。また、Unity(さまざまなプラットフォームに対応する統合型のゲーム開発環境)で開発された『アギト』が、Unityに対応するPS Vitaに移行しやすかった、という側面もあったようだ。なお、PS Vita版はアクションバトルが楽しめるよう、アクション操作に対応予定とのこと。
そして最後は、前日、公式Twitterなどでも触れられていた『ファイナルファンタジーXV』。『ファイナルファンタジー零式 HD』に体験版がつくことが発表され、最新PVも公開と、ひさびさの大きな動きとなった今回。ステージでは体験版の内容に触れられ、「体験版のサブタイトル“エピソード ダスカ”のダスカは体験版を「出すか」というダジャレではありません(笑)」(田畑氏)と、笑いを誘ったあと、ダスカはゲーム序盤に行ける“ダスカ地方”であることが説明された。
また、体験版は1時間くらいプレイできる内容のものだが、フィールドやダンジョンでのバトルをやり込めば4時間くらいは楽しめるものになっているそうだ。
フィールドはオープンワールドになっており、基本はクルマで移動することになるが、歩くこともできるため、歩きで移動した場合はもっと時間がかかるとのこと。クルマはプレイヤーが運転したり、目的地を設定してオートで走らせることも可能なのだとか。別の移動手段として、田畑氏は間に合えばという条件付きながら「体験版にはチョコボにも乗れるようにしたい」とも。
体験版にはボス戦などはないが「ボスよりスゴイのが出てくる」(田畑氏)とのこと。かなりインパクトのあるヤツらしい……。体験版が楽しみだ。なお、『XV』の体験版はディスクではなくダウンロードコードという形となり、ソフト発売と同時かそれに近いタイミングでダウンロード可能になる。
PVに登場するアダマンタイマイとバトルも可能。だが、かなり固いため、長期戦は避けられないのだとか。
体験版の概要が紹介されたあとは、急遽用意したという実機によるデモプレイがお披露目! 公開された場所はE3 2013で公開されたPVの舞台となっていた都庁(ふうの場所)。ここでは、キャラクターがアップで紹介されつつ、雨が降ったりと天候の変化や、朝昼晩など時間によってライティングが変わる様子などが紹介。「E3 2013で公開したときは、『XV』で目指すべきものを別の環境で開発していたのですが、それを“エボニー”と呼んでいる『XV』専用の統合環境と、自社の新世代用エンジン“Luminous Studio”を使い、本番(製品版)の開発環境に移行しています」(田畑氏)とのこと。
続いてバトルも公開され、回避ボタンを押しっぱなしにするとノクトが敵(ゴブリン)の攻撃を華麗にかわし、攻撃ボタンを押しっぱなしにすると、自動で攻撃することなど、バトルの基本が紹介。また、仲間のキャラクターが側にいる場合は、自動で連携攻撃が出ることなども明かされた。デモは巨大なベヒーモスをファイアでトドメを刺したところで終了。
ステージで公開されたデモプレイの模様は、今後、スクウェア・エニックスのサイトや動画配信番組“SQUARE ENIX PRESENTS”などでも紹介予定。また、例年12月に開催されるジャンプフェスタでも新情報を公開する予定とのこと。今後、本格始動されそうな『ファイナルファンタジーXV』。『ファイナルファンタジー零式 HD』含め、期待大!
イベント終了後の田畑氏に直撃!
――イベントを終えての感想
田畑 皆さんの反応を直接見られて、本当にやってよかったと思いました。リアクションも温かくて、ステージから遠い方も大きなリアクションを返してくれて、期待していただいているのを実感できましたね。でも、30分は短かったです。『FFXV』は15分くらいお見せできたかな? とは思うんですけど、ぜんぜん足りませんでした。
――『FFXV』は開発状況的にはもっと見せられる?
田畑 はい。皆さんにお見せできる部分はもっとあります。こうしてなるべく見てもらったほうが、このゲームのことをわかってもらえますし、今後もなるべく情報をお出ししていきたいですね。ちなみにステージでお見せしたプロンプトは、昨年公開したPVでは制作環境が最新のものではなく、影の落ちかたなどを調整する必要があってイメチェンしました。髪型と表情をちょっと変えただけなんですけれど、けっこう雰囲気が変わりましたね。今回のデモンストレーションで、PS4やXbox Oneでここまでのゲームが出せるんだよ、というのが指標としてわかってもらえたと思います。これをきっかけに、皆さんに新世代ハードを買っていただきたいですね(笑)。
――期待しているユーザーの方へひと言
田畑 イベントスタッフの方々にムリを言って実機を出させてもらい、その甲斐あって、皆さんに喜んでいただけたという手応えを得られました。PV詐欺じゃないのがわかってもらえたかなと(笑)。ぜひ、この放送をシェアしてもらって、“『FFXV』って、いまこれくらいのところにいるんだな”というのを知ってもらえればと思います。
田畑氏へのインタビューは、後日ファミ通.comや、週刊ファミ通2014年10月9日増刊号(2014年9月25日発売)にロング版を掲載。気になるアレコレを聞いているので、お楽しみに!