注力するのは台湾のゲームユーザー初体験となるPlayStation VR

 既報の通り、2016年1月27日、台湾・台北文創にてソニー・コンピュータエンタテインメント台湾(SCET)主催による“台北ゲームショウ PlayStation Press Conference”が開催された。1月28日~2月2日に行われる台北ゲームショウ2016の出展内容を紹介することをおもな目的として実施された今回のカンファレンスは、一方では、プレイステーションフォーマットの台湾市場における注力ぶりを示すものでもあった。以下に、その詳報をお届けしていこう。

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“台北ゲームショウ PlayStation Press Conference”詳報 中文版のローカライズ作からPlayStation VRまでプレイステーションは台湾でも充実【台北ゲームショウ2016】_01
▲織田博之氏。

 まず登壇したのは、プレイステーションの“アジアの顔”とも言うべき、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア デピュティ プレジデント 織田博之氏。織田氏は、冒頭でプレイステーション4が全世界で累計実売台数3590万台を突破していることに触れ「プレイステーションフォーマット史上最高のスピードで普及拡大しています」と、その好調ぶりをアピール。そのうえで、台北ゲームショウのプレイステーションブースでは、中文版としては世界初プレイアブルとなるプレイステーション4向けタイトルとして、『The Tomorrow Children(トゥモロー チルドレン)』、『New みんなのGOLF』、『THE KING OF FIGHTERS XIV(ザ・キング・オブ・ファイターズXIV)』、『カオスコード:New Sign of Catastrophe」』(台湾・FK Digital)、『軒轅劍:The Gate of Firmament」』(台湾Softstar Entertainment)』の5本が出展されることを明らかにした。

 ちなみに、『THE KING OF FIGHTERS XIV(ザ・キング・オブ・ファイターズXIV)』の紹介では最新映像が紹介。K’、二階堂紅丸、ロバート・ガルシアがプレイアブルキャラクターとして初登場することが判明している。

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 また、ローカライズタイトルも続々とアナウンスされた。まず発表されたのは、カプコン『戦国BASARA 真田幸村伝』の中文版。こちら、『戦国BASARA』シリーズ初の中文化とのことで、まさに待望のローカライズとなる。さらには、プレイステーション Vita向けに数々のローカライズタイトルも明らかに。角川ゲームス『√Letter ルートレター』やマーベラス『UPPERS(アッパーズ)』、コンパイルハート『限界凸記 モエロクロニクル』や、女性に人気の高いコーエーテクモゲームス『金色のコルダ4』、アイディアファクトリー『薄桜鬼 真改 風ノ章』など、豊富なラインアップを見せつけた。

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▲吉田修平氏。

 引き続き登壇したのは、ソニー・コンピュータエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏。吉田氏と言えば、もちろんPlayStation VR。吉田氏は、昨年(2015年)6月に初めてPlayStation VRを台湾に持ち込んで、メディア向け体験会を実施したときのことに触れ、「高い関心と熱い勢いを感じられたのをうれしく思います」と、台湾で感じた手応えに言及。続けて、今回初めて台湾のユーザーにPlayStation VRを体験してもらうにあたり、アジア最大規模となる40台の試遊台を用意したことを明らかにした。

 あわせて、自慢のタイトルラインアップをピックアップ。プレイヤーがロンドン・ギャングとなって両手でガンを操作する『The London Heist』、“近未来のスポーツ”をモチーフにした、マルチ対戦型ロボットアクション『RIGS: Machine Combat League』、PlayStation Experience 2015で衝撃発表された水口哲也氏によるシューティング『Rez Infinite』、家庭教師となるおなじみの『サマーレッスン』などを紹介し、「VRでしか味わえない体験をしてほしいです」と語った。

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▲アーロン・シュー(許金龍)氏。

 さて、さきほど2015年にPlayStation VRが初めて台湾に上陸したと紹介したが、吉田氏によると、同じタイミングで台湾の開発者向けのセミナーも実施された。そして、その中から数社がPlayStation VR向けの開発の着手し、今回開発タイトル発表の運びとなったという。そのスピード感たるや! といったところだが、まず紹介されたのは、XPEC Entertainmentの『O!My Genesis VR』。XPEC Entertainmentと言えば、数々の超大作の開発に協力し、昨年の台北ゲームショウ2015でも、『ファイナルファンタジーXV』に協力していることを明かし、注目を集めたのは記憶に新しいところ。登壇したアーロン・シュー(許金龍)社長は、「PlayStation VRによって、私たちの想像力は新しい地平にたどりつきます。本作では、プレイヤーは創造主としての楽しさが体験できるのです」とコメントした。ワールドワイド・スタジオと複数のタイトルでコラボしているXPEC EntertainmentのPlayStation VRへの参入は吉田氏にとっても心強かったようで、「オリジナルタイトルでPlayStation VRに参入してくれてうれしく思います」と感慨深げに語った。

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▲ジョニー・ジャン氏。

 おつぎのタイトルは、Winking Tree Entertainmentによる『The Telltale Project』。同社の社長兼CEOのジョニー・ジャン氏は、「本作は、火星に着陸し、そこで一度繁栄した文明の軌跡を見つけるゲームです。サウンドエフェクトにも注力しています。映画の世界に入りこんだかのような体験ができます」と、作品の魅力をアピールした。同作に対して吉田氏は、「ハリウッド映画の世界を体験できるようでワクワクします。早くPlayStation VRで体験できる日を待っています」とエールを送った。

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▲アンディー・リュウ(劉信)氏。

 最後に紹介されたのが、UserJoy Technologyの『The Occasional Encounter』。UserJoy Technologyも数々のタイトルを手掛けるメーカーとしておなじみだが、登壇した社長兼ゼネラルマネージャーのアンディー・リュウ(劉信)氏によると、「リアルなシーンと合わせて、インタラクティブな遊びかたをできるゲームを開発しています。台湾の美しさを全世界のユーザーさんに堪能していただきたいです」とのこと。コンテンツの内容的には、どうやらVRで台湾を体験できる内容になるようだ。吉田氏も「台湾のデベロッパーだからこそつくれるコンテンツです。VRを楽しんだ世界中の人が、台湾に行きたいと思っていただけるのではないでしょうか」と期待を寄せた。

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▲江口達雄氏。

 カンファレンスの最後に登壇したのは、ソニー・コンピュータエンタテインメント台湾の総経理 江口達雄氏。江口氏が説明してくれたのは、台北ゲームショウ2016におけるプレイステーションブースの概要。江口氏は、会場ではプレイステーション4、プレイステーション Vitaの最新30タイトルを100台の試遊台で展開し、さらに、PlayStation VR向けにアジア最大規模となる16タイトル40台の試遊台を用意していることを説明してくれた。

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▲豊富なタイトルラインアップが用意されている。

 一方で、台北ゲームショウ2016に合わせて“PS 潮 Tプロジェクト”を始動させることも明らかに。こちらは人気の台湾ファッションブランドが “プレイステーション”をテーマにTシャツをデザインするというコラボ企画で、今回FEBER, Leputation, Under Piece, SQUADの4社が参加。カンファレンスでは、台北ゲームショウの会場で限定先行販売されるコラボTシャツが披露された。

 カンファレンスが終わった後は、織田氏と江口氏が台湾メディアの囲み取材に対応。両氏の口から明らかになったのは、PlayStation VRへの注力ぶりで、台北ゲームショウの見どころを聞かれると、「やはりPlayStation VRの体験ですね。アジア最大規模の40台の試遊を味わっていただきたいです」とのコメントが聞かれた。

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『O!My Genesis VR』ミニプレイインプレ 動かすことがやっぱり楽しくなる

 さて、カンファレンス終了後には、「ひと足早く体験していただきましょう!」とばかりに、複数のPlayStation VR向けタイトルが試遊可能となった。もちろん、記者が注目したのは、発表即世界初プレイアブル出展となった、『O!My Genesis VR』。初物に弱い記者は取るものも取りあえず試遊してみた。

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 “Genesis(創世記)”とあるように、いわば神の手を駆使して惑星を作り上げていくことになる本作。プレイヤーはまずは元となる小さな宝石を流動体の球体に投入。惑星のベースを作ることになる。できあがった惑星の卵(?)は3つ。おつぎに待っているのは惑星に草木を作り上げる作業。こちらは、Moveボタンを押し続け、“ハンドパワー”とばかりにエネルギーを注入することで、簡単に惑星を草木で豊かにできる。豊かになった惑星でほしくなるのはやっぱり生き物。出現した生物をつまんで置くと、惑星に住まわせることに成功する。そして繁殖ということで、生まれてくる生き物につぎつぎと投じることに。「これって、親子で恋愛しているのかしら?」とか、いらぬことを考えつつ、つまんでは惑星に投じ、つまんでは惑星に投じ……という作業に没頭する記者。たまには意味もなく惑星を回転させてみたりと、“動かす”ことが無性に楽しい。

 これもひとつの没入感なんだなあ……と生き物を増殖させていると、生物の数は所定の数に達し、ミッションクリアー。ゲームプレイはつぎなるフェーズに移行。VR空間の宇宙に点線が表示されるのだ。「なんじゃ、これは?」と思っていると、この点線に沿って彗星が移動し、点線上に惑星があるとダメージを食らうという。点線は彗星の軌跡であったわけだ。何ともいきなりダイナミックなことに! というわけで、記者は惑星を彗星の危機から救うべく右往左往することに。たまに、惑星の移動が間に合わず、彗星に直撃されると物悲しくなるのも無理からぬところか。いままで比較的のどかな雰囲気だったのに、急に宇宙の無常さを感じさせる展開にちょっぴり驚愕。一方で、手にとった惑星を遠くに放り投げてみたくなるのも人情というもので、遠くに放り投げてみると、「あまり遠くに放り投げると、戻ってこなくなりますよ」と説明についてくれた方に注意されるひと幕も。なんか、VR空間って、童心に帰っていろいろとやりたくなっちゃうんだよな……と考えていると、花火が飛び散り試遊は終了となった。『O!My Genesis VR』は、VRに新たな魅力を感じさせてくれるタイトルでありました!

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▲我を忘れてPlayStation VRに没頭する記者。やっぱり楽しいのです!