20000人のプレイヤーが参加した新たなるロードスの世界

 ゲームオンがサービス予定のPC用MMORPG『ロードス島戦記オンライン』にて、2016年1月29日から2月1日まで3日間にわたって、プレミアムクローズドβテスト(以下、クローズドβテスト)が実施された。同テストに参加することができたので、ゲームの操作方法やシステム、プレイ感などをリポートする。

 なお、今回のテストでは臨時メンテナンスや、βテスト特有の接続が不安定な状態などがあったため、本稿はごく限られた時間内でのリポートであることをご留意いただきたい。また、プレイ可能な範囲はレベル20まで、冒険できるエリアは限られていた。

 『ロードス島戦記オンライン』は、斜め見下ろし型視点のMMORPGで、クエストやバトル、キャラクターの育成、ほかのプレイヤーとのコミュニケーションなど、オンラインゲームとして基本的な要素を網羅しつつも、PCスペックなどの環境に左右されない快適な操作感で遊べる“ネオクラシックMMORPG”。プレイヤーは、原作の主人公・パーンの仲間のひとりとして、小説の物語を追体験できるのだ。

 今回のクローズドβテストは、2016年1月14日に募集が始まると、すぐに10000人の募集枠を超える応募があり、最終的には募集枠を20000名に拡大。そのことも影響してか、ゲーム内は非常に多くのプレイヤーで溢れていた。ただ、画面内にプレイヤーのキャラクターやNPC、モンスターが数多く表示されていても画面のチラつきや動作の遅延などを感じないというのが、まず大きな印象であった。当たり前だが、ストレスなく快適に遊べることは非常に重要な要素なのだ。

『ロードス島戦記オンライン』のクローズドβテストをリポート。ザクソン村から始まる冒険は、シンプルながら味わい深い_01

キャラクター選択からチュートリアル、操作方法など

 クローズドβテストで選べたキャラクターは、騎士系のエスカイア、神官系のオラクル、魔道士のマジックユーザーの3種類。性別や見た目が固定だったので、自分は迷わず女性キャラクターのオラクルを選択。記者の場合はおもにソロでプレイすることが多いので、回復魔法を持っていることも重要だと感じたという理由もある。攻撃力の低さは持久力でカバーすればオーケーだろう。

『ロードス島戦記オンライン』のクローズドβテストをリポート。ザクソン村から始まる冒険は、シンプルながら味わい深い_02
▲マジックユーザーとエスカイア、オラクルとの間にあるスペースが気になるところ。もしかしたら、ほかのキャラクターも追加される?
『ロードス島戦記オンライン』のクローズドβテストをリポート。ザクソン村から始まる冒険は、シンプルながら味わい深い_03
『ロードス島戦記オンライン』のクローズドβテストをリポート。ザクソン村から始まる冒険は、シンプルながら味わい深い_04
▲キャラクターを選択しオープニングが終わるとチュートリアルがスタート。オンラインゲームに慣れているプレイヤーならスキップしても大丈夫だ。基本操作は、マウスとキーボードのスペースキーだけで行えるので、まず悩むことはないだろう。

クエストをクリアーして経験値やアイテムを獲得

 チュートリアルが終了し、ギルドに案内されたあとは、いくつかのクエスト(依頼)が発生する。ただモンスターを倒すだけより、これらをクリアーしてお金や経験値を獲得したほうが育成の効率がいいので、発生しているクエストは全部クリアーするぐらいの気持ちで進めた。クエストは大きく分けて3種類あり、ものによっては1日ではクリアーしづらい場合もあるので、自分のペースに合わせてプレイするといいだろう。

『ロードス島戦記オンライン』のクローズドβテストをリポート。ザクソン村から始まる冒険は、シンプルながら味わい深い_05
『ロードス島戦記オンライン』のクローズドβテストをリポート。ザクソン村から始まる冒険は、シンプルながら味わい深い_06
▲プレイヤーが所属するギルドの施設や、最初の拠点となるザクソン村の案内もしてくれる。序盤のクエストはギルドやザクソンで発生するのでNPCの位置を覚えておくといい。

■デイリークエスト/ウィークリークエスト
 デイリークエストやウィークリークエストはその日やその週に条件を達成することで報酬をもらえるクエスト。達成条件はデイリーはLv3、ウィークリーはLv7まであり、レベルが高いものの報酬ほどいいものになる。日付や週が変わると途中まで進めた達成条件がリセットされてしまうので、期間内にクリアーする必要があるのだ。

『ロードス島戦記オンライン』のクローズドβテストをリポート。ザクソン村から始まる冒険は、シンプルながら味わい深い_07

■ストーリークエスト
 原作『ロードス島戦記』の物語を追体験できるクエスト。プレイヤーはパーンたちの7人目のパーティーメンバーとなり、冒険の旅に出ることになるのだ。戦闘が発生するクエストもあるが、戦闘エリアはインスタンスダンジョンなので、ほかプレイヤーといっしょに進めることはできない。

『ロードス島戦記オンライン』のクローズドβテストをリポート。ザクソン村から始まる冒険は、シンプルながら味わい深い_08

■通常クエスト
 村やフィールドにいるNPCなどから依頼されるクエスト。クリアー条件は、“ほかのNPCに話しかける”や“特定のエネミーを倒してアイテムを集めてくる”など。アイテム収集系は、対象のモンスターを倒せば必ず手に入り、インベントリ(アイテム欄)を圧迫しない親切仕様。

『ロードス島戦記オンライン』のクローズドβテストをリポート。ザクソン村から始まる冒険は、シンプルながら味わい深い_09

キャラクターの育成とカスタマイズ

 プレイヤーのキャラクターを強くするには、レベルアップによるパラーメーターの上昇や強力なアイテムの装備、スキルの習得が基本だが、『ロードス島戦記オンライン』にはもうひとつの能力“冒険者技能”の成長がある。これは、スキルポイントとは別に得られる冒険者ポイントを使って、通常攻撃強化や移動速度アップなどの効果を得られるのだ。スキルと違って、“冒険者技能を忘れる”ことでポイントが戻ってくるので、そのときどきに合わせたカスタマイズが可能になっている。

■装備アイテムの収集
 装備アイテムはお店で買うほか、モンスターからのドロップ、クエストの報酬などで手に入る。同じ名称のアイテムでも性能が異なるので、入手後は必ず性能を確認しておこう。また、まれに手に入る箱型のアイテムは、右クリックで開封すると、中からランダムで武器や防具が見つかることもある。装備できない職業のアイテムが出ることもあるが、共有倉庫を使えば同じアカウントの別キャラクターに装備させることもできる。安易に売らないようにしよう。

『ロードス島戦記オンライン』のクローズドβテストをリポート。ザクソン村から始まる冒険は、シンプルながら味わい深い_10

■スキルの習得とセット
 スキルはスキルポイントを使用して習得するが、こちらはリセットを行うことができない。やみくもに習得していくと、本当に必要なスキルが習得できないといった状況にもなりかねないので注意が必要だ。スキルは、発動を自分の好きなタイミングで行える“アクティブ”と、習得するだけで攻撃力アップなどの効果が自動で発動する“パッシブ”、戦闘中などに特定の条件を満たすことで発動する“リアクション”の3種類がある。リアクションのスキルは、“チェイン”などの項目にセットすることで自動で発動するので、こちらも習得したらセットを忘れないようにしよう。

『ロードス島戦記オンライン』のクローズドβテストをリポート。ザクソン村から始まる冒険は、シンプルながら味わい深い_11
『ロードス島戦記オンライン』のクローズドβテストをリポート。ザクソン村から始まる冒険は、シンプルながら味わい深い_12
『ロードス島戦記オンライン』のクローズドβテストをリポート。ザクソン村から始まる冒険は、シンプルながら味わい深い_13
▲リアクションスキルは単純に手数が増えるものから、回復の効果がアップするものなどまで多彩。セットすることで、通常攻撃だけで戦うより戦闘が格段に楽になるので忘れないようにしておこう。

パーティーで挑む“探検ダンジョン”

 ギルド内には“探検ダンジョン”に行ける施設がある。冒険ダンジョンは、ソロを含め、あらかじめパーティーを組んだメンバーだけで探索するレイドダンジョンで、フィールドより少し強力なモンスターが出現する。また、モンスターは複数で襲ってくることもあるため、ひとりで挑戦する場合は、各ダンジョンの推奨レベルよりもレベルを上げてから挑んだほうが安心だろう。探検ダンジョンは1日に挑戦できる回数が決まっているので、できるだけクリアー可能な状態で挑みたい。

『ロードス島戦記オンライン』のクローズドβテストをリポート。ザクソン村から始まる冒険は、シンプルながら味わい深い_14
『ロードス島戦記オンライン』のクローズドβテストをリポート。ザクソン村から始まる冒険は、シンプルながら味わい深い_15
▲ダンジョンの種類を選ぶと推奨レベルや参加可能なパーティーメンバー数が表示される。最深部にはボスモンスターが潜んでいることもあり、それを倒すことがクリアーの条件になっていることもある。

 今回のクローズドβテストでは、3日間のうち限られた短い時間のなか駆け足でプレイしたため、体験することができなかった部分も数多くあった。それでも、戦闘、クエスト、キャラクターの育成など触れられた部分は心にひっかかる魅力のあるものであった。プレイを始める前は、グラフィックやシステムのシンプルな作りに、正直物足りなさを感じてはいたが、プレイ後は、「シンプルだからこそ没入でき、また疲れることなく快適に遊べた」と思えるようになった。
間もなく始まるであろうオープンサービス後は、しばし離れていて忘れかけていた『ロードス島戦記』の世界を、この作品で再度味わい、楽しんでみようかと思う。