モーションキャプチャーを担当した俳優さんもゲスト出演
リードライター/ローカライゼーションディレクターのダン・イノウエ氏、リーアム・マーベイさん、アンドレア・ティヴァダルさん、プロダクトマーケティング・ディレクターのマット・キシモト氏。
2016年7月21日~7月24日(現地時間)、アメリカ・サンディエゴのコンベンションセンターにて、エンターテイメントコンテンツの祭典、San Diego Comic-Con International 2016(通称:コミコン)が開催。会期3日目の7月23日に、映画『キングスグレイブ ファイナルファンタジーXV』をモチーフにしたセッション、その名もずばり“KINGSGLAIVE: FINAL FANTASY XV”が開催された。セッションでは、監督を務めた野末武志氏に加えて、リベルトのモーションキャプチャーおよび声を担当したリーアム・マーベイさんと、クロウのモーションキャプチャーを担当したアンドレア・ティヴァダルさんが参加し、イベントに彩りを添えた。
映画の制作にあたって難しかったことを聞かれた野末監督は、3つのポイントを挙げた。ひとつは英語にチャレンジすること。これまで『ファイナルファンタジー』シリーズは、日本語版を先に制作してから英語にローカライズしていたが、本作では英語をベースにしていたので、新しい挑戦となったようだ。ふたつめが、感情表現。本作は長編映画なので、人間の感情表現が大切だということで、その点にはいちばん力を入れたという。モーションアクターたちの演技がすばらしかったので、「彼らの演技を劣化させずに、どうキャラクターの演技に取り込むか」に注力したという。そして、3つめに、「いちばん大事なのが納期」と野末氏。ご存じの通り、『ファイナルファンタジーXV』は、9月30日にリリースすることが決定しており、本作はその『ファイナルファンタジーXV』への期待感を高める意図で制作されたため、ゲームの発売前にリリースすることは命題と言えたのだ。「タイトなスケジュールの中、完成させることができてほっとしています」(野末氏)というコメントは本心だろう。
本作の海外版では、主人公のニックス役にアーロン・ポールさん、ルナフレーナ役にレナ・ヘディさん、レギス役にショーン・ビーンさんというそうそうたるキャスト陣が声優に起用されているが、キャスティングのポイントになったのは、「役柄にあっているかという判断基準と、演技がすばらしいという演技基準がありました」とのこと。ニックスは、世界を外側から見るという役割があったので、大ヒットしたテレビドラマ(『ブレイキング・バッド』のこと)で、不思議な世界を外側から見ているという役柄を見て、本作にもマッチしているのではないか」ということで、オファーしたとのこと。ショーン・ビーンは、「王様なので間違いなくオファー」と野末氏がコメントすると、会場からは大きな歓声が(いうまでもなく『ゲーム・オブ・スローンズ』)。レナ・ヘディさんは、「ロイヤルで、芯の強い役柄が多いのでお願いした」とのこと。キャスト陣にはスクリプトを渡して検討してもらったところ、心よくオファーを受けてくれたのだとか。ちなみに、アーロン・ポールさんに関しては、「弟さんが『ファイナルファンタジー』ファンだったことが大きかった」(野末氏)とのことだ。
セッションでは、リーアムさんとアンドレアさんがモーションキャプチャーに取り組む映像も紹介された。『キングスグレイブ ファイナルファンタジーXV』の仕事をしてみての感想を問われたふたりからは、「役柄が決まったときは、1週間くらいニコニコしていました。もともと『ファイナルファンタジーVII』のファンなので。舞台での演技は表現を大げさにするし、映画では(カメラが)近いので微妙な演技が要求されます。今回は、その中間くらいの感覚で演技しました」(リーアムさん)、「役柄が決まったときは、うれしさのあまり“ワーっ!”と叫んでしまいました。モーションキャプチャー自体は初めての経験だったので、とてもエキサイティングでした」(アンドレアさん)といった声が聞かれた。
北米では、8月30日にデジタル版が、10月4日にパッケージ版が発売される本作だが、会場では冒頭の10分ほどが先行上映。その映像に来場者は引き込まれていた。