歌劇学校を舞台に、個性豊かなキャラクターが織り成す青春群像劇が楽しめるシミュレーションゲーム『ジャックジャンヌ』が、ブロッコリーよりNintendo Switch用ソフトとして2021年3月18日に発売される。 キャラクターデザインは、『東京喰種トーキョーグール』の作者として知られる石田スイ氏。キャラクターの立ち絵はもちろん、 総数160枚を超えるイベントイラストも石田氏が描き下ろしているうえ、原作、シナリオ、世界観設定も担当している。

 本稿では、こだわり抜いて作られた本作の世界を紹介しつつ、体験版のプレイレビューと限定版“ビジュアルアートブック”の一部を公開。

こだわり抜かれて作れられた『ジャックジャンヌ』の世界とは? 体験版レビュー&限定版“ビジュアルアートブック”の一部を公開
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こだわり抜かれた『ジャックジャンヌ』の世界

 ブロッコリーが企画を用意し、石田氏に企画書を提出したのが2016年夏のこと。それから4年半近くもの膨大な時間を使い、クオリティーアップを重ねてきた本作のこだわりを紹介。

総ボリュームは小説20冊分!

 メインシナリオとサブシナリオを合わせた文量は、一般的な小説に換算すると20冊以上のボリューム。キャラクターボイスの量も多く、主人公のボイスは、一般的なテキストアドベンチャーゲームの約5倍の量を誇る。

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エンディングは20種類以上!

 メインシナリオは、物語の合間に出現する選択肢や、公演の成績によってストーリーが大きく分岐。主人公のルートやクラスメイトたちとの個別ルートなど、異なる展開が楽しめる。さらに、20種類以上のエンディングが用意されており、プレイするたびに新たな発見がある。

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石田氏のイラストが満載!

 立ち絵やイラストはすべて石田氏が担当。立ち絵は30人分の表情差分もすべてひとりで描いており、公演ごとに異なるメイクの表情差分も手掛けている。また、収録されたイラストは160枚以上。しかもゲームのシナリオが完成した後、石田氏がみずから読み直し、どのシーンにイラストを入れると映えるかを検討して描き起こすといった徹底ぶり。

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ちびキャラにも注目!

 レッスン画面に登場するキャラクターのデフォルメイラストは、東山マキ氏が手掛けたもの。石田氏が直々にオファーした理由は、インタビュー(後日公開)をチェック!

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ふたつのリズムアクションゲームが公演を盛り上げる!

 公演パートでプレイできるリズムアクションは、2Dミュージックビデオを背景にプレイする“歌唱リズムアクション”と、3DCGキャラクターが踊る映像を背景にプレイする“ダンスリズムアクション”のふたつ。一度クリアーした楽曲は、ギャラリーから再プレイできるほか、背景映像のみを鑑賞できるモードも用意されている(製品版のみ実装)。また、難易度の選択、ボタン配置やノーツ速度、判定の調整など、オプション機能も充実。

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演劇の脚本はすべて書き下ろし!

 公演の脚本も本作の見どころ。1年に5回行われる定期公演の脚本は、すべて石田氏が企画したオリジナル作品。本編では脚本内の一部が演劇化されているが、完成度がより高まるように全編書き下ろされており、公演終了後にギャラリーですべて読むことができる(製品版のみ実装)。

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豪華特典が満載の限定版

 “限定ユニヴェールコレクション”には、石田氏描き下ろしの美しいイラストを使ったスペシャル収納BOXのほか、ビジュアルアートブック、ノベル:Another、オリジナルドラマCD、ボーカルコレクション ゲームサイズVer.が同梱される。限定版の特典内容と併せて、ビジュアルアートブックの一部を掲載。とくに学校の教師陣のイラストや設定画が掲載されたページは、初解禁となる貴重なものなのでお見逃しなく!

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序章が描かれる『ジャックジャンヌ』体験版レビュー

 2021年1月28日に配信がスタートした本作の体験版を、記事担当ライターのジャイアント黒田がプレイレビュー。ストーリーのネタバレなしでプレイした感想をまとめているので、これから体験版を遊ぶ予定の人もご安心を!

女性向けのタイトルだと勘違いして、食わず嫌いするのはもったいない!

 ゲームライターという職業柄、女性向けのテキストアドベンチャーをプレイする機会も多い。主人公が女の子で、イケメンたちと恋をする作品への抵抗はもともと低いが、本作はいい意味で期待を裏切られた。というのも設定だけ見ると、本作は女性向けのタイトルと言えるだろう。

  • 主人公は女の子
  • 性別を偽って男子校に入学
  • クラスメイトはイケメンだらけ
  • イケメンたちとの個別のルートが用意されている……。

 主だった設定を、ざっと書き出しただけでもこの通り。本作が女性向けタイトルだと思う人は少なくないはずだ。

 前述の通り、女性向けタイトルに抵抗はないものの、正直、不安な気持ちはあった。石田スイ先生の『東京喰種トーキョーグール』が好きで記事担当を引き受けたけど、自分でよかったのか。女性のほうが本作の魅力をより正確に伝えられるのではないかと。

 だが、結論から言うと筆者の考えは杞憂だった。いい意味で期待を裏切られたと書いたが、プレイしてすぐにこれは性別に関係なく、誰もが楽しめる作品だと実感できたのだ。その最たる理由が、主人公が男の子として振る舞うことで、ほぼ全員(主人公の幼なじみ・世長創司郎だけは主人公が女性であることを知っている)が男友だちとして接してくれるから。少なくとも体験版に収録されたエピソードでは、歌劇に懸ける“男どうし”の熱い友情物語が楽しめた。

 しかし、読者の中には「立花希佐のような可憐な少女が、男子生徒のフリをするのは無理がある」と疑う人もいるだろう。この疑問はもっともだが、男性が女性を演じるというユニヴェール歌劇学校独自の設定がうまく活かされていると感じた。学校には、主人公よりも女性らしい男子生徒が数多く在籍しており、主人公も見た目や仕草がかわいい“男の子”として、周囲に自然と受け入れられていくのである。

 もちろん、主人公の女性の魅力に、本能的(?)に気付く生徒もいる。彼女の同期であり、クラスメイトの織巻寿々もそのひとり。男相手(本当は女性だけど)にドキドキして戸惑うシーンは、観ていて非常に微笑ましかった。

こだわり抜かれて作れられた『ジャックジャンヌ』の世界とは? 体験版レビュー&限定版“ビジュアルアートブック”の一部を公開

 また、毛色は違うものの、アルジャンヌ(女性役のジャンヌの中でもトップの生徒)の高科更文とのやり取りも、非常に印象的。美しい容姿のふたりが見つめ合うイベントは、石田先生が描く繊細なタッチも相まって、ドキドキさせられるシーンになっている。

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 新人公演を成功させるべく、みんなで一丸となって稽古に励む姿も熱い友情物語が楽しめた要因だ。主人公たち一年生は、まだ原石のような存在。大きな可能性は秘めているものの、芝居や歌唱、ダンスのスキルは乏しい。入学から新人公演まで2ヵ月という短い期間の中で、ときに失敗しながらも、励まし合って前に進む姿は、誰もが心打たれるはず。歳を取ったせいか、以前と比べて涙腺が弱くなっている筆者には、グッとくる場面も多かった。序盤でこの展開だと、終盤はどうなってしまうのか……。製品版をプレイするのが非常に待ち遠しい!

シナリオもリズムアクションも楽しめる、公演パートの作り込みにも脱帽!

 体験版は、本作のウリのひとつである公演パートもしっかり遊べる作りになっている。新人公演で主人公たちが舞台に立ったのは、“不眠王(ねむらずおう)”という本作オリジナルの演目。『ジャックジャンヌ』のこだわりのひとつとして紹介したが、作中劇の作り込みは想像以上。シナリオのデキはもちろんだが、登場人物たちが何らかの役を演じることで、ふだんとは違った一面を見せてくれるのだ。

 キャラクターの立ち絵の表情差分が豊富で、シーンやセリフに合わせて、表情がコロコロと変化するのも観ていて楽しい。テキストアドベンチャーにおけるキャラクターの表現方法は以前と比べてリッチになってきているが、表情差分をたくさん用意することで、キャラクターを生き生きと描いているのは、石田先生を起用した本作独自の魅力だろう。

 また、公演パートでプレイできるふたつのリズムアクションゲームは、操作やルールがシンプルで敷居は低め。ふだんこの手のゲームを遊ばない人も、安心して遊べる難易度に設定されていると感じた。リズムアクションゲームが好きな人に向けて、3つの難易度が収録されているのも好印象。体験版には収録されていないものの、条件を満たすとギャラリーでさらに上の難易度に挑めるのもうれしい。

 さらに、演劇パートでは上演されないオリジナル演目のシナリオ全編を閲覧したり、リズムアクションの背景映像を鑑賞したりできるのも、ギャラリーの醍醐味。とくにダンスシーンは、リズムアクションをプレイしているとじっくり観る余裕がないので(苦笑)、製品版のギャラリーで見直すのがいまから楽しみだ。

こだわり抜かれて作れられた『ジャックジャンヌ』の世界とは? 体験版レビュー&限定版“ビジュアルアートブック”の一部を公開

 楽しみと言えば、ストーリーの今後の展開も気になるところ。主人公たちの公演が終わった後、ライバルクラスの公演が始まるという、これまた熱い展開になっている。個人的に注目しているクラスは、歌唱力に優れたジャンヌが集まる“ロードナイト”と奇才集団の“アンバー”だが、優秀なジャックが揃った“オニキス”も熱血そうで興味が沸いた。いずれのクラスもメンバーがクセ者揃いで、主人公とどのようなストーリーを紡いでいくのか、予測ができないのも製品版への期待に拍車をかけてくれている。まだ体験版を遊んでいない方は、本作の魅力の一端に触れてほしい。

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