SFホラー映画の金字塔『エイリアン』がゲーム化! 三人称視点のシューティング『Aliens: Fireteam』(エイリアンズ ファイアーチーム)が、3gooよりプレイステーション5、プレイステーション4向けに2021年夏にリリースされる。

 映画三部作の23年後を舞台にした本作では、ファイアーチームの一員として、ふたりの友だち、またはAIと協力して敵と戦っていくことになる。

 本作を開発するのはアメリカ・サンノゼにオフィスを構える開発スタジオCold Iron Studios。ここでは、同社の共同創設者にしてヘッドであるクレイグ・ツィンキェーヴィチ氏に、本作を開発するにあたっての経緯やこだわりなどを聞いた。

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Craig Zinkievich(クレイグ・ツィンキェーヴィチ)

Cold Iron Studios 共同創設者/ヘッド
20年以上に渡りゲーム開発に関わり、『Star Trek Online』『City of Heroes』『Dungeons&Dragons Neverwinter』などを手掛ける。2015年にCold Iron Studiosを設立。「楽しく、価値のあるPCとコンソールのマルチプレイヤーオンラインアクションゲームを生み出すべく、世界トップクラスの開発者が協力し合えるカルチャーの構築に注力しています」とのこと。

『エイリアン』の世界でしか体験できないフィーリングをプレイヤーに提供することが目標

――本作の開発経緯をお教えください。なぜ、『エイリアン』のIPをゲーム化することにしたのですか?

クレイグ本作のプロジェクトが始動したのは2018年です。そこから我々のチームは『Aliens: Fireteam』を開発してきました。それ以来、私たちは作業に心血を注ぎ、本作を最高の『エイリアン』ゲームにすることに集中してきました。我々には素晴らしいチームがあり、このIPに溢れるほどの情熱を持っています。私たちは最初から、このゲームを作るために心を合わせることを楽しんできました。

 『エイリアン』というIPをゲームにすることは、最初から極めて明確で、簡単な選択でした。私たちが作りたいゲームのタイプは、『エイリアン』ユニバースのIPとマッチしていましたし、私たち開発者が心から愛している、フィクションをベースにしたゲームを開発するという機会を与えられたとき、私は“はい”と即答していました。まさに、自然にフィットしたのです。

 私たちが作りたかった、三人称視点の協力型シューティングゲームのデザインは、『エイリアン』の世界観や植民地海兵隊といったモチーフに極めてマッチしています。このIPに取り組むことはとても情熱的で、仕事をもっと楽しくしてくれます。オファーがあったときに、このプロジェクトを断る人はいないでしょう?

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――開発陣の皆さんは『エイリアン』のファンだったのでしょうか。『エイリアン』のどのようなところに惹かれてゲーム化を決意されたのですか? 『エイリアン』というフランチャイズをゲーム化するにあたって、こだわったポイントをお教えください。

クレイグもちろん、開発チームのメンバーはみんな『エイリアン』の大ファンで、映画もゲームも小説も全部楽しんできました。この世界に夢中になるほどよく知っているので、チーム内でどの作品がいちばんおもしろいのか、いつも熱く語っています。

 ゲーム全体の方向性を決める際には、アクションゲームの開発経験があることや、三人称視点のCO-OP型シューターを作りたいという思いが一致していました。ホラーをテーマにした、すぐれた『エイリアン』のゲームがこれまでに存在していたので、私たちが作る『エイリアン』のゲームでは、最高にかっこいいファイアーチームの一員として、ゼノモーフを倒すという方向性がよいのではないかと考えました。

 『Aliens: Fireteam』を開発するにあたっては、最初の段階から、複数の異なるタイプの敵とカスタマイズできる装備、あらゆる方向から無限に襲ってくると感じるほどの大量の敵に立ち向かう、『エイリアン』の世界でしか体験できないフィーリングをプレイヤーに提供することが我々の目指すところだとわかっていました。ひとりではなく、チームがひとつにならなければ状況を打破できあい体験を実現したいと考えたのです。

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――本作を協力プレイ型のTPSにした理由をお教えください。どのようなゲームプレイが楽しめますか?

クレイグまず私たちはCO-OPプレイが大好きです。『エイリアン』のファンがずっと昔から望んでいた、植民地海兵隊のファイアーチームに入り、いつまでも尽きることのないエイリアンの大群と戦うということが体験ができるゲームを作りたかったのです。これが本作の核となるアイデアとなります。

 ゲーム開発者としては、私たちはCO-OPとMMOのジャンルにおいて長い経験を持っています。友だちと遊んで、新しいアイテムと武器を手に入れたり、自分のクラスをもっとオプティマイズできるゲームをいつも楽しんできました。私たちの経験から、3人のチームがベストだと思っています。『Aliens: Fireteam』では激しい銃撃戦やカバーアクションもありますし、壁や天井から襲ってくるキリのないエイリアンの波に抵抗し、キャラクターの成長やカスタマイズを楽しむことができるのと同時に、『エイリアン』の世界をもっと深く探索できるようになります。CO-OPシューターのファンはもちろんですが、シングルのシューターファンの方でも、このゲームを楽しいと思ってもらえることを目指して開発しています。

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――本作ではどのような物語が展開されるのでしょうか。

クレイグご存じの通り『Aliens: Fireteam』のシナリオは、映画『エイリアン』の三部作から23年後、2202年の話になります。植民地海兵隊の訓練を終えたばかりの新人となるプレイヤーとその親友は、海兵隊の軍を運ぶ船UAM エンデバーに乗り込み、“アウター・コロニー”にパトロールに行くのですが、目的地に向かっていた途中に数十年前から行方不明と報じられていた軌道精製所カタンガから謎の遭難信号を受け取ります。

 まだ、あまり多くはお話できないのですが、信号を調査しながら、企業のダークな秘密や、古代エイリアンの遺跡、そして恐ろしいゼノモーフに遭遇するでしょう。

 『エイリアン』の世界観をさらに広げ、フィクションからもっと多くを引き出せるために、このような設定を選択しました。すでに描かれたことのある出来事に縛られず、この世界にあるテクノロジーとストーリーラインをベースにしながら自由に新しいコンテンツを生み出していくことができると考えています。

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――本作に登場する個々のエイリアンにはそれぞれ固有のAIが設定されているとのことですが、そのへんも本作のこだわりポイントだったりしますでしょうか? 本作のAIにはどのような工夫が凝らされているのですか?

クレイグはい、ゲームにさまざまな種類の敵がいることが重要でした。ペースの速いCO-OP型シューターで敵をうまく機能させるには、それぞれの敵が独自の特性とAIを備えている必要があることを早い段階から認識していました。

 ランナー、ドローン、プレトリアン、プラウラー、バースター、スピッターなどの多様なゼノモーフは、プレイヤーが遭遇したときにやりがいのあるゲームプレイ体験に挑戦するために、それぞれが独自の役割と行動特性を持たなければなりませんでした。ランナーが大群でプレイヤーに突撃し、天井や壁を這うように押し寄せて数でプレイヤーを圧倒しようとしてくる一方で、スピッターはプレイヤーに致命的な酸を浴びせ続ける距離を保ちます。

 プレイヤーが手ごわい種に立ち向かおうとしている状況を感じさせ、つねに異なる脅威、異なるゲームの戦術を必要とするようにしたかったのです。私たちは、頭のよくないゾンビがまっすぐにプレイヤーに向かって行進してくることや、ひとりの非常に知能が高くほぼ無敵の敵だけを狙うサバイバルホラーにはしたくなかったのです。

 私たちの目指すものは、このゲームが挑戦的でダイナミックなシューターアクションとなることを確かなものにすることです。難しい戦いに急にドローンを投入してプレイヤーを驚かせ、さらにその状況を克服するためにプレイヤーがどのように考えて行動を取るのかということが重要になるでしょう。