2021年9月2日~3日の2日間、国内最大規模のインディーゲームの祭典“BitSummit THE 8th BIT (ビットサミット ザ エイト ビット)”が開催された。
さまざまなタイトルが展示されていた会場の中から、本記事ではUndercurrent Gamesの『Slumhack / スラムハック』を紹介していく。
本作はパンデミック後の世界を舞台に、近代スラムの廃都に住む少女ネリコが、大都市のさまざまな場所をハッキングしていくというストーリーが描かれる作品だ。
ハッキングはパズルゲームになっているのだが、本作の大きな特徴として、プレイヤーはキャラクターを直接操作することができない点が挙げられる。基本的には矢印が描かれたアイコンを動かすという操作を駆使してギミックを作動させて、ステージにいるネリコをゴールへと導いていくというルールのパズルゲームとなっているのだ。ブースで今回遊んだステージは、矢印が描かれたアイコンを心電図のような線の上に置き、その方向に応じてネリコが動くというギミックだった。
この操作のアイデアはかなり新鮮で、最初は左右に移動してゴールを目指すような簡単なものから始まっていくのだが、次第にステージの構成も複雑になり、ジャンプ(矢印のアイコンだと“↑”)などの新しいアイコンも登場した。
このジャンプがなかなかの曲者で、右方向にジャンプしながら進む場合は、“↑”、“→”のアイコンを線上に置かなければいけないのだが、アイコンどうしの間隔でジャンプの飛距離が変わるため、細かい調整が必要になっていくる。何度も失敗しているときは自分で操作できないもどかしさを感じるときもあるが、そのぶん調整がうまくいったときの喜びは大きく、すぐにつぎのステージに挑みたくなってしまうほどだった。また、失敗してもその場ですぐに復活するため、テンポよく遊び続けられる印象を受けた。
ブースにいた開発者のJiaxing Wei氏に話を聞くと、もともと本作は2020年に行われた“GMTK Game Jam 2020”用に作った作品で、それを製品版としてブラッシュアップしたものなのだそう。このときのゲームジャムのテーマが“Out of Control(制御不能)”ということで、本作のような直接プレイヤーがキャラクターを操作できない作品を作ったとのことだった。
そんな本作は2022年のリリースを目標に、現在最終調整中。SteamとNintendo Switchでの配信を予定しているそうだ。