タクティカルシューター『VALORANT』の世界大会“2022 VALORANT Champions Tour Stage 1 - Masters Reykjavik”(VCT2022 Masters1)が開催中だ。開催地はアイスランドのレイキャビク。

 この大会には日本代表のZETA DIVISIONも出場しており、いま彼らに熱い視線が注がれている。開幕前には“出場チーム中最弱”という評価もあったが、ふたを開けたら破竹の勢いで名門チームをつぎつぎ撃破。ついには4強の仲間入りを果たしてしまった。

 準決勝の配信は2022年4月23日午前2時から。ZETA DIVISION 対 Paper Rex(APAC:アジア太平洋地域代表)の試合は午前5時頃から配信される予定だ。

VCT配信ページ(Twitch)
“2022 VALORANT CHAMPIONS TOUR”公式サイト

 ZETA DIVISIONの『VALORABT』部門は『Counter-Strike: Global Offensive』のトップチーム“Absolute”がベースになっている。2021年にチームメンバーが入れ替わり、本大会はLaz選手とCrow選手、新メンバーのSugarZ3ro選手、TENN選手、Dep選手の5人での初の挑戦となった。

 Challengers(地域大会)では、前年度のVCT決勝で幾度となく激闘をくり広げたライバルチーム“Crazy Raccoon”と3度も対戦。持ち前のチーム力と高い技術で無敗優勝を果たし、国際大会“Masters”へと駒を進めた。

 Masters1 グループAの初戦で韓国の強豪“DRX”と当たり、ストレートで2マップを落として惨敗。次戦の相手として優勝候補の一角であるEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ地域)代表“Fnatic”に決まり、勝ち進むのは厳しいように思えた。だが、ここから“ZETA DIVISION”の快進撃がはじまる。

 いざ迎えた“Fnatic”戦。崖っぷちの状況の中で選手たちは大健闘。強豪相手に下剋上を果たし、世界大会での初勝利を掴んだのだ。

『VALORANT』世界大会“VCT”、ZETA DIVISIONがPaper Rexを撃破して世界トップ3入り。次戦は4月24日2時スタート【VCT2022 Masters1】

 そして、プレイオフ(決勝ラウンド)進出をかけて戦ったのはブラジルチーム“Ninjas in Pyjamas”。両チームが1ゲームずつ取り、運命の3マップ目はNinjas in Pyjamasが先に王手をかけた。誰もが諦めかける中、ZETA DIVISIONの選手たちは気迫のこもった好プレイを連発。気づけば12-12と追いつき、オーバータイム(先に2連続でラウンドを勝利したチームが勝つ延長戦)に突入。勢いそのまま連続で6ラウンドを取りきったZETA DIVISIONが制し、日本勢としては初めてプレイオフに駒を進めたのだ。

 最後まで戦い抜いた選手たちの姿やインタビューで涙を浮かべるLaz選手、キャスター陣の熱い言葉に、多くの人が感動したことだろう。しかし、ZETA DIVISIONの頂点へのチャレンジはまだ終わらなかった。

『VALORANT』世界大会“VCT”、ZETA DIVISIONがPaper Rexを撃破して世界トップ3入り。次戦は4月24日2時スタート【VCT2022 Masters1】
『VALORANT』世界大会“VCT”、ZETA DIVISIONがPaper Rexを撃破して世界トップ3入り。次戦は4月24日2時スタート【VCT2022 Masters1】

 プレイオフ1戦目ではEMEA“G2 Esports”と対戦。連戦の疲れからかミスが目立ち、善戦するも敗北。ロワー(敗者ブロック)へと進み、ふたたび負ければ終わりという状況でEMEAのチーム“Team Liquid”に挑むことになった。

 Team Liquid戦の1マップ目はZETA DIVISIONが取るも、2マップ目はLiquidの戦術に対応し切れずに敗北。3マップ目は試合中盤までお互いがラウンドを取り合う拮抗した展開に。しかし、最終ラウンドでSugarZ3ro選手がACE(敵チーム全員をキル)を取るなどの圧巻のプレイを見せ、プレイオフでも見事に勝利を収めた。

 ベスト4入りを目指すZETA DIVISIONの前に立ちはだかったのは、一度敗れたDRXだった。日本国内の同時視聴数が過去最大の29万人を記録するなど、多くのファンが見守る中、1マップ目のアイスボックスはZETA DIVISIONが先取。2マップ目のアセントはDRXが取り、実力はほぼ互角だった。

 迎えた3マップ目のスプリットは、ディフェンダーサイドからスタートしたZETA DIVISIONが1ラウンド目を取得すると、試合の流れを完璧にコントロール。10-2と、かなりの優勢で折り返した。その後、アタッカーサイドでも着実にラウンドを取り切って大勝利。初戦のリベンジを果たすとともに、世界ベスト4の座を手にしたのである。

『VALORANT』世界大会“VCT”、ZETA DIVISIONがPaper Rexを撃破して世界トップ3入り。次戦は4月24日2時スタート【VCT2022 Masters1】

 今大会で、間違いなくいちばんの注目を集めているZETA DIVISION。その躍進は世界を駆け抜け、SNS上では国内外問わずのプロゲーマーや著名人、ファンらの喜びと祝福のコメントが溢れた(Twitterの世界トレンド1位に応援タグ“#ZETAWIN”が入るほど)。

 明日(4月23日)午前5時ごろから始まるつぎの試合の対戦相手はアジア太平洋地域代表Paper Rex。ZETA DIVISIONに土をつけたG2 Esportsを破ってベスト4へと進んでいることから、激戦は避けられないだろう。ぜひ、画面の前から選手たちに声援を送ってほしい。

【2022/04/23 12時39分追記】
 ZETA DIVISIONはマップ取得数2-1でPaper Rexに勝利し、世界トップ3入りを確定させた。つぎの試合は4月24日2時開始のOpTic Gaming戦。また、グランドファイナルは4月25日2時より開始予定となっている。

2022 VALORANT Champions Tour 概要

 “VALORANT Champions Tour”は、Challengers、Masters、Championsの3段階で構成された、タクティカルシューター『VALORANT』の大会。地域大会であるChallengers(年2回)はオープン予選と本戦からなり、勝ち上がったチームは各地域を代表するチームが集結する国際大会Masters(年2回)に出場。

 そして、シーズンのフィナーレを飾るChampionsは、世界最高峰のトーナメント戦で、これを制覇したチームがVALORANT世界王者となる。

『VALORANT』世界大会“VCT”、ZETA DIVISIONがPaper Rexを撃破して世界トップ3入り。次戦は4月24日2時スタート【VCT2022 Masters1】

出場チーム

  • EMEA(3チーム):G2 Esports、Fnatic、Team Liquid
  • 北アメリカ(2チーム):The Guard、Optic Gaming
  • ブラジル(1チーム):LOUD、Ninjas in Pyjamas
  • ラテンアメリカ(1チーム):KRÜ Esports
  • 韓国(1チーム):DRX
  • 日本(1チーム):ZETA DIVISION
  • APAC(2チーム):Paper Rex、XERXIA

トーナメント表(4月21日時点)

『VALORANT』世界大会“VCT”、ZETA DIVISIONがPaper Rexを撃破して世界トップ3入り。次戦は4月24日2時スタート【VCT2022 Masters1】

スケジュール(残り試合のみ記載)

  • 4月22日(金)26時:アッパー決勝、ロワー準決勝
  • 4月23日(土)26時:ロワー決勝
  • 4月24日(日)26時:決勝

配信チャンネル

『VALORANT』概要

 『VALORANT』は2020年6月にリリースされた、5対5で対戦するタクティカルシューター。“エージェント”固有の能力を組み合わせた銃撃戦が特徴で、チーム戦術はもちろん、プレイヤーの判断と一瞬のひらめきが勝利を手繰り寄せる。