2023年6月29日に6周年を迎えた、スマートフォン向けアプリ『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』(以下、『ミリシタ』)。それを記念して、春日未来役の山崎はるかさんにインタビューを実施。『ミリオンライブ!』のセンターとして駆け抜けてきた10年間の思い出や、演じるうえで大切にしていることなどを聞いた。

※本インタビューは2023年6月15日発売の週刊ファミ通(2023年6月29日号 No.1802)に掲載したものに加筆、修正を行ったものです。

山崎 はるか(やまざき はるか)

6月27日生まれ。神奈川県出身。声優のほか、2018年からはアーティストとしても活動。また『ミリオンライブ!』の公式ラジオ『ミリオンラジオ!』のパーソナリティも担当している。おもな出演作は『ハヤテのごとく!』シリーズ(水蓮寺ルカ役)、『崩壊スターレイル』(ヘルタ役)など。文中は山崎。

『ミリシタ』山崎はるかさん(春日未来役)インタビュー。「『ミリオンライブ!』が好きという気持ちを、これからもずっと持ってくれたらうれしいです」
『ミリシタ』山崎はるかさん(春日未来役)インタビュー。「『ミリオンライブ!』が好きという気持ちを、これからもずっと持ってくれたらうれしいです」

――『ミリオンライブ!』は今年で10周年、『ミリシタ』は6周年を迎えました。いまの率直なお気持ちをお聞かせください。

山崎もう10周年経ったのかと感慨深い一方で、意外と早かったなという印象があります。だけど、『ミリオンライブ!』の仲間たちとは20年来の付き合いのような感覚もありますね。あっという間に感じるぐらい、全力で駆け抜けた10年間だったなと思います。

――オーディションのときのことは覚えていますか?

山崎オーディションでは、未来ちゃんのほかに、北上麗花ちゃんと伊吹翼ちゃんを受けさせていただいた記憶があります。印象的だったのは、翼の演技の方向性で未来ちゃんを演じてほしいとリクエストがあったことですね。最初に未来ちゃんを演じたときは、いまよりも少し大人しめだったんです。

 当時の資料には翼のほうが元気で明るい性格だと記載があったので、翼のお芝居のときはより元気よく演じたのですが、それがスタッフさんの中の未来ちゃんのイメージに合っていたようで。改めてオーディションで未来ちゃんという女の子のことを知れたので、思い出深いです。

――そんなオーディションを経て、未来役を射止められましたね。

山崎未来ちゃん役に選ばれたことはとてもうれしかったのですが、一方でセンターのアイドルを演じることにプレッシャーも感じました。ライブイベントに出演するときは最初こそ中村繪里子さん(天海春香役)の背中を見て、センターはこうあらなきゃ、と思っていましたが、 それは間違いだったとすぐに気づきました。「私は私らしくいていいんだ!」と。だいたいそれには気付いたのは3rdライブくらいです。

――センターとしての戸惑いがありつつ、そこから10年間未来と歩まれています。 時間を重ねるごとに、未来の印象が変わった部分はありますか?

山崎最近、未来ちゃんはこんなに(愛のある)アホだったのかと思うことが多くて。音響監督さんに「さすがに(愛のある)アホすぎませんか?」とご相談させていただいて、言い回しを修正することもありました。

 そういった意味では、当初よりも無垢さがより表に出ているのかなと思いますね。何気なくボタンを押しちゃうシーンとかもよく見かけるようになりましたしね。

――純粋な一面がたくさん見られるようになりましたよね。そんな未来を演じる際に心掛けていることはありますか?

山崎わざとらしく見られないようには意識しています。純粋でかわいいけれど、それを 計算でやっていると受け取られないように、ということは大切にしていますね。

――では、10年間ずっと変えずにしていることはありますか?

山崎あまり悲しまないようにしていますね。 ほかのアイドルたちが困っていたり、 ネガティブな気持ちになっていたりしても、未来ちゃんは前向きな姿で、みんなを勇気づけられるような様子を見せられるように10年変わらず意識して演じています。

『ミリシタ』山崎はるかさん(春日未来役)インタビュー。「『ミリオンライブ!』が好きという気持ちを、これからもずっと持ってくれたらうれしいです」

――ここで『ミリシタ』の楽曲やイベントについてもお聞きできればと思います。ご自身が歌唱されている楽曲の中でお気に入りのものがあれば教えてください。

山崎参加している曲だと、『Flyers!!!』がお気に入りですね。ダンスも含めてすごくかわいい曲ですし、イントロのワクワク感も好きです。未来ちゃんのユニット曲だと、『ハルカナミライ』です。765プロの春香さん(天海春香役の中村繪里子さん)と歌った曲ですし、ライブでは静香ちゃん(最上静香役の田所あずささん)と歌ったこともありました。いろいろな見えかたのする曲という印象もありますね。

――好きなアイドルやユニットについてもお聞きできればと思います。

山崎楽曲的には、オペラセリア・煌輝座と夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE-がめちゃくちゃ好きですね。ふたつのユニットのミュージカルのような世界観が好きなんです。メンバーの関係性やコミュの内容も含めていちばん好きなユニットはD/Zealです。

――『ミリシタ』のコミュで印象的だったものはありますか?

山崎“プラチナスターツアー~Episode. Tiara~”ですね。このコミュでは、未来ちゃんがお芝居に挑戦するのですが、演じる役が未来ちゃんより意思が強くて、正義感もあって、人と言い争うこともあるキャラクターだったので印象に残っています。

 それと、“プラチナスターツアー~ABSOLUTE RUN!!!~”も思い出深いです。多数の事務所のアイドルたちが競い合うイベントにストロベリーポップムーンも参加することになるのですが、そのコミュの中で、未来ちゃんと静香ちゃんが衝突するんです。そして、静香ちゃんから「未来とは目指している先が違うのかもしれない」、「もう、いっしょにはいられないかも」というようなことを言われるんですよね。

 そこで未来ちゃんがかなり落ち込んじゃうのですが、未来がほかのアイドルの子との会話で落ち込むことはほとんどないので、演じるときにかなり悩んだ記憶があります。

――いままで見せたことがない一面でしたね。

山崎演じかた次第ではかなり雰囲気が悪くなるので、すごく悩みました。ただ、収録時に音響監督さんから「ほかの子とはぶつからないけど、いままでいっぱい信頼してきた静香ちゃんとだからこそ、ちゃんと真剣に受け止めて、笑って流さずに、真剣に落ち込むし、真剣に考えるんだよ」と言われて。その言葉が腑に落ちたので、私も未来ちゃんの葛藤をしっかり表現できるようにがんばりました。

――『ミリシタ』といえば、6周年記念楽曲『グッドサイン』の印象についてもお聞きできればと思います。

山崎アニソンだとは思えないぐらい、王道なJ-popっぽさを感じましたね。最近の全体曲はかっこいい系の楽曲が多かった印象ですが、今回はみんなでわちゃわちゃと楽しめそうな明るい曲になっていて。私も早くみんなと歌いたくなりました。

――レコーディングの際に意識したところはありますか?

山崎英語の歌詞が登場するのですが、未来ちゃんは英語を絶対カタカナに直して歌うので、そこは意識しました。ソロバージョンを聴く機会があったら、注目してほしいですね。

――『ミリオンライブ!』の10周年記念曲『Crossing!』の印象についても伺えますか?

山崎私は『Crossing!』がめちゃくちゃ好きなんです! いい曲過ぎて「作曲者さん、神!」と思いました。ただ、踊りは難しいです(笑)。ですので、ライブで披露するのは少したいへんですが、それでも大好きな曲です。

――とくにお気に入りのポイントを教えてください。

山崎イントロが静かに始まって、その後一気に盛り上がっていく感じが好きです。そんな音の流れに私は弱いんですよね。

『ミリシタ』山崎はるかさん(春日未来役)インタビュー。「『ミリオンライブ!』が好きという気持ちを、これからもずっと持ってくれたらうれしいです」

――未来とともに、数多くのイベントやライブ にも出演されてきましたが、とくに思い出深いものはありますか?

山崎“M@STERS OF IDOL WORLD!!2015”ですね。ドームでのライブが初めてでしたし、とにかく過酷だった印象があります。リハーサルを夜中まで行うこともありましたし、朝の集合時間はめちゃくちゃ早かったし。当日の舞台裏の気温は40度ぐらいあって、頭から氷を被ってもつぎの出番のときには溶けていました。すべてが度を超えるような経験だったので、あのライブ以降は、いろいろなことに耐えられるようになりました。

 もちろん、ほかのブランドの皆さんとライブができたこともとても印象的でしたが、舞台裏での思い出も含めて、“M@STERS OF IDOL WORLD!!2015”は忘れられません。

――プロデューサーの皆さんにとっても、“M@STERS OF IDOL WORLD!!2015”は過酷だった印象があります。

山崎そうですよね。初めて熱中症で倒れそうになりましたし。医務室に運ばれて、このままステージに立てないかもしれないという状況を経験したということもあり、印象的過ぎるライブでした。

――『ミリオンライブ!』の単独ライブの中で印象的だったものはありますか?

山崎ひとつを選ぶのは難しいです。ただ、1stライブを経験した後に、信号機の3人でストロベリーポップムーンとして、8thライブのステージでパフォーマンスできたのは思い出深いです。当日はすごくワクワクしていました。ライブのメイキングを見たときに、自分でも恥ずかしくなるぐらい浮かれていましたね。

 ただ、それほど3人で歌えたのがうれしかったのかなと。ライブ中も、(伊吹翼役の)Machicoところちゃん(田所あずささん)とずっといっしょにいてライブを楽しんでいたので、8thライブは楽しい思い出しかないですね。

――先日には10周年ツアーが開幕しましたが、こちらのステージに立たれた感想もお聞きできればと思います。

山崎ずっと応援し続けてくれているプロデューサーさんはもちろん、最近『ミリオンライブ!』を知ったプロデューサーさんもたくさん参加してくださっていたみたいで。いろいろな方が私たちを応援してくれているのがすごくうれしかったですし、それだけたくさんの方に愛される『ミリオンライブ!』はすばらしいコンテンツだなと改めて実感しました。

 ライブとしても、これまでの10年間の歩みが感じられる内容になっていて、10周年記念ツアーの幕開けらしい素敵なステージだったなと思います。

――最後の「ありがサンキュー」のくだりも含めて、10年間の歴史を感じる『ミリオンライブ!』らしいライブだったと感じました。『ミリオンライブ!』の単独ライブとしては数年ぶりの声出し解禁のライブでもありましたね。

山崎まだ声出しで聴けていなかった楽曲を今回お披露目できたので、そこはうれしかったです。10周年を振り返る思い出公演だったので、このタイミングで声出しOKのライブができて本当によかったなと思います。

『ミリシタ』山崎はるかさん(春日未来役)インタビュー。「『ミリオンライブ!』が好きという気持ちを、これからもずっと持ってくれたらうれしいです」

――ちなみに、2月には“M@STERS OF IDOL WORLD!!!!! 2023”が開催されましたが、こちらの感想なども伺えますか。

山崎すごい景色でした。私が出演した1日目の最後の曲のときに、全ブランドの信号機の皆さんがセンターステージに集合していたのですが、私の立ち位置が皆さんを見渡せる位置でして。その前にはプロデューサーさんのいる景色が広がっていて、「みんな、ここからの景色を見て!」と言いたくなるくらい素敵な光景でした。

――自分の視線を配信したいみたいな感覚ですかね。

山崎そうです。そのぐらいエモいと感じた瞬間がありました。あと、『流れ星キセキ』をしゅごん(天道輝役の仲村宗悟さん)と(中村)繪里子さんと歌唱したのですが、歌う前に「がんばろうぜ!」と3人でグータッチをしたんです。自分も参加していたのに、「いまのグータッチ、エモーい!」と感じていました(笑)。

 それと、いろいろなアイドルの組み合わせによるステージももちろん素敵でした。私、『ミリシタ』で『Get lol! Get lol! SONG』を見ているときに、ピエールの幻影が見えていたので、ピエールにも歌ってほしいなと感じていましたが、本当に、やよいちゃん(高槻やよい役の仁後真耶子さん)とピエール(ピエール役の堀江瞬さん)が『Get lol! Get lol! SONG』を歌ってくれて、とてもうれしかったです。

 ほかには、『SideM』さんの楽曲を披露させていただいたのですが、男性のキャストさんの楽曲ということで、ダンスはすごく激しくてたいへんでした。ダンスは『SideM』の振り付けの先生に教えていただいたのですが、レッスン中はめちゃくちゃ息切れしていました。でも、『SideM』の皆さんはすごく軽やかに踊っているように見えて、皆さんのパワーに驚かされました。

――山崎さんがステージに立つときに大事にしていることはありますか?

山崎ステージに立っているのは私ではなく、未来ちゃんである、ということは大切にしています。いろいろなタイプの方がいらっしゃると思いますが、 私は憑依型なのでライブ中は私の意思はほとんどないです。昔は「未来ちゃんならこういう動きをする」と考えていたのですが、 いまでは体が勝手に動くようになったので身を任せています。

 だから逆にMCで話すときには、「私は山崎はるかだ」とスイッチを切り換えているくらいです(笑)。 ただ、 そのときも声のトーンなど、 明確に変化をつけるようにしています。

――MCで自分に切り換えられているのですね。『ミリオンライブ!』の今後としては、いよいよアニメの先行上映、そして本放送が控えていますが、いまの率直なお気持ちをお聞かせください。

山崎『ミリオンライブ!』を知ってもらうために多くの人に見てほしいですが、ちゃんとおもしろいものになっているか不安に感じている方もいらっしゃると思います。ただ私的にはすごくいい作品になっていると思います。ですので、思う存分楽しんでほしいです。まだ『ミリオンライブ!』を知らない方も、アニメからだと作品のことも理解しやすいと思うので、ぜひチェックしてください。

――今後の活動の中で、やってみたいことはありますか?

山崎アイドル大運動会ですね。年齢的にNGの人が出てくる前にやってください。私たちも、いまならまだやれるという感じなので(笑)。もちろんプロデューサーさんも入れて、スポーツ施設で運動会をして、勝ったチームが歌唱したり、負けたチームはたいへんな曲を歌ったり、すごく楽しいことになると思います。

――それでは最後にプロデューサーさんへメッセージをお願いします。

山崎『ミリシタ』が6周年、『ミリオンライブ!』が10周年ということで、 ずっと応援し続けてくれているプロデューサーさんはもちろん、最近知ってくれたプロデューサーさんもいらっしゃると思います。『ミリオンライブ!』、そして『ミリシタ』は本当に素敵なコンテンツなので、ぜひどっぷりと触れてほしいです。

 私たちは、これからもずっと全力でがんばり続けます。プロデューサーさんには変わらない応援をお願いしたいですが、 応援というと少し重く感じる人もいるかと思うので、私たちといっしょにいて、 覚えていてくれたらなと思います。ライブなどに参加できなくても、 覚えてくれていること自体が立派なプロデュース活動だと私は考えています。

 そうして、『ミリオンライブ!』が好きな気持ちをずっと持ってくれたらうれしいです。 改めて、 今後もよろしくお願いします。

『ミリシタ』山崎はるかさん(春日未来役)インタビュー。「『ミリオンライブ!』が好きという気持ちを、これからもずっと持ってくれたらうれしいです」