
本作のキャラクターデザインは、イラストレーター・梅まろ(@umeboshimaro)氏が担当。愛らしくも、どこか陰のある雰囲気が特徴的で、それぞれ個性が際立っています。
拉致同然に連れてこられた少女たち、自身のなかで開花していく才能と衝動、“魔法”という人知を超えた異能、閉ざされた空間で起こる殺人事件。精神がすり減っていく極限状態のなか、判決“処刑”が確実の魔女裁判が開廷されます。ここではそんな本作の模様をレビューしていきます。
災厄をもたらす存在として孤島へ閉じ込められた13人の魔女候補たち
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a2bce44fe1dd1d85702376eebf9515b90.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/ae0f1abfa560f496a6cefd2fac337425e.jpg?x=767)
その牢屋敷には、エマと同じ15歳の少女が集められていました。その数、エマを含めて13人。
不気味なフクロウ・ゴクチョーによれば、彼女たちは“魔女になる因子”をもった存在であり、ストレスがかかると魔女化が進行、すると“なれはて”と呼ばれる異形になってしまうというのです。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a7eac7d92a1629c2b129fd686505e6512.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/ace7a51e662a0843b0b1685a59160c8e5.jpg?x=767)
扱える超常的な力“魔法”の種類は魔女によってさまざま。魔女は災厄をもたらす存在とされており、危険因子である少女たちを監視・管理するのがこの牢屋敷の役目だとか。
集められた少女のなかにはこの牢屋敷の存在を知っており、魔法が使えることを隠して生きてきた者もいます。ちなみに、エマは自分が魔女になる可能性を秘めていることも、どんな魔法が使えるのかも知りませんでした。
しかし厄介なのが、魔女化が進めば魔法の力が強まるのと同時に、殺人衝動が抑えられなくなってくる、という魔女の性分です。そのため、過去にこの牢屋敷へ集められた少女たちは殺人事件を頻発させ、“なれはて”となる者が続出したといいます。
ストレスを与えてはいけないのに、日常から無理矢理引き剥がされ、脱出不可能な孤島に軟禁され、ルールに従わない者は懲罰房行き or 処刑という恐怖政治が敷かれ、デスゲームさながらの生活を強いられている。これってなんだか矛盾していますよね。魔女候補を集めて負荷テストのようなものを行っているのは、保護や管理といったものとは別の意図があるように思えてなりません。
果たして、この殺伐とした生活の末に待ち受けるものとは、なんなのでしょうか。
魔女裁判で少女たちの隠された“闇”を暴く
牢屋敷内で殺人事件が発生した場合、開かれるのが“魔女裁判”。生存者が1時間掛けて「誰が犯人か?」を議論し、処刑される人物を投票で選ぶという裁判です。しかも、犯人を特定できなかったり票が割れてしまった場合は、全員即処刑というペナルティーつき。この牢獄での生活、ハードモードすぎる。(噂によると、食事もまずいらしい)。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/ae99e6a7cdde50663c68a26526d3054b5.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a29a89ce5761c975dabf921ce8db7c593.jpg?x=767)
捜査パート
少女たちには機能が限定されたスマートフォンが支給されており、このなかに“魔女図鑑”というアプリが入っています。魔女図鑑にはキャラクターのプロフィールや集めた証拠品、マップなどが入っていて、新しい情報が入ればアップデートされていく仕組みです。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a5ce9b74f93fe95dbb403c4dbd1f38374.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a47e559530603a4c93e71528821c9cc7d.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a96b9a7957ae2cd67fb3cc33219d2fe28.jpg?x=767)
しかし、このルールが犯人特定のキッカケになったり、アリバイを証明するのに役立ったり、ということもあるので、わずらわしくても目を通しておくことをオススメします。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/aefc38126c019705d90095e1f2b8861e0.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a393b3104fe72be16b516139f244e4f71.jpg?x=767)
裁判パート
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/afe07eee1f0268775c646e844b05bff2d.png?x=767)
証言はくり返し聞くことも可能ですが、そのぶん時間も経過します。あまりゆっくりしていられないのも、“魔女裁判は1時間で行う”というストーリー上のルールがしっかりゲームシステムに反映されている感じがして、リアルですね。
プレイヤーは、エマといっしょに“証言におかしなところがないか”を探し、指摘して、その根拠を示す必要があります。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/ad9b6f4554ead74cebd62effb6a671a52.png?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a9a11768d2c2eea7c331011b06a7d4eb2.png?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a120ae50cdd71d03f05c2ffb46b4c96e3.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a9675c1ff34145d7b1a68d3ddb6c0e555.png?x=767)
そして1時間経過すると、投票の場面に。ここで誰を処刑するのか選ばなければなりません。死刑執行のボタンを押すようなもので、これだけでも相当な精神的苦痛を味わう気がします。
個性的すぎる13人の少女たち
桜羽エマ
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a1670b5d10c5db057be2f6ab90a711060.jpg?x=767)
しかし、魔法を使える自覚がなくどんな能力を持っているかわからないため、ミスリードされている可能性があるという懸念点や、過去に受けたいじめのキッカケがなかなか開示されないということもあり、“シロ”であるという確証もありません。
性格としては、さびしがりやで不器用。諦めない我慢強い精神の持ち主でもあり、高校進学を機にいじめから抜けだそうともがいていた点も考えると、まだ完全に心は折れていないようです。
二階堂ヒロ
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/aa3afa23a06346ef1f52765ab1529624f.jpg?x=767)
“正しくあること”に執着ともいえるほどこだわる人物です。“正しくないこと”に一切の容赦はしないようで、その片鱗はストーリー序盤から見られます。
夏目アンアン
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/ab71f98c0c7063fa252bdc83a2ad2d15d.jpg?x=767)
引きこもりがちで、ゲーム好き。自分を褒めるハードルが異常に低く、歯を磨けただけで自分を褒めるほど。努力が苦手という一面もあります。
城ヶ崎ノア
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a819d0f49a662bd6eff598a54de5052d7.jpg?x=767)
マイペースで気の向くまま、ふわふわした喋り方をする女の子で、独自の世界観をもっている様子。なお、いままでたくさんの絵を描いてきたものの、自分が納得する絵が描けたことはないそうです。
蓮見レイア
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a25b0449a10d342b92622c0fbd309fd92.jpg?x=767)
中性的な容姿で、口調はつねに芝居がかっており、レイアと話しているとなんだかドキドキしてしまう、という少女が多いとか。
佐伯ミリア
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/aac0099c521e9437ff076acf1ab691780.jpg?x=767)
人とのコミュニケーションが苦手、というわけではなく、自分の話をするのが苦手なようです。
宝生マーゴ
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a3dffe6b7362e9022737a1a89dcb49073.jpg?x=767)
好意的に人と接するものの、心の底では誰も信用・信頼しておらず、この世の何も信じないと決めているようです。
黒部ナノカ
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/abd45ff3eae93bf4be01783605aef4c2e.jpg?x=767)
ほかにも牢屋敷のルールをよく知っていたり、「どうせみんな死ぬんだから」と意味深な発言をしたりと、なにかと物知り顔です。
紫藤アリサ
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/af422f7c1f9b30a11724297452ac1ca9e.jpg?x=767)
他人を突っぱねているのは自己防衛とも言える行動であり、優しくされると動揺するという一面も持ち合わせています。
橘シェリー
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/ad8468b302d35df288fd75b27ee021a2a.jpg?x=767)
笑顔を絶やさず楽しいことに飛びつくシェリーですが、デリカシーが著しく欠如しているため、場の空気を壊すこともしばしば。
遠野ハンナ
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a0a26642237d629569b87ffca96834501.jpg?x=767)
名家の令嬢然としているものの、実家は貧乏だとか、そうでないとか。
沢渡ココ
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a8903efccdff8424189179c1e1eaae849.jpg?x=767)
また、「世界は自分と推しだけいればいいから他人はみんな死ね」とことあるごとに発言しています。推しへの愛はかなり重め。
氷上メルル
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47460/a3021f6f29ea50f176e53141c5b469d58.jpg?x=767)
どこからか視線を感じたら、それはメルルのものかも?
少女たちの“原罪”を暴くのは罪悪感もあるが、気持ちがいい
ストーリーを読み進めていくとこの意味がわかるのですが、これがまぁ、人間の汚い部分、本性のようなものを表現していて、「エグいなぁ」と思う反面、見ていて気分がいいのも確かなのです。「あぁ、だから壊れてしまったんだな」と納得できるといいますか。
ミステリー小説を読んで、犯人がわかる過程だけでなく犯人の動機も納得できるように説明してくれ、と思うタイプの読者諸君にはカタルシスを得られる作品ではないでしょうか。