内容盛りだくさんの6時間
2014年3月1日、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)は、2014年3月6日(木)の発売が目前に迫ったプレイステーション Vita用ソフト『ソウル・サクリファイス デルタ』(以下『ソルサク デルタ』)のイベント“ソウル・サクリFES”を東京都六本木にあるニコファーレにて開催した。
本イベントは入場無料にも関わらず、『ソルサク デルタ』で使える追加コスチューム“奴隷の法衣”や“ソウル・サクリFES”限定パーカーなど豪華来場者プレゼントが用意されていることもあって、多数のファンが詰めかけ、18時の時点では、入場者が300人を超える大盛況となった。
本稿では、稲船敬二氏をはじめとする開発陣やゲスト陣によるトークセッションや、ユーザーによる『ソルサクデルタ』大会など内容盛りだくさんで開催された“ソウル・サクリFES”の模様をリポートしよう。
開発陣による開発秘話
ヤルタ会談ならぬ“デルタ会談”と銘打たれたトークショーでは、プロデューサーの本村健太郎氏(SCE)、アソシエイトプロデューサーの鳥山晃之氏(SCE)、ディレクターの下川輝宏氏(comcept)、デベロップメントマネージャーの岡村光氏(マーベラスAQL)、デベロップメントディレクターの平田靖典氏(マーベラスAQL)の5人が登壇。『ソルサク デルタ』の開発秘話などが語られた。
【『ソルサク デルタ』のここ見てポイント】
たくさんありすぎて……。ローンチPVを先日公開したばかりなのですが、その中で間違いがありまして……。魔法は600種類と表示されているんですが、じつは900以上あるんです! 仕様上は600種類だったんですが、調べてみたら900種類以上ありました(笑)。いい方向に転がっている作品なので楽しみにしていてください(本村)
共闘というキーワードをもとに作ってきたんですが、本作では共闘をイチから見直して、連携魔法を入れたり、新たなシステム要素を加えていますので、新たな“共闘”を遊んでもらいたいと思います。(鳥山)
シナリオだけではなく、さまざまな伏線が“文献”(ゲーム内に収録。魔法使いたちの住む世界のことやそれぞれの魔物がなぜ魔物化してしまったのかといったことが書かれている)にも散りばめられていますので、ぜひ注目してみてください。『ソルサク デルタ』でも文献はかなり増えています。(下川)
登場するNPCたちも増えているので、楽しみにしてほしいなと思います。今回、NPC(のAI)はかなり賢くなっていますので、シングルプレイでもかなりがんばれると思います。(岡村)
前作のハイスピードバトルアクションを維持しながら、魔法連携などを加えて、さらに進化したバトルになっています。長く遊べるよう、やり込み要素もかなり調整しました。(平田)
来場者からのおもな質問
――ボーカル曲の歌詞は何語?
鳥山 歌詞は、英語をベースにした造語で、いちおう歌詞の意味もあります。
――前作のダウンロードコンテンツはほぼ無料だったが、それは本作でも?
本村 前作もほぼ無料だったので、今回もそうしないとマズいでしょう!(会場から拍手)
――今回も共闘タイトルどうしのコラボは?
北尾 (MCではなくパブ担当として)ご期待ください!
――気が早いですが『2』の予定は?
北尾 (何も答えられないという意味で)ご期待ください!
“太陽神”降臨
本イベントでは、『ソウル・サクリファイス』シリーズコンセプターの稲船敬二氏も登場。会場からの「太陽神」の声とともに登場した稲船氏は、会場の盛り上がりに笑顔で登場。
2年前の『ソウル・サクリファイス』の発表時、稲船氏は、「プレイヤーにいままで遊んだどのゲームよりおもしろいと言わせたい」と発言したが、『ソルサク デルタ』はその域に達した作品になったかを聞かれ、「まだまだかな(笑)」と発言しつつも、「謙遜も入っていますけどね」と手応えも感じている様子。
稲船氏は、初代『ソルサク』から1年で『ソルサク デルタ』を発売するという短い開発期間だったが、ダウンロードコンテンツや体験版などから挙がったユーザーの声のおかげで『ソルサク』の進化が加速していると語り、「マルチプレイのタイトルは場数を踏んでいいものになっていきます。あの『モ●スターハンター』でさえ、ポータブルの『●nd G』を大ヒットとするならば、6作かかっているワケですから。『ソルサク』はまだ2作ですよ」(稲船)と、あのタイトル名をあえて挙げるなど、会場を湧かせた。
『ソルサク』では、下川ディレクターを始め、若いクリエイターを起用しているが、それについては、日本のゲーム業界に若いクリエイターが出てこない現状を危惧し、「『ソルサク』から、いろいろなクリエイターが育つ作品にしたかった」という目的もあったことを明かした。後進の育成という目的もありつつも、作品自体は若手開発陣がかなりがんばり、「マルチプレイの作品の続編は、フィールドや敵、技などの量を増やすという方向になりがちなんですけど、『ソルサク デルタ』では量はもちろん、システムにも新たな要素を加えるというチャレンジをしてもらいました。システムをイジると、時間がかかるんですけど、よくまとめてくれました」(稲船)と、開発陣をねぎらった。
続編についても話がおよび、「まだまだ、やり逃している点がいっぱいあって、下川にも僕の中にも次回作の構想もあります。じつは『ソルサク デルタ』も未来につなげるための作品でもあるんです」(稲船)。だが、次回作を実現するには、「まずは『ソルサク デルタ』がヒットし、SCEが次回作もやろう、と言ってくれないと、その構想も実現しませんので(笑)」と、ファンの支持を求めた。SCEの本村プロデューサーは「やりましょう」と乗り気だが、果たしてどうなるか……。「ファンの皆さんの声がなければ、ここまでこれなかったゲームです。これからもユーザーさんの声を聞き続けて、続編につなげていきたいという気持ちでいます」(稲船)
予定されていた催しがすべて終了し、最後はゲストが勢揃い。以下は開発チームからのメッセージ。
最初、会場を見たときは(多くの来場者が)幻かと思いましたが、最後まで見えるということは幻じゃないんだなと(笑)。『ソルサク デルタ』を作ってよかったなと思いました。もうすぐ発売ですので、プレイして楽しんでください。(下川)
ソルサク デルタではいろいろな魔物と戦えるようになりましたし、システムも進化していますので、発売を楽しみにしてもらえればなと思います。(平田)
知識王決定戦とタイムアタックも劇的な展開で感無量です。(本村)
イベントに参加してくれた皆さん、そしてウチのスタッフもいい表情をしていて、これこそがいいゲーム作りをしているひとつの証拠でもあるのかなと。いいゲーム、いいイベントができ、いいファンにも恵まれ、そんないい状態で『ソルサク デルタ』の発売を迎えられそうで、非常にうれしいですね。『ソルサク デルタ』はみんなで遊ぶゲームなので、みんなで喜びを伝え合ってください!(稲船)
明日3月2日には、大阪のジョーシン ディスクピア日本橋にて“ソウル・サクリFES出張版”(店頭体験会)が開催される。試遊参加者にはオリジナルグッズが当たる抽選会に参加できるという。また、3月5日のソフト発売日前日には、カウントダウンニコ生特番放送が決定! 3月23日は共闘甲子園の“春のセンバツ大会@秋葉原”も開催。今後しばらくは『ソルサク デルタ』で盛り上れそうだ。