VRで暗闇に踏み出し、勇気を出して問いかける「誰かいますか?」

 Gattai gamesの『Stifled』は、音の反響具合で周囲を認識する“反響定位”(エコーロケーション)を使った一人称視点のホラーゲーム。マイクで拾ったプレイヤーの声などの音に反応して、暗闇から周囲の視界がボワッと浮かび上がるという仕組みを持っている。

 その内容については以前E3デモの実機映像とともにお伝えしたが、同作は現在、東京ゲームショウ(TGS)にプレイアブルデモを出展中(ブース番号は2-N03、ホール2のアークシステムワークスの近く)。しかも以前の記事の執筆時には計画段階に過ぎなかったVRバージョンを持ってきている。というわけでアップデートとして、Oculus RiftでプレイしたVR版のプレイの様子をお届けしよう(なおコントローラーにも対応しているが、映像はマウス&キーボードでの操作)。

 『Stifled』で重要なのが、照明があるところ以外は、音が鳴っていないところはほぼ暗闇で、“周囲を視認したい時は自分で声を出す”、“(クリーチャーも音で周囲を認識するため)クリーチャーが近くにいる時は怖くても黙る”というコントラストで構成されていること。基本的には一本道で、クリーチャーを避けながら先を目指すという形で進行する。

 VR版になると、画面とプレイヤーの視界が一致することで、周囲のオブジェクトとの距離をつかみやすく、残像が暗闇にフェードアウトしていってもだいたいの位置関係を把握できるというのが大きい。これはクリーチャーが近くにいて黙らなければいけないようなシチュエーションでは、この恩恵を如実に感じられるだろう。

“音で世界を視る”一人称視点ホラーゲーム『Stifled』、TGS出展のVRバージョンは怖さ倍増! 実機プレイ映像つきでその違いを解説【TGS 2016】_02
▲クリーチャーが近くにいる時は黙って進むしかない。VRでは直感的に位置関係をつかみやすいのが役に立つ。

 そしてもちろん、VR版では没入感が高いので、ノーマル版ですでにプレイ済みだというのに怖い(最初は暗闇に踏み出せずに収録を断念したほど)。普通のVRでは“見たことのない光景”を見せてくれるが、本作では“見えないし、見たくないものが何かそこにいるかもしれない暗闇”に連れて行ってくれるのだ。

“音で世界を視る”一人称視点ホラーゲーム『Stifled』、TGS出展のVRバージョンは怖さ倍増! 実機プレイ映像つきでその違いを解説【TGS 2016】_01
▲焦ってゲートが上がりきる前に作業を止めてしまい、慌てて再開するも無事死亡。この後、慌ててヘッドセットをむしり取った。

 なお本作はPC版をベースとしつつ、海外ではプレイステーション4版とPSVR対応も発表。日本展開がどうなるかは不明だが、ひとまず気になる人はTGSでチェックしてみて欲しい(来場者にあまり気付かれていないのでぜひ遊びに来て欲しいとのこと)。