クリスとレオンの新たな活躍を描くCG映画最新作がついに完成!

 2017年5月27日より公開予定の『バイオハザード』シリーズのフルCG長編アニメ映画『バイオハザード:ヴェンデッタ』について、2017年4月25日に東京・新宿ピカデリーにて完成披露試写会が開催された。
 会場には本作のエグゼクティブ・プロデューサーの清水崇氏、監督の辻本貴則氏、脚本の深見真氏、音楽の川井憲次氏に加え、原作監修を務めるカプコンの小林裕幸氏が登場。映画の完成を記念した舞台挨拶が行われていった。

『バイオハザード:ヴェンデッタ』清水崇エグゼクティブ・プロデューサーらが登壇した完成披露試写会を開催_07
▲写真左より清水崇氏、辻本貴則氏、深見真氏、川井憲次氏小林裕幸氏。

 辻本監督は、今回の仕事の依頼が最初、FaceBookのメッセンジャー宛に知り合いのライターから来たものであると明かし、その時は悪い冗談だと思っていたとのこと。半信半疑のまま、今作のアニメーション制作を手がけるマーザ・アニメーションプラネットに赴き、面談をしたところで本当のことだとわかったと、今回監督を務めるに至った経緯を説明。
 監督を務めるにあたって希望を出していた、音楽を川井氏に、アクション演出を園村健介氏にやってもらえることが決まったことで、後は自分が実力を出し切るだけだと語る辻本監督は、本作が自分にとっての勝負作であると強くアピールしていた。

 続いて、本作でエグゼクティブ・プロデューサーを務める清水氏は、カプコンの小林氏より今回の映画が(恐怖に)原点回帰するものであるとの話を聞いていたため、制作が始まるまでの間、脚本にかなりの赤字を書き込んでいたエピソードが語られた。辻本監督と清水氏は、ふたりともフルCGアニメ作品作りが始めてなので、キャラクターを掘りさげるにはどうしたらいいのか? 制作がスタートすると監督に委ねるしかなくなるので、プロデューサーとして(赤入れをしながら)いろいろな提案をしていったとのこと。

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▲辻本氏は、かつて“ゆうばり映画祭”で始めて清水氏といっしょになり、挨拶をしたことがあったそうだが、そのことを清水氏に忘れられていたことがショックだったと、ふたりの初の出会いのエピソードを明かしていた。
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▲とにかくアクションが上手い監督で、お腹いっぱいになるまで詰め込んでくれるほどエンタテインメントが好きな人と辻本監督のことを手放しで称える清水氏は、今回いっしょに仕事ができたことが光栄だと語っていた。

 今作は、清水氏と辻本監督それぞれが得意としている要素が混じり合うことで、かなりの相乗効果が出ているとのこと。とくに、恐怖描写の部分については「清水監督の手法をパクりました。リスペクトと言えば聞こえはいいですが、まるパクリです(笑)」と、清水氏がこれまで手がけてきたホラー作品をかなり参考にしていることを、本気とも冗談とも取れる口ぶりで熱く語る辻本監督。

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 今作で脚本を書き上げた深見氏は、先ほどのFceBookで仕事の依頼を受けた辻本監督に対し、「自分はTwitterのダイレクトメールで仕事の依頼がきました。こんな頼み方をするマーザ・アニメーションプラネットって大丈夫かなって思いましたよ(笑)」と、これまた驚きの仕事依頼時のエピソードを披露。
 今回の脚本を書くにあたっては、「とにかくゲームの世界観は壊さないよう細心の注意を払いつつ、映画を見終わった後に上質のアクション映画を見たような気分になれるように心がけました」と、深見氏。今回のメンバーの中では、カプコンの小林氏を除いてはいちばん『バイオハザード』のプレイ経験が豊富だそうで、大半の作品はクリアーしているとのこと。今回、ゲームの映画化作品の脚本を務めたことで「これでゲームを遊んでいても、胸を張って仕事だと言えます」と、ゲーム好きをアピールしていた。

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 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』などの音楽を手がけてきた実績を持つ川井氏は、この『バイオハザード:ヴェンデッタ』で、清水氏と辻本氏の両名が名を連ねているのを見た瞬間に、この映画がアクションとホラーの融合した作品になると感じたと、着手前の率直な気持ちを述べていた。とくに、辻本監督とはどのように表現していくべきかを密に相談しながら作業を進めていき、その流れが4分にも及ぶエンディングに繋がっていってる件を紹介。「監督と話し合いながら作ったエンディングなので、最後まで席を立たずに見てください」と、その出来映えの自信ぶりを語りつつ、エンディング曲の制作はかなりの労力を要する作業でもあるため、「できればタイアップにしてほしかった」と、本音も吐露していた。

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 今回のスタッフ陣は新しいチームではあるが、和気藹々とした雰囲気で話し作りが始まり、「僕からの注文は今回ほとんどしていません」と言うほどで、いっしょに仕事ができたことがとにかく楽しかったと語るのは、原作監修を務めたカプコンの小林氏。辻本監督も「レオンやレベッカがちょっと汚れすぎじゃないか」といった注文がほとんどだったと語り、「タレント事務所の社長みたいな立場ですよね」と、今作における小林氏の立ち位置を説明していた。

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 清水氏は、ダメ元で小林氏に「バイオファンに怒られるかもしれないけど、キャラクターを死なせてもいいか」といったことや、レオンの幼少期を描きたいといった要望を出していたそう。これには小林氏もさすがに「カプコンを背負うキャラクターなので、映画で設定を固めてしまうとゲームのスタッフに怒られてしまいます」と苦笑い。とくにCG映画の『バイオハザード』シリーズは、ゲームのストーリーラインと密接に繋がりがあるため、清水氏の要望は叶えられなかったが、レオンの子ども時代の設定は今後どこかで、日の目を見せてほしいところである。

 本作の見どころについて、「バイオの映画というと、ゲームファンが見る映画だと思われがちですが、本作は辻本監督が実写と同じような演出法で、ドラマ部分もしっかりと描いています。とくに今作のようなフォトリアルなCG作品は日本特有のものでもあるので、女性の皆さんにも見ていただきたいです」と清水氏。合わせて辻本監督は「CG映画って、カメラワークが監督の思うままになるんですよ。それはおもしろいことなんですが、そうすると映像が軽く見えてしまう。そこで、実写でしかできないカメラワークを徹底してこだわりました。そうやって制限を設けて、アクションシーンでその呪縛を解放するのが楽しいんです。実写作品しか見ないひとは「なんだ、CGアニメか」と敬遠するかもですが、実写作品の感覚で楽しめます」と、本作の演出法について語っていた。

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 ここで、本作にてD.C.役を演じるダンテ・カーヴァー氏が花束を手に登場。辻本監督と、制作時の談話に花を咲かせる一幕も。辻本監督によると、ダンテ氏はD.C.役以外に、ホームレスもモーションキャプチャーで演じているのだとか。ひと目ですぐにダンテ氏とわかるD.C.のキャラクター作りについては、まずダンテ氏の写真データを用意し、それをもとにCGクリエイターが3Dモデリングデータを制作。できあがったCGモデルに対し、ダンテ氏自らがモーションキャプチャーで動きをつけることで、劇中のキャラクターに命が吹き込まれているのだそう。ちなみに、劇中に登場するシルバーダガーのロゴデザインもダンテ氏が務めているという、多才ぶりを発揮していた。

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▲監督も含めて現場の雰囲気がとてもよく、とにかく制作時は楽しかったと笑顔で語るダンテ氏。
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▲こちらが、ダンテ氏演じるD.C.のショット。CGキャラクターながら、その動きもダンテ氏本人が演じている。

 制作時の話題が尽きることがない中、舞台挨拶は修了時間を迎えることに。最後にエグゼクティブ・プロデューサーの清水氏は「本日はおっさんばかりなのに、よく話を聞いていただきました。こんなヤンチャなメンバーが作った映画ですが、新しい『バイオハザード』を見られると思います。『バイオハザード』シリーズを知らないで、初めて見る人でも楽しめる作品ですので、ファンでない人もぜひ見てください」と語り、完成披露発表会は締めくくられた。

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バイオハザード: ヴェンデッタ』とは
 シリーズ累計販売本数7,200万本を超えるサバイバルホラー・アクションゲームの代名詞、『バイオハザード』の世界観をベースに、歴代ゲームに登場した人気のキャラクターたち、そして不気味な存在を醸し出す、オリジナルの新キャラクターたちが、予測不可能なバトルを繰り広げる!
 昨今の“ゾンビブーム”の原点となる『バイオハザード』シリーズをハイクオリティCG技術で描く、最新のフルCG長編アニメーション映画最新作。

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●エグゼクティブ・プロデューサー:清水崇 『呪怨』シリーズ 
●監督:辻本貴則 『THE NEXT GENERATION パトレイバー
●脚本:深見真 『PSYCHO-PASS サイコパス
●音楽:川井憲次 『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊
●原作監修:小林裕幸(カプコン) 『バイオハザード』シリーズ
●製作:マーザ・アニメーションプラネット
●配給:KADOKAWA

映画『バイオハザード:ヴェンデッタ』 2017年5月27日(土)公開


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