2019年3月8日(金)にカプコンからプレイステーション4/Xbox One/PC用に発売されるスタイリッシュアクション最新作『デビル メイ クライ 5』(以下、『DMC5』)。前作である『DMC4』が2008年に発売したので、約11年ぶりのシリーズ最新作だ。担当ライター・ゴジラ太田が、『DMC5』をプレイして率直に感じたことをお伝えしていきます。
約11年ぶりの最新作ということで、おそらく本作で『DMC』シリーズに初めて触れる方も多いはず。『DMC』シリーズはストーリーがつながっているので「話についていけるかな……」と不安に感じている人もいることでしょう。しかし、本作にはタイトル画面に“DMC HISTORY”という項目があり、『DMC』~『DMC4』までのストーリーを映像や音楽を交えながら観られるんです。予備知識ゼロでも『DMC5』のストーリーに自然と入っていけるので、そのような不安をお持ちの人はご安心ください!
話をゲームに戻しますが、最初に扱えるキャラクターはネロのみで、ストーリーを進めることでV、そしてダンテがプレイヤーキャラクターとして登場します。ネロはおなじみのレッドクイーン、ブルーローズのほか新武器の“デビルブレイカー”を駆使して戦うのですが、これがまたアクションが豊富で使っていて楽しい。デビルブレイカーは種類により性能に違いがあるため、どのデビルブレイカーを使うかで道中の戦いかたが大きく変わることも。
デビルブレイカーは通常の攻撃以外にブレイクエイジ(溜め攻撃)やブレイクアウェイ(デビルブレイカーを爆発させる)もあり、ブレイクエイジとブレイクアウェイは使うとセットしているデビルブレイカーが壊れてしまうのです。しかし、デビルブレイカーは“消費武器”という概念で、ある程度は壊しながら戦うのが正解。「もったいないなぁ」と思って壊さずに戦っていると、道中に落ちているデビルブレイカーを拾えずに「もったいない……」と逆に思うことも。かといって、壊しまくって戦っているとデビルブレイカーが尽きたまま戦う状況になるので、そのさじ加減も重要になりそう。ともあれ、まずはデビルブレイカーの性能を把握するのがスタイリッシュアクションを楽しむ第一歩。デビルブレイカーでいろいろな攻撃をド派手にぶっ放しつつ戦うことを意識するといいかも。
筆者も最初はデビルブレイカーを大事に使っていましたが、「壊しちゃってもいいや。ニコごめんね」とユル~く立ち回ってみたところ、よりスムーズに戦えるようになり、スタイリッシュアクションの魅力にグイグイ引き込まれました。重箱の隅をつつくレベルで不満点を挙げるならば、デビルブレイカーの切り換えが常時行えるわけではないということ。デビルブレイカーは複数個持ち歩けるのですが、セットされている順番にしか装備できないんですよね。例えば3個目にセットされてるデビルブレイカーを装備したいと思ったら、ぞの前にある2個を破壊しなければならないんです。もちろんブレイクエイジなど使いコンボに組み込みながら消費していけばスタイリッシュなのですが、“○○の敵には○○のデビルブレイカー”といった具合に臨機応変に戦えてもよかったかなと感じました。
もっとも、ステージの合間や電話ボックスでニコを呼び出したときはデビルブレイカーを自由にセットできるため、「このミッションはこのデビルブレイカーで進んで、強敵が現れたらコレが使えるようにセットしよう」と、考える楽しみもなくはないです。
プレイアブルキャラクターのひとりである謎の男・Vは、3体の魔獣を中心に戦うので自身が被弾する危険があまりないのが利点。Vが被弾しなければスタイリッシュランクは下がらないので、ネロ、ダンテと比べると圧倒的に高評価を獲得しやすい。もちろん魔獣もダメージを受けるけど、体力が高めなのでそうそう力尽きることがない。さらにコマンドを定期的に入力することで、ある程度自動で戦わせられる。そのため、見た目は複雑ながら、実際に使ってみると3人の主人公の中では圧倒的に扱いやすいキャラクターになっている。プレイヤーはデビルトリガーゲージ(以下、DTゲージ)を増やすために本を読みながら、リザイン(仮死状態)になった敵のトドメと、Vが攻撃を食らわないように逃げているだけでもオーケーです。
こう書くと「熟練者には物足りないの?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。手動で2体の魔獣を戦わせられるようになれば、DTゲージを3体目の魔獣であるナイトメアに使いまくれますし、ナイトメアは自律して戦う超火力の魔獣なので、こいつを頻繁に召喚できればさらに火力を高めてかっこよく戦えるというわけです。Vは扱いかた次第で、幅広いプレイヤー層にスタイリッシュアクションの楽しさを感じさせてくれるキャラクターという印象を受けました。
ダンテはストーリー中盤からようやく使えるようになるだけあり、ネロやVと比べるとスタイルアクションや複数の武器など覚えるべきことが多く、それらを駆使しながら戦うにはそれなりのテクニックが必要。しかし使いこなせてくると、ネロやVとは異なる中毒性のあるスタイリッシュアクションにやみつきになります。
とくに新武器のバルログとキャバリエーレが、技を出しているだけで楽しいレベル。バルログは格闘武器でブロウモード、キックモードをリアルタイムで切り換えられ、ボクシングやカポエイラのような戦いかたが可能。キャバリエーレはバイクを真っぷたつにした巨大なチェーンソーのような武器。これを豪快に振り回して敵をなぎ倒していくのですが、攻撃範囲が広く多段技、しかも攻撃がかち合っても打ち勝てるほど優秀なので、混戦で使うとより楽しさが増します。
もちろんこれ以外にもストーリーを進めることでさらに新武器が増えていくのですが、バルログやキャバリエーレがふつうの武器に見えてきてしまうほど個性的な武器も登場。ダンテは扱う武器でアクションがガラリと変わるので、個人的には3人の主人公の中では使っていて圧倒的に好きなタイプ。さすが元祖スタイリッシュアクションというところですね。
ミッションの合間や進行中に挿入されるカットシーンもいちいちかっこよく(いい意味ですよ)、「そこまですんのかよ(笑)」と思わず笑ってしまう場面も。『DMC5』は短時間でもプレイの充実感を得られるほどアクションが濃いと感じたけど、長時間プレイするときも、疲れをいっさい感じさせず先が気になる魅せかたで没入感がガンガン高まっていく。とくにミッション12以降はストーリーの続きが気になり過ぎてやめどきがわからず、一気にエンディングまでぶっ続けてプレイしてしまいました。
また、「『DMC5』には興味あるけどアクションは少し苦手だなぁ」という方にもうれしい配慮が。“オートマチックアシスト”という機能があり、攻撃ボタンを連打しているだけで状況に合った技を自動で出してスタイリッシュアクションを組み立ててくれるというもの。
デメリットとしてクリアー時の評価が若干ダウンするものの、Sランクも問題なく取れる程度の倍率なので、むしろ使うことのメリットのほうが多い(と感じる)。アクションが苦手な人以外も、スタイリッシュな戦いかたの参考として使ってみるのもアリですよ。アクションゲームとしてはメチャメチャ硬派ですが、アクションが苦手な人にもプレイしやすい環境を用意しているので、幅広いプレイヤー層が楽しめる作品になっていると確信しました。
本作の特徴のひとつ“シェアード(共有)シングルプレイ”は、遠方や窓越しなどで、リアルタイムで誰かが操作している自分以外のキャラクターが見られるというもの。たとえば自分がネロを使っていると、崖下で戦うVの姿が見えたりするわけです。現段階ではオンラインでプレイしていないのですが、世界中のプレイヤーのスタイリッシュアクションが見られるようになるので、ミッション中に見かけたら絶対に足を止めて魅入っちゃうと思います。共闘できるミッションもあるようなので、早く経験してみたい。
ともあれ『DMC5』は、キャラクターを使い込んで思い通りに動かせるようになってくればくるほどアクションが楽しくなってくる“スルメゲー”なので、今後無料配信されるブラッディパレスなどを含め長く楽しめることは間違いなし。シリーズ未経験者でも『DMC5』に興味が湧いた人は、ぜひプレイしてみてください!