独自の作品表現で高い人気を持つ漫画家・五十嵐大介 の『海獣の子供』は、自然世界への畏敬を下地に、14 歳の少女と“ジュゴンに育てられた二人の兄弟”とのひと夏の出会いが描かれる作品だ。そんな原作を『マインド・ゲーム』や『鉄コン筋クリート』を手掛けるSTUDIO4℃が劇場アニメーション映画として映像化する(2019年6月7日より全国公開)。
そんな同作だが、芦田愛菜を始め、石橋陽彩、浦上晟周といったフレッシュな若手から、森崎ウィン、稲垣吾郎、蒼井優、渡辺徹、田中泯、富司純子ら実力派豪華キャストが顔を揃えることのほか、大ヒット曲『Lemon』(TBS系ドラマ『アンナチュラル』の主題歌)などで知られるアーティスト・米津玄師が主題歌を手掛けることで話題となっていた。
主題歌については『海の幽霊』という曲名だけが先行公開されていたが、2019年5月10日公開された『海獣の子供』の新たな予告映像の第2弾では、米津の新曲がベールを脱いでいる。
10代の頃から原作に惚れ込んでいた米津玄師が本作のために書き下ろした楽曲には、「大切なことは言葉にならない」というフレーズが含まれており、映画のキャッチコピーにもある「一番大切な約束は、言葉では交わさない」という作品テーマとも通ずる世界観が表現。STUDIO4℃による圧巻の映像美を、切なくも美しいメロディと高く響き渡る声が包み込み、『海獣の子供』の世界観を表現した内容となっている。
楽曲のほかにも、「僕たちは何も見えていないのと同じだ」というアングラード(声:森崎ウィン)のセリフ、“命の祭りが、始まる”というテロップ、主人公・琉花の身体に起こる異変、夜空から堕ちる光り輝く流星、海や宇宙で次々に起こる不思議な現象などなど、目が離せない展開が続く映像だが、最後には琉花が巨大なザトウクジラに飲み込まれる圧巻のカットも。この夏、注目の海洋冒険ミステリー作品への期待が高まる内容なっているのでチェックしてみよう。
映画『海獣の子供』作品概要
公開日:2019年6月7日(金)全国ロードショー
原作:五十嵐大介『海獣の子供』(小学館 IKKICOMIX 刊)
キャスト:芦田愛菜、石橋陽彩、浦上晟周、森崎ウィン、稲垣吾郎、蒼井優、渡辺徹/田中泯、富司純子
監督:渡辺歩
音楽:久石譲
主題歌:米津玄師『海の幽霊』(ソニー・ミュージックレーベルズ)
アニメーション制作:STUDIO4℃