25年前にいち早く立体視に挑戦
1995年(平成7年)7月21日は、任天堂からバーチャルボーイが発売された日。本日でちょうど発売から25周年を迎えた。
バーチャルボーイは、3D立体視に対応した据え置き型ゲーム機。ファミリーコンピュータ用の周辺機器としては“ファミコン3Dシステム”が1987年に発売されていたが、ゲーム機としては本機が任天堂初の3D立体視対応ハードとなる。2011年に発売されたニンテンドー3DSよりも約16年も早く立体視に挑戦していたのだから、本当にスゴイの一言。いまとなってはそのチャレンジに拍手を送りたいところだ。
本体が目を引くゴーグル型のディスプレイになっており、スタンドに据え付けられているのが大きな特徴。テーブルに置いて覗き込むと、ちょうど目線の高さにディスプレイがくるような作りになっている。左右の眼で異なる映像を見る両眼視差によって立体的な視覚を得る仕組みで、赤色LEDを使用しているためか画面は赤と黒で表現されていた。グリップ部分がかなり長いコントローラーが付属していて、十字ボタンも含めて左右対称のボタン配置になっているのがユニークだった。
スクリーンショットで見るだけだと赤黒い画面がかなりのインパクト……というかぶっちゃけ不気味な印象を受けると思うが、実際のプレイ中はゲームボーイなどのモノクロ画面を見ているのと大差なく、あまり気にならなくなるから不思議なもの。筆者が週刊ファミ通編集部で働きはじめたときに発売されたハードだったこともあり、終電を逃した週末に朝までこっそり遊んでいた思い出なんかもある。確か『マリオズテニス』だったと思うが、非常に奥行きを感じる画面が印象的で、ボールがどんどん近づいてくる様子に感動したものだった。
ローンチタイトルは前述の『マリオズテニス』のほか、『ギャラクティックピンボール』、『テレロボクサー』、『レッドアラーム』、『とびだせ!ぱにボン』の5本。先進的なハードだったものの、その魅力はゲームファンに届かず、残念ながらヒットにはいたらなかった。