MSI“アルティメットノート”の実力は?

 本稿では、MSIのゲーミングノートパソコン GF65 Thin(GF65-10UE)をご紹介。本機のメーカーオンラインストア価格はi7 搭載モデルのGF65-10UE-017JPが16万9800円[税込]、i5 搭載モデルのAmazon限定GF65-10UE-063JPの価格は12万9800円[税込]で、パソコンにあまり触れてこなかった読者は「高いな」と感じてしまうかもしれない(家庭用ゲーム機と比べたら高いと感じるのもわかります)。しかし、このノートPCが1台あれば市場に出回っているゲームはおおよそ遊べるハイパワースペックとなっているので、総合的に考えたらお手ごろ価格と言える。

 本機は、MSI公式サイトで“アルティメットノート”と呼称されているMSIゲーミングノートのひとつであるGF65シリーズの最新機。詳しく知ればむしろ「安い」とさえ感じてしまうはず! 今回、MSIからi7搭載モデル“GF65-10UE-017JP”実機をお借りできたのでその詳細を紹介する。実際に

 でベンチマーク&試遊プレイを行っているので、ぜひそちらもご注目を。

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本記事はMSIの提供でお送りします

 いま発売されているPCゲームをほぼすべて遊べる安心感は何事にも替えられない。「このゲームおもしろそうだけど、ウチのパソコンで動くかなぁ~」などと動作環境をチェックした後絶望した経験はPCユーザーなら誰でも一度はあるはずだ。

 さらに最新ゲームがサクサク動くということは、フルHDの動画試聴はもちろん、お絵かきや写真の加工、3DCG制作だってこなせてしまうということでもある。最新ゲームに対応したスペックを持つ本機ならば、オンライン会議や文章作成ももちろん余裕だ。PCを使ってゲーム以外にもいろいろ試してみたいという人は、とりあえずコレを買っておけば間違いはないという構成になっている。というか、率直に言って、筆者も欲しい。

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まずはシンプルな本体とパーツ構成をチェック

 “GF65-10UE”は15.6インチのフルHD液晶(1920×1080ドット)のディスプレイを搭載したノートPC。外観はごく一般的な15インチノートPCといった感じ。サイズは359ミリ×254ミリ×21.7ミリ(横×縦×厚)で、大きすぎもなく小さすぎもない。ハイパワーなゲーミングノートPCにしたら小型で薄い部類に入る。

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 ボディーカラーはブラックで、天板やパームレストはヘアライン加工が施されたアルミ合金製。思いっきりつかんだり、ガシガシとキーを叩いても指紋がつきにくいのがうれしい。外観はいたってシンプルで、唯一目につくのは天板の中央に描かれたMSIのエンブレムくらい。

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 外見のみならず、本体に搭載されたインターフェースもシンプル。本体左側面は電源とHDMI端子、右側面はUSB Type-C(USB 3.2 Gen1 Alt Mode非対応)が2個と、USB Type-A(USB 3.2 Gen1)が2個、有線LAN。そしてハイレゾ対応のヘッドフォン出力/マイク入力のコンボジャック。日ごろからハイレゾ音源を楽しんでいるオーディオファンに嬉しい配慮だ。

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 キーボードは赤いLEDが光るテンキーレス日本語キーボード。キーピッチは約19ミリとなっており、一般的な15インチノートPCと同サイズ。キーボードと電源ボタン以外にピカピカ光るLEDはなく、使用頻度の低い端子やスロットも存在しない。これは筆者の好みだが、余計な機能が搭載されていないシンプルなデザインはとても好印象だった。だってRGBに光るLEDなんて、使い始めたばかりはいろいろ設定を変えてみるけど、1ヵ月もしない内に飽きるから!

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 ここまでは一般的なノートPCとさほどの違いはないが、本体を裏返すとゲーミングノートらしい内部構造を確認できる。熱を逃がすために開けられたスリットから見える巨大なヒートシンクは、ゲーミングノートPCならではの迫力。CPUとGPUが発した熱を、6本のヒートパイプによって本体後部と側面から効率よく排出する仕組みのようだ。

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どんなゲームも快適に遊べるパワフルな性能に惚れる

 最新のゲームを遊ぶ上でもっとも重要なのは、CPUとGPU(グラフィック)性能だ。このふたつに関しては、これまでに様々なゲーミングPCとゲーミングデバイスを世に送り出してきたMSIの最新ゲーミングノートPCなので安心。述べるまでもない! ――と言いたいところだが、それではレビューにならないので紹介する。

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 CPUは“インテル Core i7-10750H(2.6GHz / Turbo 5.0GHz / 6コア12スレッド)”で、GPUは“NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU 6GB GDDR6”が搭載されている。乱暴に説明すると、どちらも最新の製品のため遊べないゲームがあるワケがない。そんじょそこらのデスクトップよりも高性能! といった感じ。

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※同シリーズには、CPUを“インテル Core i5-10200H(2.4GHz / Turbo 4.1GHz / 4コア8スレッド)”に換えたモデルもAmazon限定機種としてラインアップされている

 さらに、DDR4メモリーは標準で16GB(8GB×2)が搭載されており、2スロット合計最大64GBまで拡張可能。ストレージは“SSD 512GB(M.2 NVMe)”で、M.2 NVMe空きスロットがひとつ存在する。必要に応じてドライブを増やせるのは、大容量のゲームをたくさんインストールしたいときに便利だ。増設についてはMSI公認サポート店で対応してもらえる。後から状況に応じてアップグレードできるのは、とてもありがたい。

 MSI公認サポート店で増設してもらう場合は保証は切れないが、もし自分の手で増設を行うと保証対象外になってしまうので、それを踏まえた上で自己責任で行おう。

ゲームや動画が見やすくなる144Hzのディスプレイを標準装備

 MSIが本機のことを“アルティメットノート”と呼んでいる理由のひとつが、ゲームプレイに最適なリフレッシュレート144Hzのディスプレイ。“リフレッシュレート”とは、1秒間に画面を書き換える描画回数のこと。当然、リフレッシュレートの数値は大きければ大きいほど動きがスムーズに見える。一般的な60Hzのディスプレイは“秒間60フレーム”で、144Hzのディスプレイは“秒間144フレーム”だ。その違いを実感的に言葉で説明するのは難しいが、両者を見比べてみたら、誰でも気がつくほどの見えかたになるはずだ。

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 とくに動きの速いゲームをプレイする人は、格段に遊びやすくなる。「そんなに動体視力はよくないよ」と思っている人でもその違いは感じられるはず(フレームレートはゲーム以外でも動画の字幕の滑らかさがわかりやすかったりするので試してみよう)。一度144Hzのディスプレイを使ってしまったらもとに戻れないと感じる人は多い。

こんなに強力なのに小型で軽量、しかもバッテリーは7時間(JEITA 2.0)

 ハイパワーなCPUとGPUを搭載している小型のゲーミングノートPCながら、バッテリーの連続使用時間は7時間(※)と長時間駆動を誇っている。さらに本体重量は1.86Kgと軽量。さすがにモバイルノートと比べると重たいが、性能を考慮したら十分に軽いノートPCだろう。

※JEITA 2.0での測定。実際の使用時間はプレイするゲーム、設定等で変化します

 “GF65-10UE”は持ち運び用に設計されているため、付属するACアダプターもコンパクトなのがグッド。ちょうどスマートフォンを3台重ねたくらいのサイズで、カバンの隅に入れて持ち運びやすい。

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どれだけパワフルなのかベンチマークとゲームで確認!

 いくら文字で「パワフル!」とか「アルティメット!!」とか言っても説得力に欠けるので、ベンチマークと実際にゲームをプレイして計測してみた。現在パソコンを所持していて、ニューマシンの購入を検討している読者はこちらも参考に比較してほしい。

『ファイナルファンタジーXV ベンチマーク』

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 まぁなんて美しいのでしょう! クオリティーを“高品質”に設定しても、カクカクするシーンがまったくなかった。高品質だとフレームレートが60を下回ったのは一瞬だけで、つねに60~90台ををキープ。軽量品質に落とした場合は、123FPSを記録した。

  • 軽量品質:10699 とても快適
  • 標準品質:8005 快適
  • 高品質:6171 快適

『STREET FIGHTER V ベンチマーク』

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 フレームレートの上限が60に設定されているため、それ以上には上がらない仕様。もともと快適にプレイできるゲームなのもあって、画面品質を変更しても平均FPSはほぼ60だ。何の心配もなく“最高品質”でプレイできる。

  • 画面品質 最高:平均FPS 59.99
  • 画面品質 高:平均FPS 59.99
  • 画面品質 中:平均FPS 60.00
  • 画面品質 低:平均FPS 60.00

『フォートナイト』

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 人気バトルロイヤルゲーム『フォートナイト』は、画質を細かく設定可能。“GF65-10UE”は最新のGPU“NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU”を搭載しているため、最新テクノロジーの“DLSS”や“レイトレーシング”を設定できる。

 実際にグラフィッククオリティーのプリセットを“最高”に設定し、DLSSを“パフォーマンス”、レイトレーシングをすべて最高に設定したら、50~60fps程度でプレイできた。かなり高性能!

 しかし内蔵ディスプレイは144Hzまで対応しているため、性能を最大限に発揮させたい場合はレイトレーシングをオフにするか、シャドウやリフレクションなどの各項目を低にするとよい。レイトレーシングをオフにすると150fps以上で、レイトレーシングの各項目を“低”にすると60~70fpsくらいでプレイできた。

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 『フォートナイト』はグラフィックをじっくり堪能しながらプレイするゲームではないと思うので、DLSS「パフォーマンス」とレイトレーシング「オフ」でプレイすれば快適に遊べる。

『サイバーパンク2077』

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 超美麗なグラフィックが話題のゲーム『サイバーパンク2077』。どれくらい快適に遊べるか試してみたら、本作の最高クオリティー“レイトレーシング:ウルトラ”で40~45fps程度で遊べた。さすがゲーミングノートPCだ。さらに、レイトレーシングをオフにしてもFPSはさほど変化しなかったので、『サイバーパンク2077』をプレイする際は“レイトレーシング:ウルトラ”か“レイトレーシング:中”でよさそうだ。

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総論PCでゲームをしたい、PCを買い替えたい人は検討せよ!

 “GF65-10UE”の魅力を紹介してきたが、筆者の想いが伝わっていたら幸いだ。多種多様なゲーミングPCが出回っている昨今、どの機種を買っていいかわからない人も多いだろう。“GF65-10UE”の最大の魅力はもちろんパワフルな性能だが、そのほかにも飽きないデザインや持ち運びやすい小型で軽量のボディー、動画の見やすさ、必要最小限の構成、安心のMSI製……といった要素も見逃せない。最新のゲームを最高の環境でプレイしたい読者は、“GF65-10UE”をチェックしてみてほしい。