マイクロソフト主催のオンライン発表イベント“Xbox & Bethesda Games Showcase”で、エレクトロニック・アーツのミリタリーFPSシリーズ最新作『バトルフィールド 2042』のゲームプレイ映像が公開された。

 今回の映像では、カタールを舞台にした“アワーグラス”マップでの128人対戦(64対64)のプレイをメインにフィーチャー。本作での進化や方向性が実際どういうプレイに現れるのかがわかる内容となっている。

 というわけで、公開されたばかりのゲームプレイトレーラーで注目すべき見どころをピックアップしてお伝えしよう。なお、本誌では本作の発表時に開発トップへのインタビューなども交えて詳報をお届けしているので、未見の人はそちらもチェックしてもらえると幸いだ。

1. 「巨大なマップの中にいくつも小さなマップがあるような」大型マップ

 最初に着目して欲しいのは、イントロパートが終わって開発元DICEのロゴが出た後のヘリコプターでの進軍シーン。まずスタジアムが、そして砂漠の彼方に高層ビル群が見えてくる場面だ。

 遠景で少しわかりにくいものの、眼下のスタジアムのディテールから逆算していくと、結構とんでもないマップサイズなのが察せられるはず。『バトルフィールド 2042』では全般的にマップが大型化しており、アワーグラスマップはその中でもビッグサイズな側。しかしなんと、これでも最大ではない。

バトルフィールド 2042

 本誌で行ったオンラインインタビューで、デザインディレクターのダニエル・ベルリン氏は本作のマップの方向性を「巨大なマップの中にいくつも小さなマップがあるような」作りと表現していた。

 128人を収容するために単にサイズがデカくなっているだけでなく、近接戦が重要なエリアがあったり、ビークル(搭乗兵器)で進軍するスペースがあったり、都市部の戦闘があったりと、同じマップのなかにさまざまなシチュエーションが入っている巨大な戦場で全面戦争が行われるというコンセプトを理解しておくといいだろう。

2. 専用装備・能力を持つスペシャリスト制度

 次に注目してほしいのは、砂漠から都市部にかけて空中戦が展開される『バトルフィールド』らしいビークル戦のあと、建物の横の大型クレーンが出てくるシーン。ここでプレイヤーは空中に飛び出すと……ロープを発射してクレーン上部に一気に乗り込む。

 これは本作で導入される“スペシャリスト”システムのキャラのひとり、マッケイの持つ専用装備のグラップリングフックだ。映像の後半に出てくるウィングスーツも別のスペシャリストの専用装備とされる。

バトルフィールド 2042

 従来のシリーズ作では一般的に“突撃兵”とか“偵察兵”といった“クラス”を選んで出撃していたが、今作ではそれぞれこういった専用装備と能力を持つスペシャリストを選んで出撃する形になる。

 なお銃などのクラスによる装備制限がなくなったので、「グラップリングフックで巧妙に移動してアサルトライフルで仕留めていくマッケイ」も「グラップリングフックで高所のポジションを取ってスナイパーをするマッケイ」も可能。

3. 天候変化や大仕掛けなマップギミックが引き起こすカオス

 さて、マッケイがクレーンの上に登ると、彼方から巨大な砂嵐が迫ってきているのがわかる。これはアワーグラスマップ固有のマップイベントで、最初は晴れていたマップが見る間に紅い砂嵐に覆われていく。

 その後の都市部での戦闘シーンでは、さらにあらゆるものを吸い込んで吹き飛ばすトルネードまで発生。こちらは他マップでも起こる『バトルフィールド 2042』の象徴的なマップギミックとなっている。

バトルフィールド 2042

 こうした仕掛けは他にもあり、動画の終盤で見られるロケット発射などもそのひとつ。あちらはフランス領ギアナの“オービタル”マップの固有ギミックで、展開によっては打ち上げが失敗してしまうこともあるとか。

4. 戦車が空から登場! 場所を指定できるビークル召喚システム

 そして砂嵐が迫ってくる中で中央部を目指す場面では、戦車がバルーンにぶら下げられて空から登場。これは本作でのビークルの召喚システムを示している。

 『バトルフィールド 2042』では、ゲーム内のタブレットを通じて誰もがビークルを呼び出し可能。場所を指定して投下できる。マップが超デカいなか、拠点に出現した戦車を遠方までエンヤコラと運転しなくてもオーケーなのだ。ちなみに、敵めがけて投下してみることもできるという(多分、回避されて乗り込まれたら逆に面倒なことになるんだけど)。

バトルフィールド 2042
ホバークラフト型のビークルも登場。

5. 戦場での銃のアタッチメント交換

 市街戦の途中でトルネードが登場して、ビルに逃げ込んだ後のシーンにも注目。エレベーターで銃のアタッチメントを交換している様子が見られる。

 映像を見ればわかるように、十字型のユーザーインターフェースにより戦場にいながらにスコープ/バレル(銃身)/アンダーバレルアタッチメント/マガジンの4種類を変更可能。出撃し直さなくても状況変化にある程度対応できるというわけだ。

バトルフィールド 2042
たとえば、船にたどり着くまでは中長距離戦対応の構成にしておいて、内部に突入する際に近距離戦対応に変えるといったことができるだろう。

6. 時にバカなスーパープレイが飛び出してこそ! サンドボックスな楽しみの再認識

 エレベーターで上がった先のビルの屋上パートでの戦闘では、爆発物をバギーにつけて屋上から走らせ、敵ヘリに当たるタイミングで爆破というプレイを披露している。

 コレ自体はバトルフィールドプレイヤーなら知っている人も少なくないだろう古典的トリックプレイだが、大々的にかっこよく行きたいはずのゲームプレイの初公開に、わざわざこの手のネタプレイをぶっこんできているのがポイントだ。

 発表時のトレイラーでも“飛行機から離脱→敵機をロケットランチャーで撃墜→機体にふたたび乗り込む”というバカプレイをフィーチャーしており、“この手の現実ではありえないミラクルがあってこそのバトルフィールド”というメッセージになっている。

 こういった、与えられたツールの組み合わせで何をするかはプレイヤーの発想にある程度任せるような設計を、サンドボックス型と呼ぶ。

 記者は『バトルフィールド3』ぐらいからシリーズを取材しているが、今回は開発側がこういったサンドボックス性を特に強調していたのが印象的。恐らく、次世代のバトルフィールドを開発するにあたり、このサンドボックス性がバトルフィールドの重要な要素のひとつであり、プレイヤーコミュニティが楽しんでいるものだと再認識するに至ったことがうかがえる。

 ちなみに、前述のインタビューでもかなりこの点について語られているので、ぜひ読み返してみて欲しい。

次は来月のEA Play Liveに注目!

 さて、以上6つの重要ポイントを紹介したが、実は本作、まだ3つある柱のゲームモードのうちのひとつしか発表されていない。現地7月22日に配信されるEA Play LiveでDICE EAが開発するモードを発表し、そして10月の発売までの間に第3のモード“Hazard Zone”の発表とオープンβテストを実施予定となっている。

 なお『バトルフィールド 2042』は今年の10月22日のローンチを予定。対応プラットフォームはプレイステーション5/Xbox Series X|S/PCおよび、プレイステーション4/Xbox Oneとなっている(旧世代機版はプレイ人数などが異なる)。