レイニーフロッグより、Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4用ソフト『グミーズライフ』が2021年11月25日に配信された。価格は2000円[税込]。プレイステーション5版とプレイステーション4版はクロスバイ対応となる。

『グミーズライフ』開発者に聞く。涙を流して笑い転げる楽しさを目指したパーティーゲームはこうして生まれた

 『グミーズライフ』は、個性的なグミ-たちが、パンチやキック、頭突きで相手を倒し、持ち上げ、もしくは引きずりながら、ステージの端から投げ飛ばし、最後のひとりになるまで戦い続ける最大8人で戦うアクションゲーム。プレイモードには、乱戦(バトルロイヤル)や、デスマッチ(チーム戦)、お山の大将(一定時間その場所を守る)、ホットポテト(爆発物を使用)などが用意されており、異なるプラットフォーム間でのクロスプレイも可能だ。

 もったりとしたグミーたちの動きがときにもどかしくはありつつも、クセになってしまいそうな1作。ゲームの雰囲気を掴んでいただくために、PVををご紹介しよう。

 まさに、これからの時期にうってつけのパーティーゲームである本作だが、ここでは開発元であるEP Gamesの皆さんに本作に対するこだわりどころなどを聞いてみた。

『グミーズライフ』ニンテンドーeショップサイト 『グミーズライフ』PS Storeサイト

仲間たちといっしょに楽しくソファで遊べる作品を心がけた

――こんにちは! 今回メールインタビューの機会をいただきまして、ありがとうございます! まずは、自己紹介をお願いします。

ダニエルこちらこそ、ありがとうございます。私たちは、CEO兼プログラマー兼デザイナーのダニエル・バルバ、3Dアーティストのアドリアン・アンドレス、2Dアーティストのアレックス・ムニョス、そしてコミュニティ・マネージャー兼プロデューサーのジェニファー・バルバです。

『グミーズライフ』開発者に聞く。涙を流して笑い転げる楽しさを目指したパーティーゲームはこうして生まれた
左からアレックス・ムニョス氏、ダニエル・バルバ氏、アドリアン・アンドレス氏。

ダニエル・バルバ氏

EP Games CEO兼プログラマー兼デザイナー

ジェニファー・バルバ氏

EP Games コミュニティ・マネージャー兼プロデューサー

――つぎは、EP Gamesさんのことを教えてください。2004年にダニエル・バルバさんのソロ開発スタジオとして始まったとのことですが、どのような雰囲気の会社で、どのような方針でいらっしゃるのでしょうか。

ダニエルスタジオは2004年に16歳だったころに設立しましたが、近年は別のスタジオでいくつかの別のプロジェクトに取り組んできました。長年にわたってゲーム業界やゲーム開発について多くのことを学んできましたが、EP Gamesには高品質な作品をリリースするスタジオだと認識されたいと同時に、我々はゲームに関する同じ情熱を共有している仲間たちなので、楽しみながら作品作りを行っていきたいと思います。

――日本のゲームファンのために、そもそも『グミーズライフ』開発の経緯をお教えください。2015年にアドリアン・アンドレスさんとアレックス・ムニョスさんが参加されて『グミーズライフ』を開発したとのことですが、スタジオが3人になってから始動したプロジェクトだったのですか? 『グミーズライフ』自体は、「楽しいパーティーゲームを作りたい」との思いから始動したプロジェクトだったのでしょうか。

ダニエルほかのスタジオで別のプロジェクトを開発していたころ、金曜日になると、みんなで集まってゲームを遊んでいました。ただし、私たちは大きなチームだったので、8人以上で楽しめるゲームというのがあまりなくて困っていました。そこで、アドリアンとアレックスと話し合い、自分たちで作ってしまえばいいという話になりました。『グミーズライフ』は、このときのアイデアから生まれた作品です。

――「楽しいパーティーゲーム」ということで、心がけた点をお教えください。

ダニエルまず、私たちはきっちりと洗練されたゲームが好きなので、できるだけ洗練されたものを作ろうとしました。グミの動きと環境がしっかりと機能していれば、何も気にせずに遊びに夢中になれます。そしてゲームプレイに関してもこだわりました。本作は子どものころに楽しんだゲームのように、仲間たちといっしょに楽しくソファで遊べる作品を心がけたので、思わず笑ったり叫んだりしてしまうような要素を優先しました。

『グミーズライフ』開発者に聞く。涙を流して笑い転げる楽しさを目指したパーティーゲームはこうして生まれた

――プレイアブルキャラクターをグミにした理由をお教えください。これは最初から決めていたのですか? それとも試行錯誤を経てグミになったのですか? グミということで、ときに思い通りに操作できずもどかしい感じもしたりしますが、どのような遊びかたをしてほしいですか?

ダニエル当初からグミを動かせたら楽しいだろうし、誰にもアピールできる作品になると思いました。グミはかわいくておいしそうそうですけど、同時に勝利を思いっきり祝っているときは意地悪さも感じさせます。私たちは楽しくて大げさなゲーム性を目標にしていました。本作は物理ベースのゲームなので、グミを思い通りに操作することは困難ですが、物理学的に考えれば納得のいくようにしました。なぜ小さなグミに蹴りを見舞うのか? キックは相手が床にノックアウトされているときに有効で、パンチは相手と対面しているときに有効です。また、本作は自動照準が非常に限られているため、プレイヤーは自身のグミを相手やアイテムの方向にきっちりと向ける必要があります。

――グミのデザインがユニークですが、心がけた点をお教えください。とくに好きなグミはいますか?

ダニエル私たち3人は子どものころから毎日のようにグミを食べていたので、グミとは我々の心の中では、子どもたちが(大人も含む)楽しく食べている姿と結びついています。グミはかわいくて、小さく、無邪気で、甘いものです。だからこそ、友人とケンカするゲームのキャラクターを甘くて楽しいカラフルなグミにしたのは理にかなっていると思います。個人的には酸っぱい砂糖が入っている硬いチューインガムであるメロンが好きなのですが、ゲーム中はいつもコーラかバナナを選んでいます。

『グミーズライフ』開発者に聞く。涙を流して笑い転げる楽しさを目指したパーティーゲームはこうして生まれた

――ステージもとてもユニークですが、ステージをつくる上で心がけたポイントをお教えください。とくにおすすめのステージは?

ダニエルありがとうございます。私たちは幼いころからゲームを楽しんできたので、数多くの作品からインスパイアされました。だからこそ本作に登場する各ステージには、グラフィックだけでなく、ダイナミクスの面でもそれぞれ異なる個性を持たせようとしました。いちばんオススメのステージですが、正直、私たちは新たなステージをプレイするたびに「これが最高のマップ」と言ってしまうぐらいなので、ひとつを選ぶのは非常に難しいですね。しかし“Tagata”と“A Frog’s Life”は全員とても気に入っています。

『グミーズライフ』開発者に聞く。涙を流して笑い転げる楽しさを目指したパーティーゲームはこうして生まれた

――開発にあたってもっとも苦労した点をお教えください。

ダニエルやはり、オンライン・マルチプレイのシステムがもっとも苦労した部分でした。物理ベースのゲームなので、すべてのデバイス上で同じ情報を受け取れるようにする必要があるのですが、オンラインでの対戦はローカルでプレイするのより正確ではないため、それを実現するためのシステムをデザインして開発するのは困難でした。開発チームにプログラマーがひとりしかいないにもかかわらず、ここまで洗練されたゲームを作り上げたのは、とても長い道のりでしたが、じつに誇らしく感じています。

――2018年のSteam版とSwitch版のリリース以降、プレイステーション5版やプレイステーション4版の開発に着手したかと思いますが、高品質のゲームを開発するうえで苦労した点をお教えください。完成までに3年と、オリジナル版と同じくらいの時間がかかっているように思いますが、開発は相当難航したのですか?

ジェニファーダニエルが言ったとおり、3人の開発者たちは別スタジオで違うプロジェクトに取り組んでいたため、プレイステーションとXboxへの移植は、なかなか開始できませんでした。しかし、ゲームのアップデートは頻繁に続けていましたし、コミュニティから報告されていた問題も修正していました。私は2020年の夏にコミュニティ担当として入社したのですが、さまざまなプレイヤーたちからゲームのアップデートや、グミの追加、そしてほかのコンソールでのリリース要望などが多々あったため、プロセスを開始しました。やはり、たった3人のチームで高品質のゲームを開発するための最大の難問は時間でした。アンロックできる追加スキンは素晴らしいアイデアで、いまでこそ多くのプレイヤーたちに好評ですが、各メンバーに求められる仕事量は多くて、開発にはかなりの時間がかかりました。ふつうでしたら、6~7人のチームでやるような作業を、彼らはたった3人で行いました。

――今回クロスプラットフォームに対応していますが、クロスプラットフォームにした理由をお教えください。どのような楽しみかたをしてほしいですか?

ジェニファー本作はオンラインシステムのリリース時から、Nintendo SwitchとSteamのクロスプラットフォームに対応していたので、新たなコンソールにも対応させることは自然なことでした。プレイヤーの皆様には、なるべく多くの人たちといっしょにプレイしてほしかったので、別々のコンソールであってもいっしょにプレイできるようにしました。コンソールは、どれも素晴らしいものなので、ハード間の垣根を越えて、誰もが『グミーズライフ』を楽しんでいただければ幸いです。

『グミーズライフ』開発者に聞く。涙を流して笑い転げる楽しさを目指したパーティーゲームはこうして生まれた

――PS5版やPS4版の発売にあわせて、変更した点などありましたら、お教えください。

ジェニファープレイステーションへの移植と同時に、全プラットフォーム向けにいくつかの大きなアップデートを行いました。3種類の新たなマップの開発、ローカルモードのマップ選択にトレーニングロビーを追加、オンライン・マッチメイキングをプレイすることでアンロックされるスキン、AIの挙動の改善など、ほかにも多くの細かい改善を施しました。

――『グミーズライフ』で遊ばれたユーザーさんからのフィードバックで、とくに印象的なものがありましたらお教えください。

ジェニファー本当に多くのコミュニティメンバーの方々から体験談を共有してもらったのですが、どれも素晴らしいものばかりでした。一部の親御さんからは「『グミーズライフ』 はAIの挙動が優れているので、幼い子どもといっしょに遊んでいてもチャレンジとして楽しい」なんてお便りも届いています。ほかにも、友人といっしょにプレイしている際に発生したおもしろおかしな展開によって、涙を流すほど笑い転げた配信者さんもいます。また、多くのプレイヤーたちが高評価を残してくれており、私たちがアップデートを続けていることを感謝されたりもします。

――このたび、Nintendo Switch版、PS5版、PS4版が日本で発売されますが、率直なご感想をお教えください。

ジェニファー『グミーズライフ』を日本でリリースできることを、本当に楽しみにしております。本作には素晴らしいコミュニティがありますので、日本のプレイヤーたちにも早く参加してもらえるのが待ち遠しいです。個人的にはグミのキャラたちは日本でもウケられるような気がするのですが、何よりも、皆様には私たちが開発をしているとき味わったのと同じ喜びを、プレイを通じて感じてもらえれば嬉しいです。

『グミーズライフ』開発者に聞く。涙を流して笑い転げる楽しさを目指したパーティーゲームはこうして生まれた

――PS5版などが発売されて、『グミーズライフ』の開発も一区切りついた感じですか? それとも今後『グミーズライフ』には、さらなる展開などはあるのでしょうか。

ジェニファーアップデートは今後も予定しており、作品をつねに最新の状態に保ちながら、問題が発生した際にはコミュニティと連絡を取りながら対応していきたいと思います。マップやグミの追加、オンラインプレイの新たなオプションなども計画していますが、私たちは小規模なチームであるため、それらを導入するまでには時間が必要であることをご理解いただければと思います。

――最後に、『グミーズライフ』を楽しみにしている日本のユーザーに向けてメッセージをお願いします。

ジェニファーきっと私たちと同じように『グミーズライフ』の隠しコマンドや要素を気に入ってくれると思います。本作のコミュニティへようこそ!

『グミーズライフ』開発者に聞く。涙を流して笑い転げる楽しさを目指したパーティーゲームはこうして生まれた

『グミーズライフ』

  • 配信日:2021年11月25日配信
  • プラットフォーム:Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4
  • 発売元:レイニーフロッグ
  • 開発元:EP Games
  • 価格:各2000円[税込]※PS5版とPS4版はクロスバイ対応
  • プレイ人数:オフライン/Nintendo Switch 8人、PS5、PS4/4人 オンライン/8人
  • ジャンル:アクション
  • CERO:12歳以上対象