クラウドゲーミングサービス“GeForce NOW Powered by SoftBank(以下、GeForce NOW)”にて、『フォートナイト』のモバイル版がプレイ可能になった。
GeForce NOWは、PCやスマートフォンのブラウザを利用してPCゲームをプレイできるサービス。本来PCゲームをプレイするには相応のスペックが必要になるが、そのスペックをサービス側で補ってくれるのだ。
このサービスのおかげで、グラフィックボードの搭載されていないPCはもちろん、スマホでもさまざまなPCゲームを体験できるようになっている。フリープランなら月額無料で、いつでもどこでも人気ゲームを遊べるというのがGeForce NOWの強み。
そんなGeForce NOWにて、モバイル向け『フォートナイト』がプレイ可能になった。以前からPC版は利用できたが、新たにスマホ向けのタッチコントロールなどのUIが搭載され、コントローラーを使わず、アプリのような感覚で遊べるようになったのだ。
iOSではアプリがプレイできなくなって久しい『フォートナイト』が、またプレイできる。そんなiPhoneユーザー必見のモバイル向け『フォートナイト』を実際にプレイした所感をお伝えしていこう。
外出先で気軽に一戦するのに便利すぎるGeForce NOW
冒頭にも述べた通り、GeForce NOWの『フォートナイト』では、タッチコントロールのUIが搭載されている。コントローラーやキーボードが必須のゲームもあるが、本作に限ってはスマホでも遊びやすい。
実際にチェックしてみると、非常に細かくレイアウトを調整できるのが好印象だ。初期時点でもスマホアプリではおなじみの操作性になっているが、さらに自分でコマンドの位置や種類も設定可能。自分なりに使いやすい形を作れば、コントローラーなしでも精密な操作ができるだろう。
本作は、最大100人のプレイヤーが最後のひとり、または1チームになるまで戦うバトルロイヤルゲーム。PvEモードなどもあるが、おもにプレイされるのはソロ、またはスクワッド(3人でのチーム)でのバトルロイヤルになる。
本作の場合は建築要素があるため、移動中に建物や木などを壊して、素材を集めることも重要になってくる。おなじみのシステムだが、時間経過でストームというダメージを受けるゾーンが外周から迫ってくる要素も。次第に戦えるエリアが狭くなるので、終盤になるほど敵との遭遇率も上がり、白熱したバトルが体験できる。
数多くあるバトルロイヤルゲームの中でも『フォートナイト』が高い人気を誇るのは、独特な要素である建築が理由のひとつ。道中に集めた素材を使うと、壁や階段、床に天井といったオブジェクトを即座に建築できる。
これを使って砦を作ったり、高い崖を階段で登るなど機動力の向上や戦術の幅が広がるので、強いプレイヤーほどうまく建築を使う。高速で高い砦を作る建築バトルに発展することもあり、見ている側にもプレイヤーの技量が伝わりやすく観戦視点でも盛り上がれるのだ。
一般的なバトルロイヤルの仕組みと建築システムによって、何度もプレイしたくなるのが『フォートナイト』の魅力。コラボなどでユニークな武器やキャラも登場するので、飽くことなく楽しめるのもポイントだ。
そんな本作をGeForce NOWを通じてスマホでプレイするとどうなるのか。モバイル向けに調整されているだけあり、プレイ時には射撃の方法を自由に選べる仕様になっていた。
スマホFPSでは定番の形だが、敵に照準を合わせると自動発射するか、任意の場所をタップ、あるいは専用ボタンを押すことで射撃を行うかの3択が用意されている。個人的には、エイムを合わせるのが専用ボタンだと難しいので、推奨もされている自動発射が扱いやすく感じた。
グラフィックは遠くまでしっかりと描写されており申し分なく、基本的な操作性についてもストレスを感じるような難解さはない。さすがに高速で建築するには相当な練習が必要になりそうだが、緩く遊ぶぶんには問題ないだろう。
また、敵の足音や銃声も画面上にマークが表示されるため、無音でのプレイもオーケー。マークさえ見逃さなければ敵の位置も把握できるので、音を出せない外出先などでも戦えるのだ。
必要に応じてアイコンでのナビゲーションが入るほか、各種テキスト描写などもクッキリしているので、スマホの小さな画面でも快適なプレイが可能だった。基本的なプレイの所感はアプリ版と相違ない。
GeForce NOWのようなクラウドゲーミングサービスで気になるのが、操作中の遅延について。数戦プレイしている最中、操作が止まったり極端にグラフィックが落ちるようなことはまったくなかった。
強いてあげるなら、一瞬ラグが発生した程度。これはGeForce NOWだからというより、無線でオンラインゲームをプレイしていれば必然的に起こりうる事態だ。アリーナモードなど絶対に負けたくない試合なら通信環境を意識する必要もあるが、カジュアルに遊ぶなら遅延は気にならないだろう。
なお、プレイ時はWi-Fi、4G環境の両方で試してみたが、どちらでもほぼ同じパフォーマンスで遊べた。また、1時間プレイした後に端末に触れても、少し熱を感じる程度で極端に熱くなっていなかったのもうれしいポイント。バッテリーの極端な消費も心配なさそうだ。
スマホだけでもGeForce NOWは快適に遊べるが、個人的な意見としてはコントローラーを接続してプレイするのがオススメ。スマホの画面が小さいぶん、指での操作よりコントローラーを使ったほうが視認性がよく、精密な射撃もできる。
とくに建築が得意な人は、コントローラーの操作性でより快適に遊べるだろう。各種ボタンの設定も自由に変更可能なので、プレイしやすいように工夫できるはず。
アプリと違いデータダウンロードが不要で、通信環境さえあればどこでもプレイ可能なGeForce NOWのゲーム。スマホだけあれば、外出先でもハイクオリティのゲームが遊べるというのは想像以上に快適だった。
鞄にコントローラーも忍ばせておけば、ちょっとした休憩時間や出張先のホテルでも自宅と似たような環境で遊ぶこともできる。ゲーマーであれば、利用して損はないだろう。遅延発生が気にならないのも、個人的には推したいポイント。
『フォートナイト』をはじめ、たくさんのゲームがGeForce NOWにはあるので、まずはフリープランで体験してみてはいかがだろうか。