バンダイナムコエンターテインメントから10月20日に発売される、Nintendo Switch用育成シミュレーション『ウルトラ怪獣モンスターファーム』。その東京ゲームショウ2022(TGS2022)試遊版のレビューを掲載します。
『ウルトラマン』に登場するさまざまな怪獣と、『モンスターファーム』のコラボ作品となる本作。TGS2022には本作の一部を遊べる試遊版が出展されており、本記事ではそちらをプレイしたレビューをお届けします。
なお、筆者は『モンスターファーム』シリーズはほぼ未プレイで、ウルトラ怪獣の知識もごくわずかという程度。本レビューは、あくまで新作育成シミュレーションを遊んだ初心者目線でお送りしていきます!
“怪獣だけど愛らしい”という不思議な気持ちを抱えながらのファーム生活
体験できた試遊版では、用意された10体の怪獣のなかから1体を選び、バトルや短期間の育成、大会などを楽しめました。本編では怪獣の誕生から体験できるようですが、こちらは製品版を遊んでのお楽しみですね。
選択できる怪獣は、ゴモラやベムスターなど計10体。『ウルトラマン』の知識が幼少期でストップしている筆者にとっては、見たことがない怪獣もいましたが、バルタン星人は知っていたのでこの子を育成することにしました。
怪獣選択時にはステータスも確認でき、バトルに関連するパラメータのほかに性格や年齢、人気度や忠誠心などもチェックできます。
育成パートは主にエサやりとトレーニングを行い、選んだ項目に応じて各種パラメータが増減します。トレーニングはバトルパラメータを上げられるので積極的に行いたいところですが、トレーニングをするごとに怪獣に疲労がたまっていき、体調が悪くなっていきます。
体調は“休養”で回復できるので、怪獣のコンディションをこまめに確認して適度に休ませることが重要。これらをくり返して、自分だけの怪獣を育て上げるのが主な目的となります。
と、ここまでシステムは一般的な育成シミュレーションですが、本作で育てるのはなんといってもウルトラ怪獣! 何はさておき、とにかくサイズが巨大です。画面を埋め尽くさんばかりの巨体が所せましと走り回る光景は、インパクトがありますね。
しかも、筆者が選んだのはバルタン星人なので、ことあるごとに「フォッフォッフォッ」とおなじみの鳴き声を発します。歩くごとに地響きも発生し、もはやファームでバルタン星人を眺めているだけでおもしろいです。
また、最初こそシュールな笑いに圧倒されていましたが、こちらの指示に応えて懸命にトレーニングする姿にだんだんと愛着もわいてきました。褒められると喜び、疲れていると落ち込み、ときにははしゃいでずっこけちゃう姿なども見せてくれ、日数がたつごとに愛らしい存在になっていきます。
おそらくウルトラ怪獣のこんなにシュールでキュートな姿が味わえるのは本作だけかと。時間さえあれば、ほかの全怪獣の仕草も見たかったところです!
怪獣同士の超ド迫力バトルに震える!
育成パートで育てた怪獣は、大会などで戦わせることが可能。大会で優勝し、怪獣のグレードや人気を上げるのも本作の醍醐味です。
バトルはリアルタイムのコマンド入力式で行われ、制限時間内に相手を倒すか、タイムアップ時にライフがより多く残っているほうが勝利となります。
バトルのキモとなるのが相手との距離感で、前進と後退を駆使しながら戦うのが重要となります。距離に応じて発動できる技も異なり、敵にかなり接近しないと使えない技もあれば、大きく距離を離したときのみ使用可能な技もあります。
後退できるラインには限界があるため、あまり後ろに下がりすぎると敵に距離を詰められた際に逃げ場がなくなりピンチに! そういうときは相手を大きく突き飛ばす技を使って、距離を確保すると安全です。
この前後の距離感を生かしたバトルは想像以上に奥深く、攻防はリアルタイムで行われるので緊張感も味わえます。なお、筆者の選んだバルタン星人はライフが低い代わりに回避が高かったので、相手の攻撃を華麗にかわす活躍を見せてくれました(代わりに攻撃を食らったら2、3発くらいで負けてしまいましたが……)。
本作のバトルはシステムだけでなく迫力も魅力的で、怪獣同士のぶつかり合いは見ごたえがあります。攻撃時のカメラワークやアングル、前進後退の移動のたびに地響きが鳴るなど細かいところも凝っており、まさに巨大な怪獣らしいダイナミックな戦闘が満喫できます。
また、よく聴くとBGMも熱い! 怪獣の鳴き声と合わさって、特撮映画のワンシーンを見ているかのような気分になれました。
誕生や合成など、製品版にはまだまだ遊び要素が!
試遊版は短期間の育成と大会を体験したところで終了となりましたが、製品版ではこれ以外にも遊び要素が豊富にあります。本作の目玉となる楽曲検索やNFCを用いた“誕生システム”、怪獣同士を掛け合わせてオリジナル怪獣を生み出す“合成システム”などが最たる例です。
育成パート自体も本来は腰を据えてじっくり遊ぶものなので、今回の試遊で味わえた魅力は本当にほんの一部といえます。
しかし、短い試遊時間のなかでも育成パートの基礎やバトルの奥深さ、そしてなによりウルトラ怪獣の愛らしさが伝わってきて、本作への興味がグッとわきました。試遊が終わる際には、我が愛しのバルタン星人との別れが名残惜しかったほど……。
『モンスターファーム』ファンもウルトラ怪獣ファンもきっと楽しめる本作。TGS2022には試遊が出展されているので、会場に足を運ぶ人はぜひプレイしてみてください!