『ギルティギア ストライヴ』のブリジットを記事にしていいと言われたので好きなだけその魅力を語る！

　2022年12月某日、筆者にファミ通.com編集部からとあるメールが届いた。

　「『ギルティギア ストライヴ』のブリジットの魅力を語る記事書きません？」

　う～ん。この人何を言ってるんだろう。「なぜブリジット？」と思っていると、どうやら“くじ引き堂”にてブリジットの景品だけが当たるインターネットくじが発売されたので、その告知のためブリジットの魅力を全世界に波及させたいのだという。

　「頭良すぎでは？」と思ったので、もちろん快諾。本稿では、ブリジットファンたちの楽園、“ブリジッ島”の島民である筆者が、ブリジットの魅力を独断と偏見で語る記事を掲載させていただく（役得）。

　立てよ島民！　引けよくじ引き！　“男の娘”という言葉のパイオニア的存在でもあるブリジットとは、いかなるキャラクターなのか。昔ながらの民も移民も、ぜひチェックしてほしい。この記事は後世に残したい。

記事を書いたらおひねりくださいね

　2022年8月8日。ネットの片隅にひっそりと佇む“ブリジッ島”は大きく湧いていた……。

　なんと、『ギルティギア』ファン、いや、全世界の対戦格闘ゲームファンが待ち望んでいたキャラクター、ブリジットが、シリーズの最新作である『ギルティギア ストライヴ』（アークシステムワークスよりリリース）に参戦することが発表されたからだ。

　過去には女性として育てられていたため、自由になってからは反動で男らしいキャラクターになってしまったらどうしよう……と思っていたのは杞憂。そこには、あのときとまったく変わらないブリジットがいて……。

　さらに、ブリジットが参戦するバージョンアップが行われてからは、Steam版の瞬間プレイヤー数が跳ね上がり、ソフト本体の売上もランキング上位になるといった衝撃的なできごとも。

　SNSでは、「これを機に復帰しようと思います」、「ヒィィ！ ついにきた！」、「ありがてぇ……ありがてぇ……」、「だが男だ」、「君のせいで今大変なんだから」など、悲鳴とも思える感嘆の声が大きく発せられていたことも記憶に新しい。

　ブリジットは2002年（今年で20周年）にアーケードで稼働を開始した『ギルティギア イグゼクス』にて初参戦。その続編である『ギルティギア イグザード』シリーズにも参戦を望まれていたが、残念ながら不参加となっていた。2014年にリリースされた『ギルティギア イグザード サイン』から2022年の本日にいたるまで、約8年間ブリジット成分をおあずけされていたファンたちのカタルシスを考えると、この爆発っぷりも当然と言えるだろう。

　ちなみに、これは余談だが、過去にアークシステムワークスが実施した参戦希望キャラクターのランキングでは、日本ではブリジットが1位（妥当）。北米、アジア、欧州では梅喧が1位となり、ブリジットは北米では10位にランクインするのみとなり、海外での人気の高さはそれほどないように感じた（憤慨）。

　しかし、蓋を開けてみれば、上記のようにプレイヤー数が跳ね上がるという結果に。本作はワールドワイドで発売されているため、日本の兄貴たちはもちろん、海外の兄貴たちがブリジットに興味を持たない限りは、これだけのプレイヤー数を記録していないはずだ。つまり、海外の兄貴たちも興味津々だったはず。

　海外の兄貴たちは、次回人気投票があった際には、もっと素直になろう。

　さてさて、ブリジットといえば、非常にかわいらしい外見をしたキャラクターですね。

　だが男だ。

　ゲームセンターで「この女の子かわいい！」とブリジットに一目惚れして使ってみたが、じつは性別が男であり、これまでに自分の人生で培ってきた世界観、感性、趣味、趣向、愛しさ、切なさ、心強さなどが破壊されてぐしゃぐしゃに混ざり合った経験をした人も少なくないと思う。

　女性の姿をした男、つまり“男の娘”が当時まだスラングとして定着していなかった時代。「ブリジット好き……でも男……」と悩んでいたが、「むしろ男のほうがお得じゃね？」と開き直っていた者も、いたとかいないとか……。

　新たな萌え属性を確立させたブリジットは、『ギルティギア』ファンたちの中でその人気を確実のものとしたのだった。

　さてさて、なぜブリジットが女性の姿をしているのかというと、その出自が影響している。ブリジットはとある村のとある大富豪の家に双子の兄弟として産まれたのだが、その村では、男児の双子の存在が災いを招くと信じられており、双子の弟は始末するか、里子に出す決まりになっていた（なんということを）。どちらの手段も望まないブリジットの両親は、ブリジットを女として育てることにしたのだ。

　しかしブリジットは、性別を隠していること、自分の存在が両親に心配をかけていることを悔やんでいた。その状況を打破するため、自分が男として生き、男として村に富をもたらせば、迷信を覆せるだろうと考え始める。

　そこでブリジットは賞金稼ぎとなり、当時多額の賞金がかけられていたディズィーを捕まえようと、ひとり旅に出ることになった。

　結果としてディズィーを捕まえることはできなかったが、賞金稼ぎとしての才能が開花。稼いだ多額のお金を村に仕送りして富をもたらし、迷信を覆すことができたというわけだ。

　『ギルティギア ストライヴ』では、賞金稼ぎを続けながら自分のやりたいことを探している最中だという。

ウチは……　女の子ですから！

　ゲームにブリジットが実装されてから間もなく、我々ブリジットファンのあいだに衝撃が走った。

　まずはこの画像をご覧いただきたい。

　ゲームのアーケードモードをプレイすると、ブリジットが上記のようなセリフを発するシーンを見ることができる。これには、世界中のブリジットファンを震撼させた。ちなみに、このセリフはブリジットを使用して難易度“HARD”で8ステージ目のカイ＝キスクを倒せば見られる。

　前述のとおり、ブリジットは女性として育てられたが、男性として村の迷信を覆すために賞金稼ぎとして活動していた。

　そしてその活躍が実を結び、迷信を覆し、なんの憂いもなく男として生きていくことができるようになったはずだ。

　しかし、『ギルティギア』の公式サイトによると、現在のブリジットは男性として過ごすことに違和感を感じるようになったと書かれている。

　そして、アーケードモードではゴールドルイス＝ディキンソンやカイとの会話を経て、自身の性が女性であることを自認することとなったという。

　一時は男として認められるために奮闘し、願いは叶えた。しかし、そこからまた自身が女であると認め直すことは、現在の幸せを壊すことにほかならない。不安を乗り越え、自分に嘘をつかない生きかたを選んだブリジットの今後の幸せを願わずにはいられない。

　ちなみに、開発陣曰く、「ブリジットを彼か彼女かどちらで呼ぶとなったら、現在のブリジットは彼女」であると。これからはブリジットは彼ではなく彼女と呼ぶべきなので、紳士諸君もお忘れなきよう。

出血大サービス！ ブリジットのデザインを考察

　『ギルティギア ストライヴ』では、どのキャラクターも過去シリーズ作からデザインに変更が加えられている。ブリジットも例に漏れず、『ギルティギア イグゼクス』のころからさらに破壊力のあるキュートなキャラクターデザインとなって登場した。

　それがこちら。

　あーこれはいけません！　たいへんです。過去作のシスターモチーフのデザインもよかったですが、今回のパーカー風の衣装も非常によろしい。

　そして、デザインの細部を見ると、今回のブリジットのキャラクター設定を如実に表現したものになっていることに気づく人もいるのではないでしょうか。

　デザインの神は細部に宿る……ということで、ブリジットのキャラクターデザインを考察していきたいと思う。

シスター風衣装からパーカーに大幅リニューアル

　前作ではシスター風の衣装をモチーフとし、肩を露出したなんとも女性らしいデザインをしていた。しかし本作では、だぼだぼなパーカーを身にまとった姿に。過去作のコスチュームのテイストを残しつつ、ブリジットの心境の変化を表したデザインになっていることに注目だ。

　女性としてありたいと願うが、そうはいっても体は男。その男性的なフォルム（おもに骨格）を隠したいがためにだぼだぼなファッションをしていると予想する。

　髪の毛も男性的な顔の骨格を隠すため、あえてもみあげ部分を長く整えているのではないだろうか。

　過去作のブリジットのシルエットを残しつつ、現在の心境と状況を反映した、すばらしいデザインだと筆者は考えている。

　体が成長するにつれ、これまでは中性的であった肉体が、少しずつ大人の男性へと変化していくのは致し方ないことだろう。肉体と精神のギャップに悩むブリジットの、ある意味での苦肉の策ともいえるファッションコーディネートを想像すると、涙を禁じえない。

　そして、注目なのがフード部分にあしらえたトランスジェンダーマークのアクセサリー。前述のとおり、自身の性自認を女性だと認めたブリジット自身を表現したものになっている。

　胸下で紐を結っているのもワンポイント。これはどういう意向があるのだろうかと少し悩んだが、クレバーな筆者はすぐにこのデザインの意味に気がついた。

　ここで紐を結ぶと、胸元で洋服が少したわむことになる。つまりこれは、女性の性の象徴である胸の膨らみを表現しているのではないだろうか!!!

　また、本作ではミニのスカートを着用したものに。過去作では女性として育てられていたという背景を表現した、なんともキュートなシスター風のコスチュームとなっていた。

　村の迷信が消えた現在ならば、スカートを履く必要はないはず。それでもスカートを履いているということは、彼女が女性としてありたいと考えているからにほかならないだろう。

　さらに、スカートからは、下に履いているスパッツが見え隠れ。ブリジットといえばスパッツなので、アークシステムワークスがこの伝統を継承してくれたことに感嘆の意を表さずにはいられない。

　スパッツから少しだけはみ出ているお尻の始まり部分もグッド。こういったひと手間に、デザインの神は宿るのだ。

　そして、ブリジットといえば、腰に巨大な手錠を抱えていることも大きな特徴。過去作では、村の因習や、その因習を覆すために男性としてありたいという使命に囚われた存在だったブリジット。この手錠も、そんな心を表現した意匠なのだろう。

　その手錠は、本作でも継続して身につけている。村の呪縛からは解き放たれたはずだが、ブリジットはいまなお何かに囚われているのかもしれない。

釘付けにしてあげましょう！ バースデーくじをチェック

　そんな溢れんばかりの魅力がみっちりと詰まったブリジットだが、2022年12月13日からは、ブリジットの景品のみが当たる“『GUILTY GEAR』ブリジット バースデーくじ”がくじ引き堂サイトにて販売されている。

　なんと、この記事が掲載される本日（2022年12月26日）限定で、くじの10連セットを購入すると、実用性もバツグンなB5サイズの“お勉強 できましたか？ インストカード”が必ずもらえるというおまけキャンペーンが実施されている。

　ここでしか手に入らないファンアイテムをゲットするチャンスなので、いまがくじの引き時だ。

　筆者としては、B賞の“選べる！ 釘付けにしてあげましょう！ Tシャツ”が非常に欲しい内容。B賞の当選確率は100分の10の確率のようなので、10連を1回購入すればワンチャンいけるか？

　なお、実際にブリジットが動いている様子を見たいという人は、『ギルティギア ストライヴ』に加え、ゲームのシーズンパス2かブリジットの単体DLCを購入すればオーケー。

　ゲームソフトのダウンロード版は価格が改定され、いまならなんと3990円［税込］で購入できちまう！　ので、まさにいまが始めどきだ。過去作のブリジットのファンなら、もう（ブリジットで）ゲームがプレイしたくて堪らなくなっているはず。

　我慢は体によくないので、いますぐに下の公式サイトからゲームを購入するべし。