隠しておいた饅頭を息子に食べられた。
じっくり育てていた上カルビを妻に奪われた。
妻と息子だけうまそうなケーキを仲よく堪能していた。
体重100キロオーバーのメタボライターである筆者は、ゲームと飲食が数少ないストレスの発散方法。にも関わらず、家族と生活していると、食べ物が原因でストレスが溜まっていく。
「命が危ない」と医者に注意されたメタボライターがストレス発散とカロリー消費を目的にVRアクションゲームに挑む
暴飲暴食がやめられないのも、コロナ禍で体重が増えたのも、そのせいで血糖値が上がって医者に叱られたのも、すべてストレスのせいだ。
このままではいけない。ますますストレスと体重が増えてしまう。飲食ではなく、ほかの方法(できればゲーム)でストレス(できれば体重も)を発散せねば!
そんな悩める筆者のもとに、おあつらえ向きの仕事が舞い込んできた。それは、VR対戦アクション『Brazen Blaze(ブレイゼンブレイズ)』のクローズドαテストのプレイレビュー。ゲーム資料の頭に、でかでかと書いてあった。
“現実でやっちゃいけないこと全部やろうぜ!”と。
筆者は直感した。これはストレス発散とカロリー消費にピッタリなのでは!?
『ブレイゼンブレイズ』SteamページMyDearestが手掛ける新次元のVR対戦アクションゲーム
『ブレイゼンブレイズ』は、『東京クロノス』や『アルトデウス:ビヨンドクロノス』、『ディスクロニア:クロノスオルタネイト』など、数々のVRアドベンチャーゲームを手掛けてきたMyDearestの新作タイトル。プレイヤーは、VRの世界で3vs3のチームバトルが堪能できる。
世界中からさまざまなタイトルに関わったクリエイター(下記参照)が集結し開発を進めているとのことで、 彼らは作品の設定考証やゲーム監修など、あらゆる形で制作に参加し、作品のクオリティーアップに貢献しているという。
参加クリエイター
- ゲームデザインコンサルタント:リチャード・クー氏
代表作:『リーグ・オブ・レジェンド』、『オーバーウォッチ』、『Apex Legends』
- ゲームデザインコンサルタント:ブライアン・アラガオ氏
代表作:『Apex Legends Mobile』、『コール オブ デューティ:モバイル』
- クリエイティブコンサルタント:ウォーレン・エリス氏
代表作:『アイアンマン:エクストリミス』、『ムーンナイト』、Netflixシリーズ『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-』
- VR専門プロデューサー:スリルシーカー氏
受賞歴:VR Social Influencer Award 2020, 2021 Winner
- マルチプレイヤーゲーム開発プロデューサー:岸大河
そんな注目作が、2023年10月7日~9日の期間に、クローズドαテストを実施した。本稿では、ストレス発散を目指して“なんでもあり”の世界に飛び込んだ、ライター・ジャイアント黒田のストレス発散とカロリー消費の軌跡(プレイレビュー)をお届けしよう。
パンチをくり出したり、銃を構えたり。これならストレスもカロリーもイチコロ!
ゲームの舞台となるのは、“一度はやってみたかった欲望を叶えること”が何でも許される世界。敵を殴る、銃を乱射する、刀で斬るといった“現実でやってはいけないこと”が、VR世界ですべて実現できる。
しかも、VRの直感的な操作で。クローズドαテストで体験できたおもなアクションと操作は、下記にまとめたとおり。なお、筆者はMeta Quest 2でプレイした。
おもなアクションと操作方法
- 移動:左スティック
- カメラの旋回:右スティック
- ターゲット:右スティックを押し込むと敵をロックオンする
- パンチ:グリップボタンを握り、そのまま拳を前に突き出す
- ブーストダッシュ:トリガーボタンで進行方向にダッシュする
- メインウェポンの装備と発射:肩に手を回してグリップボタンでメインウェポンを装備し、装備中にトリガーボタンで発射する
- サブウェポンの装備と使用:腰に手を回してグリップボタンでサブウェポンを装備し、装備中にボタンを離す
- スキルの発動:掌を上に向けてグリップボタンでスキルオーブを握り、そのままトリガーボタンでスキルを発動する
- アルティメットの発動:体の前で拳をつき合わせる
これらのアクションと操作はチュートリアルで学習できるので、筆者のようにアクションゲームがあまり得意でない人もご安心を。操作に慣れてくると、実際に自分がパンチをくり出したり、武器を使用したりしているように感じられ、リアルなバトルが堪能できた。この没入感の高さは、VRアクションならではの体験だ。
とくに痛快だったのはパンチのアクション。敵はもちろん、ステージのブロックなども破壊でき気分爽快だった。さらにパンチには、プレイヤーを熱くする要素も。バトルではHPがゼロになるとスタン状態となり、この状態の敵にパンチでトドメを刺すことでキル(撃破)できるうえ、最後の敵を倒すと特別な演出の“フィニッシャー”が発動するのだ。
クローズドαテストでは3人のプレイアブルキャラクターが登場
チュートリアルで学んだアクションを早く実戦でぶちかましたい!
逸る気持ちを抑えながら、まずは対戦方式やルールをチェック。今回の対戦方式は、ランダムでチームメンバーや対戦相手が選ばれるランダムマッチがメインだ。友人とチームを組むこともできたが、筆者はひとりで参加したので、チーム作成は選んでいない。
3人チームが結成されると、プレイヤーは順番にキャラクターとサブウェポンを選択していく。用意されたプレイアブルキャラクターは、バランスタイプのライオット、パワータイプのレガシー、シュータータイプのスカイボルトの3人。それぞれ特徴が異なり、キャラクターを変えるたびに異なる立ち回りが体験できるようになっている。
バトルは3ラウンド制で、敵チームを全滅させると1ラウンドを獲得でき、先に2ラウンド先取したチームの勝利。ラウンド中に倒されたプレイヤーは復活できないが、ステージの上空からバトルを鑑賞できるつくりになっていた。
うまくなりたいと熱中すればするほど、喉が渇くし腹も減る
いよいよ実戦デビュー! スタート位置は、両チーム離れた場所に設定されており、序盤は索敵行動がメインに。ステージには大小さまざまなビルが立ち並んでいるが、ブーストダッシュが使えるので、障害物はなんのその。ブーストダッシュを連続で使い、ビルからビルへ飛び移るスピーディーな移動は、実際に飛んでいるかのようで心地いい。
ブーストダッシュによる高速移動は比較的すぐに慣れたものの、攻撃関連のアクションは、正直使いこなすのに苦労した。というのも、パンチをくり出す、銃をかまえるといったアクションすべてに直感的な操作を要求されるため、いざ敵を目の前にすると焦ってしまい、冷静に対応できなくなってしまうのだ。
ゲームの売りであるスピーディーな展開も、筆者にとっては足かせに。アクションゲームが得意な人やすぐに操作に慣れたプレイヤーは、どこぞの戦闘民族のようにステージをビュンビュン飛び回り、ターゲットに急接近してパンチをヒットさせていく。ロックオンの機能はあるものの、あまりの速さに筆者は防戦一方。だが、くやしいと同時に、うまくなったらこんな華麗に戦えるのかと、強く憧れたのも事実だ。
悔しさと憧れをバネに、もう1戦、もう1戦と、時間の許す限りチャレンジした。そうすると、ほかの味方を狙っている敵を背後から攻撃する、近くにいる味方と挟撃する、高い場所から狙撃するといった戦法で、次第に敵をスタンできるように! チームの一員として、ちゃんと役に立っているという手応えが感じられて感無量だった。
パンチを当てるのが苦手な筆者は、数えるほどしか敵をキルできなかったし、実戦では最後までフィニッシャーを決めることができなかったが、下手なりにも『ブレイゼンブレイズ』が生み出すバトルの興奮の一端を味わえたと思う。スタンやキルが狙えるようになった後半はストレスの発散になったし、たっぷり動き回ったことでカロリーも消費できたはずだ。
遠距離攻撃がヒットしたときの当たり判定がややわかりにくい、味方の位置が確認できるマップなどがほしい、直感的な操作のほかにボタン入力での操作も試してみたい……など、クローズドαテストの段階だけに、もっとこうなればいいのにと感じることはあった。
だが、今回のテストを経て、『ブレイゼンブレイズ』が最終的にどのようなクオリティーでリリースされるのか楽しみになった。慣れないVRアクションで汗だくになった筆者は、ご褒美にキンキンに冷えたコーラで喉を潤しながら、熱々のビザを頬張った。
Brazen Blaze(ブレイゼンブレイズ)
発売日:未定
価格:未定
ジャンル:アクション
備考:Steam VR対応、Meta Quest 2対応