任天堂より2023年11月17日発売予定のNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)用ソフト『スーパーマリオRPG』。
本作はスーパーファミコンで発売された『スーパーマリオRPG』(オリジナル版)のグラフィックを一新したリメイク作品。
本記事では、オリジナル版をやり込んだライターによる序盤(※)のレビューをお届け。新システムやオリジナル版からの変更点などを中心に紹介していく。
※スターピースを3つ獲得した時点まで。
『スーパーマリオRPG』とは?
オリジナル版は、1996年3月9日に任天堂とスクウェア(現:スクウェア・エニックス)が共同開発したアクションRPG。人々の願いを叶える“スターロード”が壊されてしまい、マリオ、クッパ、ピーチのおなじみのメンバーに加えて、オリジナルキャラクターのマロ、ジーノが、そのかけら“スターピース”を集めて、願いの叶う平和な世界を取り戻すという物語が描かれる。
バトルはコマンド選択タイプであるものの、自身や敵の攻撃に合わせてタイミングよくボタンを押すことで、敵に与えるダメージが増えたり、逆に敵からの攻撃のダメージを減らすことができるなど、アクション要素が取り入れているのも特徴のひとつ。
オリジナル版を尊重した丁寧なリメイク
本作をプレイして強く感じたのは、“『スーパーマリオRPG』が最新技術で蘇った”というものだった。もちろん、リメイクなので当然に思えるかもしれないが、グラフィックが一新されていたり、新要素が追加されていたりするものの、プレイ感覚はオリジナル版そのもの。
それはオリジナル版を尊重した丁寧なリメイクだからこその感覚だと思う。具体的にいくつか例を挙げると、『スーパーマリオRPG』の魅力としてウィットに富んだ会話は見逃せない要素だが、オリジナル版の発売当時とはいろいろと変化しているため、「カットされる部分もあるかな?」と思っていた会話もしっかり収録されていた。
しかも本作はオートセーブに対応しており、そのことを紹介する会話も追加されているのだが、「いい時代になりましたね」とオリジナル版のテイストを感じさせるテキストで、プレイを開始して数分しか経っていないのに大興奮してしまった。
また、『スーパーマリオRPG』は数多くのネタが仕込まれていることで有名。それらもバッチリ再現されている点も見逃せない。
設定関連では、オリジナル版のBGMとNintendo Switch向けにアレンジされたBGMをいつでも切り替えられるようになっていたり、戦闘中の操作をオリジナル版と近いものに変更できたり(※)、好みに合わせて選択できるのもうれしいポイント。
※デフォルトの“タイプA”では、“スペシャル”を行いたい場合、Yボタンを押してわざの一覧が表示された後、使いたいわざをAボタンで決定する(Bボタンでキャンセル)。“タイプB”では、オリジナル版と同様にYボタンを一覧が表示された後、使いたいわざをYボタンで決定する(Yボタン以外を押すと他のコマンドに切り替わる)。なお、アクションコマンドの入力は“タイプA”、“タイプB”のどちらも、すべてのボタンが使用可能。
[2023年11月8日18時10分 記事修正]
アクションコマンドの入力に関して、誤りがあったため該当部分を修正いたしました。読者並びに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。
新要素とユーザーフレンドリーな調整
バトルでは、新システムとして“チェイン”が追加。連続でアクションコマンドが成功するとチェインが繋がっていき、仲間たちの能力があがってバトルが有利になる。
また、本作よりアクションコマンドのジャストタイミングに“!”マークが表示される機能も用意されている。オリジナル版では、感覚で判断するしかなく、なんとなくで押していた攻撃もあったので、明確なタイミングがわかるのは非常にありがたい。
さらにアクションコマンドが成功するたびにゲージが溜っていき、100%になると、バトルに出ている3人が力を合わせて、特別な“3人わざ”をくり出すことが可能。
バトル関連では、ランダムで“きょうてき”が出現するようになった。きょうてきは見た目こそ通常の敵と同じだが、HPや攻撃力などが高めなので油断大敵。倒すことができれば、通常よりも多めのコインと経験値に加えて、カエルコインも獲得できる。
ストーリーなどは基本的にオリジナル版のままだが、要所要所にムービーシーンが追加されていたり、“3人わざ”の登場により展開が少し変わっている部分もある。
また、マップについてもほぼオリジナル版と同じだが、一部変化しているところもあった。
かなりマニアックな話になってしまうが、具体的にはハナチャンの森の中盤で、オリジナル版ではセーブポイントが配置されていた少し広めのマップが、本作では狭くなりセーブポイントもなくなっている。ただ、その代わりに本作ではボス戦の直前のマップにセーブポイントが追加され、ボスに負けてもすぐに再戦できるようになっているのは、オリジナル版から変わった点ではあるが、個人的には好印象だった(本作にはオートセーブもあるのだが)。
そのほかにも、オリジナル版では入手できるのが後半だった、かくし宝箱がある場所を知らせてくれるアクセサリー“おしらせリング”が、ゲーム序盤の“キノコ城”で入手できるようになっている。
さらに、オリジナル版ではアイテムを持てる数は全アイテムの合計だったが、アイテムごとに設定されるようになっていたり(※難易度ノーマルでは、キノコが10個、ふっかつドリンクが6個までというような感じ)、上限を超えたアイテムはマリオの家にある“あずかりボックス”に送られるように。
また、フィールドからいつでも“ちず”を呼び出して、行きたい場所に移動できるようになっているなど、より遊びやすく調整されている。
まとめ
というように序盤のレビューをお届けしてきたが、最初にも触れた通り本作はオリジナル版の雰囲気を残しつつも、最新技術でリメイクされた作品になっている。筆者のようにオリジナル版をやり込んだプレイヤーはもちろん、本作で初めて遊ぶというプレイヤーの誰もが楽しめる作品になっているように感じた。
発表済みの情報では、エンディング後に一部のボスたちと再戦ができるようになっていたり、今回のレビューではまだ体験できなかった要素も用意されているようなので、筆者もいちファンとして発売を楽しみに待ちたい。