現代のゲーム業界を舞台にくり広げられるお仕事マンガ。月曜日配信予定。漫画掲載の翌月曜日には、原作者であるサイバーコネクトツー松山洋(まつやまひろし)社長のエッセイ「デバッグルーム」を配信。単行本第5巻が好評発売中!
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【マンガの裏側を語る!】『チェイサーゲーム』原作コラム デバッグルーム第32回
2020-08-24 11:00:00
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【一身上の都合で退職します】
これはどんな理由であれ、社会通念上の礼儀としてこうした挨拶をすることになっていると思います。
会社の規模にもよるかもしれませんが本当の退職理由を知ることはまずないです。もちろん個人的な繋がりがあって理由を聞くことはあるかもしれません。
しかし、だいたいみんな本当のことは言いたがりません。会社や組織に不満があったとしても、“立つ鳥跡を濁さず”の精神が浸透している日本企業では、やはりみんな口にせず黙って辞めていくことが多いようです。
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【そこまでやる必要ってあるの?】
必要はあります。そして、それこそがモノ作りです。
ゲームソフトは娯楽作品ですから、「これくらいでいいや」とクリエイターが判断した時点で完成となります。逆の言い方をしてしまうと、クリエイターが「まだ完成していない」と思っているうちはずっと未完成のままです。
仕様書に書かれた内容の通りに作れば自動的にすばらしい作品が完成するのであればそれに越したことはないですが、そんなことは決してありません。事前に完全な仕様書を設計することは残念ながら不可能です。だからみんなギリギリまで攻めてギリギリまでよいものに仕上げたいと願うのです。
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【まるで言ってる意味が分からない】
第32話を公開した後に、もっとも賛否が分かれたセリフが魚川の「まるで言ってる意味が分からない」でした。
「まったく同じことを部下に言われてまさに魚川と同じ気持ちでした」という意見もありましたが、ほとんどは「意味が分からない魚川ヤバいな」という意見でした。
原作を書いている段階から魚川のこのセリフは賛否を呼ぶと思ってはいましたが、ここまで反響があるとは思っていませんでした。辞めていく久井田の視点で彼女を擁護する意見が多いということも現代の社会的な風潮なのかもしれませんね。
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【もう大丈夫です】
じつはこの2ページは松島幸太朗がネームを切ったあとに、私と話し合ってさらに追加で足したものです。
「魚川自身がもう大丈夫と言えるような間と表現がほしい」という松島幸太朗のリクエストに応じる形で私が2ページ分のネームを切って渡したのですが、こうして見ると追加して本当によかったと思います。
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【上司批判・体制批判はみっともない】
作中で魚川が発言している「意見であればボクが聞きます」。これがいちばん大切なことだと思います。
「組織に不満があれば偉くなってください」はさすがに言い過ぎですが、魚川という男のキャラクター性を考えるとこういうことを言ってのけますね。
どんな組織であれ、少しでも環境をよくしていくためには、改善すべきポイントの把握・指摘と正しい意見を述べる場所が全社員にとって必要です。風通しのよい職場にしていきたいですね。
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【退職理由の独自調査】
この独自調査というのは文字通りです。
私のLINEグループにいるゲーム業界人たちに協力してもらい、「それぞれの会社のスタッフの退職理由って何?」というアンケートを取りました。
そしてその後に、「うん、表向きの理由はそうだとして実態は?」というアンケートを取りました。結果はまぁ作中で表現した通りです。ゲーム開発はやっぱりコミュニケーションが大事ですね。
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【第32話の予告カットを公開】
予告カットを見ると、ハスミンというあだ名を与えられている池脇さんの姿が……。 そして、第32話は彼女の言うとおり龍也のことが気になるラストでした。
一方で、松島先生の制作日記には、魚川さんの「まるで分からない」のシーンに対する想いが描かれています。ふだんマンガのサムネイルは、担当編集の私が選んでいるのですが、ギャグシーンのようにも見え、 悲壮感のあるシーンにも見える魚川さんの表情がすぐに目に止まりました。
魚川さんの話も第32話でひと区切りつきましたが、今後はどのような展開になるのでしょうか。次回、第33話は8月31日(月)に配信予定です!