“汚れ仕事(WET Work)”と返り血に“濡れる(WET)”――そんな物騒なダブルミーニングをタイトルに冠した『WET(ウェット』)』は、映画のワンシーンを彷彿とさせる演出と、アクロバティックなアクションがシームレスに展開するTPS(3人称視点のシューティング)タイトルだ。セクシーでワイルド、危険で過激なダーティーヒロイン“ルビ”の魅力とともに、突き抜けたB級映画テイストの世界をお届けする。
 
 本作の世界観をひとことで表すならば“'70年代のアメリカンシネマに、ウエスタンの演出と無国籍なキャラをプラス”になるだろう。派手なアクション、けれん味のある会話、見た目も中身もけばけばしい人々……それらが一体となり、かつてないスタイリッシュさを実現しているのだ。シナリオは日本でもおなじみの海外ドラマ『24』で脚本を手掛けたライターのDuppy Demitrius氏が担当。アクション監修には『マトリックス』や『スピードレーサー』などに関わったスタントチーム“87 Eleven”が参加するなど、ハリウッド級の豪華スタッフによる作品となっている。それではまず、ゲームのプロモーションムービーをご覧いただこう。
金さえ積まれればどんな仕事も請け負う“何でも屋”ルビは、とある富豪から彼の息子を捜し出し、無事連れ戻す依頼を請け負った。しかし簡単に思えたこの仕事には、複雑に入り組んだ罠が仕込まれていたのだ。報酬が奪われるどころか、命まで狙われるハメになったルビは、この理不尽な仕事に黒幕が存在していることに気づく……。完全にキレたルビ。煮え湯をのませた黒幕への復讐の幕が、いま切って落とされる。
 
 
   
 
『WET(ウェット)』はその世界観だけでなく、アクションでもプレイヤーを魅了する。ルビの攻撃方法は、二丁拳銃とソード、そして超人的な身体能力の3種類。プレイヤーはそれらを途切れることなく連繋させて、大量の敵を抹殺していくことになるのだ。まるで映画のワンシーンをそのまま操作しているような感覚に浸ることができる、ルビのアクションを見ていこう。
↑←ルビのアクションはすべてがシームレスにつながる。たとえば、ジャンプ中の射撃に始まり、着地後はそのままスライディングへ移行して敵の懐へ潜り込みソードで斬りつけるといった具合にだ。なかでも重要なのが、アクロバティックなアクションと組み合わせた銃撃。ジャンプやスライディングをしながら敵を狙い撃ちする際は、時間の流れがスローになり複数の敵をいちどに攻撃することができるのだ!
→アクションをさらに盛り上げる要素として“レイジモード”と呼ばれるものも。顔面に返り血を浴びて、ルビの怒りがピークに達すると……。
←レイジモードに突入するとゲームのテンポがアップし、ルビのスピードと攻撃力も上昇。映像も赤と黒と白だけで描かれたスタイリッシュなものとなり、プレイヤーのテンションも最高潮に!
戦いの舞台は、チャイナタウンから高速道路のうえ、廃工場とさまざま。またその状況もスリリングに変化していくのだ。ここでは、高速道路でのチェイスバトルと、無限に敵が湧き出てくる“アリーナモード”を紹介。
  高速道路でのバトルはステージ1のクライマックに登場。疾走するクルマの上を飛び移り、ときにはトラックの貨物をウォールランしながら、逃亡するターゲットを追跡するのだ!   各ステージには無限に敵が湧き出てくるポイントが存在。そこに到達するとアリーナモードへ突入し、大量の敵が押し寄せてくるのだ。猛攻をかいくぐりながら、敵の発生エリアをすべて閉じればクリアーとなる。  
シニアゲームデザイナーとして、おもにアクション部分を制作。アクション映画のエッセンスを取り入れたこだわりの演出も彼によるもの。 本作のクリエイティブディレクターを担当。'70年代のアメリカ映画などに影響を受け、個性的な世界観を作り上げた。
 
――本作はどのようなコンセプトを持ったゲームですか?
Avi 目標としたのは最高に派手でアクロバティックなシューターで、主人公がいつでもどこでも銃を撃てるゲーム。プレイヤーが操作してうまくコンボに繋げられるよう、とにかくアクションをスムーズにするのに労力を費やしている。それと同時に両手で武器を扱い、ふたつの違う的を狙えるような主人公を作ることに専念したよ。
――ルビがくり広げる超人的なアクションのアイデアは、何かの作品やスポーツを参考にしていたりするんですか?
Avi ルビの動きに関しては“パルクール・アクション”(※)を参考にした。彼女にはトレーニングされた古典的アクロバットより、アーバン(都会的)で活きた動きを持たせたかったんだ。車の上を飛びまわるシーンの振りつけをデザインしたときは、マイケイル・ベイ監督の映画に登場するカーチェイスシーンから沢山のインスピレーションを貰ったよ。
※パルクール・アクションとは『YAMAKASHI』などの映画で採用された、道具を使うことなく効率的に障害物を超えるフランス発祥のスポーツ、パフォーマンスアート。
※マイケル・ベイ監督は『アルマゲドン』や『バッドボーイズ』、『トランスフォーマー:リベンジ』を手掛けた。
――ここは絶対に自信があるというポイントは?
Avi そりゃあ僕が作った車の上を飛びまわるシーンかな。このユニークなステージをイメージしていたときは、机の上に車のおもちゃを並べてゲームの中でやるならどんなことがクールか想像しながら、各シーンを演じてみたんだ。声でドカーンとか効果音も入れてね。よく同僚にからかわれたけど、気にしなかった。僕は仕事熱心だからね(笑)。それから複数のターゲットを狙えるシステムも誇らしく思っている。梯子から逆さに降りながら片手では敵を、もう片方では爆発するドラム缶を撃てるシステムに最高に満足しているよ。
――今後、どういったゲームを作っていきたいですか?
Avi いまは『WET(ウェット)』の続編が作れないかなと思ってる。このタイトルにおける経験は素晴らしかったし、ルビがつぎに何をするか楽しみだからね。
――日本のゲームファンに向けてメッセージを。
Avi ルビスタイルで暴れまくろうぜ!
 
――本作はどのようなコンセプトを持ったゲームですか?
Patrick 詰め込みたかった要素は、70年代のアクションムービーの中でアクロバティックなシューティングをするってことだったんだ。銃や刀をシームレスにひとつの戦闘システムに組み合わせることによって、プレイヤーは多くの敵を最高のアクションで倒すことができる。壁を走りながら、床をスライドしながら、空中を飛びまわりながら、さらに梯子を逆さに降りながらだってね! ルビはいつでも、どんな場所でも攻撃ができ、華麗に敵を倒すことによって多くのボーナスが貰えるのがこのゲームのシステムなんだ。
――ゲームの世界観でもっともこだわった点は?
Patrick ルビはクリント・イーストウッドのマカロニ・ウェスタン映画にでてくる“名無しの男”に通ずるところがある。よくあるヒーローでもなければ世界を救おうとも思っていない。彼女は自分のために仕事をする、彼女自身の価値観によってね。一旦引き受けた仕事は絶対止めないし、とことんやり続ける。名声や勲章のためじゃなく、自分の信念に基づいて行動し、数々のシチュエーションを生き抜いてきた彼女は、“正しい、正しくない”の判断を一般的な人よりももっと哲学的な基準で判断しているんだよ。
――アクション部分に映画の影響などが見られますね。
Patrick そのとおり。ゲーム内にはいたるところにインスピレーションが詰め込まれてる。例えばシームレスでアクロバティックなゲームの流れは、『デスペラード』(※)や『キル・ビル』中の“Crazy 88”との対決にあったような、バトルのペースやリズムを取り入れようとしたんだ。ゲームのルックス的なイメージについては、70年代の映画“グラインド・ハウス”をよく研究したね。カメラの汚れやフィルムスクラッチ、投影方法、画像に入るノイズなどなど……。
※『デスペラード』はロバート・ロドリゲス監督の映画。とにかく撃ちまくる。
※『キル・ビル』のCrazy 88は、タランティーノ監督の映画に出てくる殺人集団。劇中ではユマ・サーマン演じる主人公に大勢で襲いかかるが、刀でバッタバッタなぎ倒されてしまう。
――ここはぜひ見てほしい、という点はありますか?
Patrick ゲームの核となるシューティングのメカニズムは気にいってる。僕たちは操作を直観的にしたかったんだけど、ハードコアゲーマーたちも満足できるものにもしたかった。そこで思いついたのがオートロックとマニュアル照準を併せ持つ“ハイブリッドシステム”さ。ルビが空中に飛び出したらすぐセカンドガンを取り出し、もっとも近い敵にオートで照準をロックする。画面中央には別のマーカーがあり、これはメインガンでもう片方の手にリンクしている。これを右スティックで操作することで、ヘッドショットしたり別のターゲットに合わせて2人同時に倒すことが可能なんだ。とても誇らしいメカニズムだと思ってるよ。プレイすればするほどスキルアップしてクレイジーなマニュアルショットを出すことことができ、それで沢山のポイントを稼ぐことができるんだ。ちなみに、ポイントを溜めれば新しいアクションをアンロックしたり、武器のアップグレードもできるよ。
――日本のゲームファンに向けてメッセージをお願いします。
Patrick 『WET(ウェット)』はウェスタンでクラッシックなタイプのアクションゲームだ。スタイルと演出、’70年代のグラインドハウスの影響を強く受けたストーリーと内容を見てほしい。僕は子供のころからアクションゲームをプレイしていた。僕が日本のユニークなゲームを楽しんだように、日本のファンも“ノースアメリカン”テイストの本作をエンジョイしてほしい。
 
ゲームに登場する主要キャラクターの声はすべて日本語吹き替え。それぞれの個性に合わせた起用が行われており、主人公ルビ役は音楽ユニット“TRF”のヴォーカリストYU-KIが演じるのだ。ゲームの声優を務めるのは初めてというYU-KIだが「ふだんからゲームを遊んでいるので、いつかはゲームに関わる仕事がしたいと思っていました」とかなり意欲的。収録中は自分だけの設定を作り出して、演技に没頭したそうで「何かを貫き通すところに私と同じ匂いを感じましたね」とすっかり役になりきっていたようだ。本作ではYU-KIの魂がこもった吹き替えにも注目だ。
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