およそ8年越しの『Dazzling World』
2017年1月28日~29日の2日間、東京都の東京体育館にて、『アイドルマスター』シリーズのイベント“THE IDOLM@STER PRODUCER MEETING 2017 765PRO ALLSTARS -Fun to the new vision!!-が開催。中村繪里子さん(天海春香役)、今井麻美さん(如月千早役)、浅倉杏美さん(萩原雪歩役)、仁後真耶子さん(高槻やよい役)、若林直美さん(秋月律子役)、たかはし智秋さん(三浦あずさ役)、釘宮理恵さん(水瀬伊織役)、平田宏美さん(菊地真役)、下田麻美さん(双海亜美・真美役)、長谷川明子さん(星井美希役)、原由実さん(四条貴音役)、沼倉愛美さん(我那覇響役)が出演した。
本記事では、サプライズゲストとして赤羽根健治さん(アニメ『アイドルマスター』プロデューサー役)と三瓶由布子さん(秋月涼役)も出演した、1日目の公演の内容をリポートする。
765プロ社長、高木順二朗(声:大塚芳忠さん)による挨拶で幕を開けた今回のイベント。諸注意のアナウンスは、今回出演していない音無小鳥(声:滝田樹里さん)が務めた。
音無小鳥が開演の合図を告げると、会場のスクリーンに、『アイドルマスター プラチナスターズ』モデリングの天海春香が登場。彼女の動きに合わせて中村さんが喋るという、“ゲームに寄った”演出は、近年の『アイドルマスター』のライブでは見られなかった、新たな表現。しかも、春香の動きは、モーションアクターがリアルタイムで務めていたというのだから驚きだ。
ちなみに、リアルタイムにキャラクターを動かすこの技術は“BanaCAST”と呼ばれているのだそう。以下、リリースより。
◆リアルタイムモーション春香のオープニングトークについて
本イベントのオープニングにて、リアルタイムにキャラクタを動かす技術、BanaCAST(BandaiNamco Character Streaming Technology)を活用した、リアルタイムで動く天海春香をプラチナスターズのキャンプウエア姿で登場させました。
実際に春香がステージに登場したようなリアルな動きで、本イベントのタイトルにある『NEW VISION』の一つとして、次元を超えてキャラクタがステージに立つという「THE IDOLM@STER」の新しい未来の可能性の提示に挑戦いたしました。
◆BanaCAST(BandaiNamco Character Streaming Technology)概要
株式会社バンダイナムコスタジオによる、最新のモーションキャプチャ技術と高品質なリアルタイムCGキャラクタを活用したインタラクティブなライブコンテンツ提供サービス。
本当にその場に実在するかのように反応するCGキャラクタによって、次元を超えた一体感を感じる世界を実現。CGキャラクタを使った舞台やライブエンターテインメントの創出、CGキャラクタとのインタラクティブな対話や触れ合いを創り出すことが可能。
イベントのオープニングを飾った楽曲は、『チェリー』。これは、全国のプロデューサー(『アイドルマスター』シリーズを応援する人たち)の投票で決まったもの。さきほどの春香と同様、『プラチナスターズ』のキャンプウェア姿で登場した12人が歌い踊ると、仁後さんや長谷川さんなど、イベント出演が久しぶりとなるキャスト陣を迎え入れるように、会場は大歓声に包まれた。765プロの全員が揃うのは、7周年ライブ以来。ステージに帰ってきたことを喜ぶ若林さんが、涙ぐむ場面も見られた。
さて、ここから本格的にイベントがスタート。まずは、テレビアニメで765プロのプロデューサー役を演じた赤羽根健治さんが登場し、全国のプロデューサーたちのアンケート結果をもとにトークを行う“プロデューサーの声を聞いてみよう”のコーナーが実施された。このアンケートでは、プロデューサーたちの年代や性別の統計、“仕事でミスをして元気になりたいときに聞きたい曲は?”、“ライブでコールが楽しい曲は?”といったランキングが発表された。沼倉さんが『Pon De Beach』のダンスを披露したり、若林さんが『いっぱいいっぱい』のコールをするという流れから、それぞれが「歌ってよ」、「踊ってよ」などと無茶ぶりをするという展開になり、キャスト陣が戦々恐々としながらイベントが進んでいった。ちなみに、赤羽根さんは思い出の楽曲として、自身が初めて聞いた『アイドルマスター』の楽曲である『目が逢う瞬間』を挙げていた。
■仕事でミスをして元気になりたいときに聞きたい曲ランキング
1位 ポジティブ!
2位 自分REST@RT
3位 キラメキラリ
4位 ALRIGHT*
5位 GO MY WAY!!
6位 i
7位 ゲンキトリッパー
8位 START!!
9位 空
10位 スマイル体操
11位 MEGARE!
12位 笑って!
13位 乙女よ大志を抱け!!
14位 CHANGE!!!!
15位 M@STERPIECE
16位 YOU往MY進!
17位 約束
18位 shiny smile
19位 Brand new Day!
20位 チアリングレター
■ライブでコールが楽しい曲ランキング
1位 自分REST@RT
2位 いっぱいいっぱい
3位 キラメキラリ
4位 THE IDOLM@STER
5位 待ち受けプリンス
6位 乙女よ大志を抱け!!
7尾 READY!!
8尾 自転車
9位 Pon De Beach
10位 ザ・ライブ革命でSHOW!
11位 おとなのはじまり
12位 M@STERPIECE
13位 チェリー
14位 全力アイドル
15位 I Want
16位 GO MY WAY!!
17位 CHANGE!!!!
18位 何度も言えるよ
19位 虹色ミラクル
20位 YOU往MY進!
■「アイマスの楽曲でオススメを教えて!」と言われたときに挙げる曲ランキング
1位 READY!!
2位 M@STERPIECE
2位 THE IDOLM@STER
4位 自分REST@RT
5位 GO MY WAY!
6位 隣に…
7位 団結
7位 約束
9位 空
10位 キラメキラリ
11位 The world is all one!!
12位 細氷
13位 relations
14位 蒼い鳥
15位 オーバーマスター
16位 99nights
17位 my song
18位 MUSIC♪
19位 眠り姫
20位 マリオネットの心
続いてのプログラムは、朗読劇“765プロ感謝祭”。朗読劇は、初期の『アイドルマスター』イベント以来、久々の実施となる。この朗読劇では、ストーリーの合間に選択肢が提示され、会場のプロデューサーたちが選んだ内容によってシナリオが分岐する方式を採用。765プロの面々が合宿所に集まり、“765プロ大感謝祭”というイベントに向けて準備をする、という展開だ。このイベントでは、バラエティー、芝居、歌という3つの出し物を予定しており、13人のアイドルたちが、それぞれに出演するという。班分けは以下の通りで、班ごとに何をやるかを決める……というのが大筋のストーリーだ。
■劇中の班分け
バラエティー班:千早、律子、あずさ、美希
お芝居班:雪歩、伊織、亜美、真美、貴音
歌班:春香、真、やよい、響
亜美・真美のぶっこみ(アドリブ)で、一発ギャグをやることになったあずさが、サンシャイン池崎のモノマネをしたり、春香からセクシーな歌いかたを求められたやよいが、うろたえてから「アッキーやんなよ」と伝説のフレーズを使ってぶん投げたり、そこから美希→響→春香→真と順番にセクシーなポーズを取ったりと、段取りの最中はアドリブ満載で、プロデューサーたちは笑いっぱなし。
なんやかんやありつつ段取りを決めていく春香たちだが、スタッフのミスにより、尺を延ばさなければならないことが発覚。うろたえるアイドルたちの中、高らかに笑いだした律子が「こんなこともあろうかと」と、策を用意しておいたことを明かす。その策とは、従兄弟の876プロアイドル、秋月涼(声:三瓶由布子さん)を呼ぶこと! 876プロの日高愛(声:戸松遥さん)と水谷絵理(声:花澤香菜さん)は765プロのイベントへの出演経験はあるが、三瓶さんは初めてということで、客席は大いに沸いた。三瓶さんが衣装として、劇中の涼の普段着(女装時)を着ていたのも、プロデューサーたちには嬉しいところだろう。
朗読劇の終劇後に三瓶さんは、765プロのイベントに出演する夢が叶ったと語り、さらに、周囲の希望で涼の口癖「ぎゃおおおおん!」を披露。原さんと若林さんも、それぞれの「ぎゃおおおおん!」を見せた。
ここでキャスト陣は、ライブパートでの着替えのためにいったん退場。そのあいだは、『プラチナスターズ』の特別なライブ映像が上映された。そのラインアップは、『私はアイドル』(千早、春香、美希)、『きゅんっ!ヴァンパイアガール』(貴音、響、美希)、『神さまのBirthday』(千早、雪歩、あずさ)、『99 nights』(真、あずさ、貴音、律子、真美)、『Do-Dai』(亜美、真美)、『キラメキラリ』(響、やよい、伊織)。
アイドルたちによる映像が終わり、会場が暗闇に包まれると、ステージにひとりの人影が現れる。そこで鳴り響いたのは、プロデューサーたちが『アイドルマスター ディアリースターズ』で何度も聞いたであろうイントロと、「So I love you,~」から始まる歌い出し。そう、『Dazzling World』だ。8周年ライブの際、若林さんが歌ったことはあったが、三瓶さん自身がイベントで歌うのは、長い『アイドルマスター』シリーズの歴史の中でも初めてのこと。ステージに立つ三瓶さんを、プロデューサーたちは緑のペンライトを振って応援していた。なお、三瓶さんの衣装は、『アイドルマスター ディアリースターズ』における秋月涼の衣装を再現したもの。三瓶さんは、大きいイベントでひとりで歌うのはほぼ初めての経験だそうで、とても緊張していたことを明かした。
三瓶さんに続いては、いよいよ765プロの面々がお目見え。新衣装に身を包んだ12人が、『ザ・ライブ革命でSHOW!』を歌うと、アップテンポな楽曲に引っ張られるように、会場の盛り上がりも増していく。
『Miracle Night』(中村さん、釘宮さん、下田さん、平田さん)、『僕たちのResistance』(今井さん、仁後さん、長谷川さん、沼倉さん)、『アマテラス』(浅倉さん、若林さん、たかはしさん、原さん)と、『プラチナスターズ』の楽曲が3曲続いた後は、“みんなで作るイベントソング”のコーナーへ。本イベントのために作られた『紅白応援V』は、プロデューサーたちの声援を収録して完成となる。キャスト陣が同曲を歌う中、歓声を収録する時間が設けられ、会場のプロデューサーたちが大声援を送った。ここで収録された「ファイト! ファイト!」という声が、CD化の際に使われるのだそうだ。また、楽曲を歌った後には、CDのブックレットに使用するための写真撮影も行われ、キャスト陣とプロデューサーたちがいっしょにポーズを取っていた。
ライブパートの最後の楽曲『Happy!』が終わると、改めて赤羽根さんと三瓶さんが登場し、ひとりひとりがプロデューサーたちへの挨拶を述べる。そして、赤羽根さんは退場するが、三瓶さんはステージに残り、正真正銘最後の曲である『THE IDOLM@STER』を13人で熱唱。恒例のやり取りとなっている「アイマスですよ! アイマス!」の掛け声をキャスト陣&プロデューサーが一体となって行い、1日目のイベントは幕を閉じた。
トークコーナーあり、朗読劇あり、ライブパートありと、盛りだくさんの内容で行われた今回のイベント。赤羽根健治さんや三瓶由布子さんらのシークレットゲストの登場もあり、プロデューサーにとっては大満足だったのではないだろうか。とくに、三瓶由布子さんの登場は、このライブいちばんのサプライズと言っていいだろう。彼女が765プロメンバーと共演する姿を見たいと思っていた人も多いはずで、プロデューサーたちにとっては、その夢が叶った、歴史的な1日だった。三瓶さんは現在、『アイドルマスター SideM』のイベントにも出演しており、2017年2月11日と12日の2日間にわたって開催される、同作のセカンドライブにも参加が決定している。今後も『アイドルマスター』の世界で活躍してくれることだろう。
今回のイベントでは、今井さんや仁後さんなど、再び大きな場に立てたことを喜ぶキャスト陣も多かった。これは、彼女たちの本心だろう。2015年夏に行われた10周年ライブの後、765プロとしては大きなイベントがなかった。プロデューサーたちの中にも、寂しい思いをしていた人もいたかもしれない。だが今回、キャスト陣が勢揃いした姿を見て、恐らくそんな思いは吹き飛んだだろう。どんなにブランクがあろうとも、ひとたびライブやイベントが始まれば、そこにキャスト陣とプロデューサーたちが作り出す空間が生まれる。それが、10年をかけて培ってきた『アイドルマスター』の世界だ。
765プロの、そして『アイドルマスター』の歴史は、これからも続く。釘宮さんが言った“つぎの10年”には、どんな未来が待っているのか。個人的には、三瓶さんも語ったように、戸松さん、花澤さん、三瓶さんの3人が揃って出演するイベントなども見てみたいところ。そんな楽しみな未来を夢見つつ、記者として『アイドルマスター』を追い続けていきたいと思う。
■THE IDOLM@STER PRODUCER MEETING 2017 765PRO ALLSTARS -Fun to the new vision!!- Day1 ライブパート セットリスト(敬称略)
01.チェリー(765PRO ALLSTARS)
02.Dazzling World(三瓶)
03.ザ・ライブ革命でSHOW!(765PRO ALLSTARS)
04.Miracle Night(中村、釘宮、下田、平田)
05.僕たちのResistance(今井、仁後、沼倉、長谷川)
06.アマテラス(浅倉、たかはし、原、若林)
07.紅白応援V(765PRO ALLSTARS)
08.Happy!(765PRO ALLSTARS)
09.THE IDOLM@STER(中村、今井、浅倉、仁後、若林、たかはし、釘宮、平田、下田、長谷川、原、沼倉、三瓶)