個人的にデジタルガジェットは最新機種が最高と思っている。使い勝手の面や思い入れで旧機種のほうがよかった……ということもないわけではないが、デジタル製品においては基本的に性能、使い勝手、機能、効率面などにおいて、新型機のほうが優れているといって間違いはないだろう。
ゲーム機においても、これまで技術の進化によってさまざまなハードが登場してきており、ドット表示に始まり2Dスプライト機能から回転拡大縮小、3Dポリゴンと、世代が進む毎に表現能力が進化してきており、ひと昔前には想像すらできなかったゲーム体験がもたらされている。現時点でのハイエンドゲームのトレンドといえば、4K(3840×2160ドットの解像度)と、HDR(ハイダイナミックレンジ:映像の輝度を大幅に拡大する技術)となるが、このトレンドに対応したコンシューマーゲーム機のひとつが、今回紹介するXbox One Xである。
Xbox One Xの性能を簡単におさらいすると、先行して発売されているXbox One、Xbox One Sと完全な互換性を持ちつつ、Xbox One Sのおよそ4倍にもなる処理能力によって、ゲーム表示においてネイティブ4Kレンダリング(※1)を実現。さらに、有り余るCPUパワーを駆使することで安定したフレームレートも可能としている。4K・HDR対応モニターに接続してこそ、その能力を最大限に発揮できるのは当然だが、HDモニター(1920×1080ドット)に接続した場合でも、4K画質のサンプリング出力による高画質化やフレームレートの向上、読み込み時間の短縮など、その恩恵は十分に受けられるものとなっている。2017年11月7日の発売日から若干間が空いてしまったが、このモンスターマシンの本体構成などをチェックしていってみよう。
※1…3840×2160ドットに満たない画像をアップスケーリング処理で4K解像度にコンバートして出力する4K方式に対して、最初から3840×2160ドットでの画像を生成、出力する方式。Xbox OneとXbox One Sのゲーム表示は1920×1080ドットのフルHD表示(Xbox One Sは、ウルトラHDブルーレイやストリーミング映像で4Kに対応したコンテンツは、4K出力が可能)。
パッケージをあらためてみると、Xboxのイメージカラーであるグリーンがパッケージの下部にライン状に配されているだけと、Xbox One Sのシンプルデザイン路線を踏襲。ベースカラーはX Box One Sのホワイトからブラックに変更されているものの、誇張や派手な装飾もなくこじんまりとまとまった印象になっている。左側面に描かれているCPUの画像が、X Boxシリーズで最高のパフォーマンスをさり気なく物語っている演出が心憎いところだ。
ひととおり外箱をチェックしたところで、さっそく中身を見ていってみよう。
続けて付属品をオープン。パッケージの側面にも記載されていたが、Xbox One Xの付属品は、本体のほかにワイヤレスコントローラ、単3電池×2、ハイスピードHDMIケーブル、電源ケーブルに簡易説明書のみと、こちらもシンプルそのもの。ワイヤレスコントローラは、取り回しや操作性の高さで定評があるXbox Oneシリーズのコントローラデザインが踏襲されており、快適なゲームプレイが期待できそうだ。
ワイヤレスコントローラは単3電池で駆動。リチャージブルバッテリーを使用する場合は、別売りのリチャージブルバッテリーパックと充電ケーブルが必用になる。とかくケーブルの取り回しが煩雑になりがちなテレビモニター周りに設置する機器として、このシンプルさは好印象。
Xbox One Xは、シリーズでもっともパワフルながらも、驚きのコンパクトサイズを実現している。Xbox Oneの初代モデル(横:343mm×奥行き:263mm×高さ80mm)と比較すると、横幅、奥行き、高さともに大幅に小型化。2016年11月24日に発売が開始されたXbox One S(横:300mm×奥行き:240mm×高さ:60mm)と比べても、横幅と奥行きがわずかに大きくなっているが、全高は若干低くなっている。Xbox One S同様、電源ユニットが内蔵されているため、電源ケーブル1本で済むのも日本の住宅事情に優しいポイントだ。
ただし、Xbox Oneの3.54kg、Xbox One Sの2.9kgに比べて約3.8kgと、本体重量は増加。本体サイズがコンパクトなだけに、手にしたときにズッシリとした重みが感じられる。重くなったとはいえ、普段持ち運んで使うものではないため重量がマイナス要素になることはないはずだ。むしろ、中身が詰まってると思わせる重みはガジェット好きに取っては好印象とも言える。性能面では大きな主張を持ちながらもデザイン的に強調することのない本体は、横置きだけでなく縦置きにも対応しており、リビングのどこに設置してもしっくりと収まることだろう。
本稿は電源を入れての起動はまったく行わず、本体のみのインプレッションに留まっているが、“驚くほどシンプルな構成だからこそより際立つ高性能”をしっかりと感じ取ることができた。ネイティブ4K相当の画像表示でなければXbox One Sでも同じゲームが遊べることと、参考価格が4万9980円[税抜](Xbox One Sの参考価格は27759円[税抜]:HDDが500GB版)と高価なうえ(性能面を考えれば、十分にお買い得価格とも言えるが)、現時点では品薄のため入手が困難と誰にでも手放しでオススメできるハードではないが、これからも供給は続けられるとのことで、リッチなゲームプレイや映像体験がしたい人はチェックしてみてはいかがだろうか。