2019年1月から3月にかけて放送され、アニメファンからの投票でその年ナンバーワンの作品を決定する同年の“ニュータイプアニメアワード”では、放送・配信作品部門のトップ10入りも果たしたテレビアニメ『ケムリクサ』。現在アマゾンプライムビデオでは、シリーズ全12話を視聴できます。

 原作・脚本・監督を務めているのは、『けものフレンズ』(通称:けもフレ)でおなじみのたつき監督。『けもフレ』同様に3D作画のかわいらしいキャラクターが登場しますが、視聴者からは「デフォルメキャラ×ハードな世界観」、「『ケムリクサ』は“萌え”の皮を被った『BLAME!(ブラム)』(※)」といった声が上がるほどその世界観はかなりシリアスなようです。

※……弐瓶勉氏によるハードSFアクションマンガ。2017年にはアニメ映画化もされている。

『ケムリクサ』(アマゾンプライムビデオ)
登場人物すらも世界観を理解できないアニメ? 『けもフレ』のたつき監督作品『ケムリクサ』、ターニングポイントはズバリ……!【アマゾンプライムビデオおすすめ】
Amazonより

 さて気になる物語の内容ですが、ひと言でいえば“萌え要素たっぷりの3姉妹が正体不明の脅威と戦うSFアクション”。物語の舞台は、赤い霧に包まれた人気のない世界。そこには荒廃した建造物が立ち並んでおり、“虫”とよばれる異形がたくさん生息していました。

 そんな世界でたくましく生きるのが、りん・りつ・りなの3姉妹。先述した通りとにかくこの姉妹、萌え要素のオールスター(?)なのです。たとえば“りん”は3姉妹の中で主戦力でありながら、じつは絵に描いたようなツンデレキャラ。“りつ”はロングヘア×猫耳のお姉さんキャラで、“りな”はツインテール×メイド服の天真爛漫娘! とアニメファンのツボをひと通り網羅しています。

登場人物すらも世界観を理解できないアニメ? 『けもフレ』のたつき監督作品『ケムリクサ』、ターニングポイントはズバリ……!【アマゾンプライムビデオおすすめ】
『ケムリクサ』公式サイトより

 とはいえ、かわいいだけで終わらせないのが同作のおもしろいところ。そもそもなぜ彼女たちは虫たちと戦っているのかというと、生きていく糧である“水”を確保するため。滅びゆく世界、枯渇する資源、容赦なく襲いかかる虫たちの脅威…… それでも互いを想い合って生きていく3人の姿には、いろいろと考えさせられることでしょう。

 そしてもっとも本作が注目を集めたのが、謎を多く残したまま物語が進んでいく点。赤い霧とは何なのか、荒廃した世界になぜりんたちだけが生き残っているのか――。正直、第1話を見ただけでは内容を理解することはできません。謎が謎を呼び、視聴者も登場人物すらこの世界が何なのか、理解しないまま物語が進んでいくのです。

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ターニングポイントは11話!

 では、どこで謎が解明されるのかというと、そのターニングポイントは第11話(引っ張りましたね)。

 これまで散りばめられた伏線や謎が回収される回となっており、ネット上では「物語終盤で見せた怒涛の伏線回収はマジですごい」、「一気に伏線回収される衝撃が過去いちばん大きかったかも」など絶賛の声が続出していました。ただし同時にそのやるせない真実を知ることになるため、ハンカチの用意をお忘れなく。

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 果たして3人の行く末には何が待ち受けているのか、ぜひご自身の目で確認してみてくださいね。

※Amazon Prime Videoの配信情報は記事制作時のものです。

『ケムリクサ』(アマゾンプライムビデオ)