本作は、ガーデニング専門家が開発に参加している本格的な園芸シミュレーションゲームで、プレイヤーの思うままに理想のガーデンを作れるという作品だ。ふたつのゲームモードがあり、それぞれセーブデータが別枠で保存されるので、どちらからでも始められる。
・ストーリーモード
プレイヤーは、荒れ果てたコミュニティ・ガーデンの管理を任された新人のガーデナー。村の住民たちの依頼に応えていくことでストーリーが進行していく。花の種やデコレーションといったアイテムを集めていき、花が咲き誇る美しいガーデンを蘇らせよう!
・クリエイティブモード
すべての花の種を所持している状態でスタートし、アイテムの制限がなく自由に使えるモード。ガーデンのマップはストーリーモードと同じもの。ガーデン作りだけに集中したい生粋のガーデナーはこちらがオススメ。
今回はストーリーモードを進めてガーデンを完成させるところまで遊んでみたので、レビューしていくぞ。
瓦礫だらけのガーデンを整地して、かつての輝きを取り戻す。奇跡のビフォー・アフターをお見せします
ガーデンを見渡すと、地面は雑草と石だらけ。小川の橋は崩れていて、瓦礫の山に行く手を阻まれて侵入できないエリアまである。これはなかなか、頭を抱える惨状……。
案内役のジャスミンを筆頭にコミュニティの住民たちはとにかく親切で、土地を整地する手順や植物の育てかたを丁寧にレクチャーしてくれる。この物語導入のチュートリアル部分がしっかりしているので、すんなり最初の花を咲かせることができた。
花の育てかたは、いたってシンプル。種を植えて、じょうろで水をやると、翌日には満開の花が咲く。「はやっ!」というのが率直な感想。これが現実世界なら数日かかるところを、この世界では1日で急成長する。
クイック成長肥料を使うと、さらに成長速度がスピードアップ。あっという間に芽が出て、ニョキニョキと茎が伸びてブワッと開花する。これはまるで、花の成長過程を短時間に凝縮したタイムラプス映像を見ているみたい!
このヤバイ肥料はガーデン備え付けのコンポスターに雑草を入れると量産できて、好きなだけ使えるのもありがたい。
このガーデンで、どんな品種の花を育てられるのか気になるところ。その答えは、前任者のロビンが書き残してくれた植物図鑑に全部載っている。図鑑にはガーデンで育てられる20種類の植物の説明がまとめられており、バラ、ヒマワリ、ユリなど、園芸会のスター的な品種がズラリと並ぶ。さらに、品種ごとにカラーバリエーションがあって、全色を集めると114種類にもなる。ほかにも図鑑には役に立ちそうな豆知識が載っているので、目を通しておくとよさげ。
さらに、納屋の壁にはロビンがやり残した"TO DOリスト"が張られている。ガーデン開拓に真剣に取り組んでいたことが窺えて、さぞ無念だったろうなぁとしんみり。ロビンの意思を引き継いで、この" TO DOリスト"に書かれている計画を進めていこう。
管理人に就任して早々、コミュニティ・ガーデンの復活を待ちわびていた住民から、つぎつぎと依頼が舞い込む。指定の花を育てて、届けてほしいという依頼内容だ。ストーリーモードでは、住民の依頼を達成することでガーデンの開拓が進んでいくので、依頼された花の品種を優先的に育てていくことになりそう。
花の種を買いに、村の広場にある園芸店へお出かけ。レスリーが運営するこの店では、花の種、園芸の道具、ガーデンに飾るデコレーションを販売している。気になるアイテムがたくさんあるが、まずは種を優先的に買い集めることに。
さっそく手に入れた種をかたっぱしから植えていき、いろいろな品種の花を育てていく。この世界は日数経過で四季の移り変わりがあるのだが、四季に関係なくすべての品種の花が咲くことにビックリ。たとえば、夏の花として知られるヒマワリが一年中いつでも開花する。季節を問わず、さまざまな品種の花が一斉に咲き誇るガーデンは圧巻の一言。現実では絶対にありえない、まさに夢のようなガーデンが眼前に広がるのだ。
自分で育てた花を満足げに眺めていると、驚くべきことに気が付く。花の一輪一輪、表情が違う。茎の長さ太さ、生えている向き、全部違う! この世界の花は、ひとつとして同じ花は咲かないのだ。
本作の開発元(オーストリアのデベロッパーstillalive studios)は、このゲームのために独自の成長シミュレーション技術を開発したというだけあり、ここまでリアルに寄せた植物の造形は見たことないよ!
眺めるのはほどほどにして、仕事をしなければ。成長した花を剪定バサミでチョキチョキ切り取って集めていく。依頼主が切り花を求めているときはそのままでいいが、ブーケを求められることも。納品用のブーケは、納屋にある作業台で作れる。
このブーケの使い道はまだある。村の広場にある売店でブーケを販売すると、高く買い取ってもらえるのだ。これが主な収入源になるので、しばらくはブーケ作りをコツコツと続けてお小遣い稼ぎをすることにしよう。
剪定バサミで枝を1本1本切っていく作業は、バラやアジサイなど枝が多い植物はどうしても時間がかかってしまうのが悩み。そんなときは地面に近い根本にハサミを入れると、一気にバッサリ切り取ることができる。このことに気が付くまで、ちまちまと花を一輪ずつ切っていた。閃きって大事だね!
この剪定バサミの仕様がなかなか奥深く、切る部分にアタリをつけて、狙った枝を切ることができる。つまり、余分な枝を剪定して植物全体のフォルムを整えることが可能なのだ。ただし、ストーリーモードではどうしても花を切り取って依頼主に渡すことになるので、見た目を優先するのは難しい。この細やかな剪定技術はクリエイティブモードで活かされそうだ。
ブーケを売って資金が貯まってきたので、園芸店で便利な園芸の道具を買い揃えることに。育てる植物の数が増えるにつれて管理が大変になっていくので、少しでも楽にしたい。そんな悩みを解決して作業を効率化できるアイテムをいくつか紹介しよう。
・スプリンクラーシステム
広範囲に水をまけるスプリンクラーシステムは、いちばん最初に買うべき便利道具である。水の範囲を確認しつつ等間隔でガーデンに配置するのがオススメ。このスプリンクラーシステムは水を出すのも止めるのも一括管理できるのが楽ちんすぎる。
ただ美しい花が咲くだけなら平和なのに、花には敵がいる。そう、憎き害虫がわくのだ。害虫駆除スプレーを吹きかければすぐに駆逐できるが、放置していると花は枯れてしまう。なにより、害虫に気が付かずに枯れてしまったときが悔しい。それを解決するのがバグ・ホテルだ。設置すると効果範囲内なら害虫がわかなくなる。でも、バグ・ホテル自体が虫の住居となるので、アップで見るとちょっと気持ち悪いのが難点。
植物は品種ごとに色のバリエーションがあるが、園芸店で買える種は基本の1色だけ。あとは育てる過程で新種を発見して集めていくことになる。新種を見つけなければ達成できない依頼もあって、ストーリーを進めるために必須なのだ。新種を発見するコツとしては、まず同じ品種をまとまった場所に植えて、クイックシード肥料で種の生成を促す。そして種が実ったら収穫バッグで一気に集めること。これで効率よく新種を発見できるはず。
住民の依頼とロビンの“TO DOリスト”を進めていくと、修繕業者を手配できるようになる。自分ではできなかった瓦礫の撤去や橋の修理を頼めるようになり、大きな前進だ。これで土地がすっきりキレイになって、うれしいかぎり。土地が広がったから、いよいよガーデン作りに本腰を入れるときが来た!
瓦礫に阻まれて行けなかった温室が、ついに解放。この施設内は植物にとって安全な環境で、水やりをしなくても健康に育つ。害虫もわかないので枯れる心配もなし。しかも、新種が誕生しやすくなるらしいので、さっそく新種を発見したい品種を優先的に温室で育てることにした。
ガーデンを広く使えるようになったので、デコレーションでガーデンの景観を整える作業に着手。デコレーションの配置はかなり自由度が高く、つなげたり、重ねたりもできる。プレイヤーのアイデア次第で可能性が広がるので、これはセンスが試されそう。
デコブラシを使うと、デコレーションのカラーを塗り換えられる。植えている花の雰囲気に合わせて塗り換えてもいいし、人形のオブジェを色違いで並べてみてもかわいい。
ちなみに、園芸店のデコレーションは通年販売のアイテムのほかに、季節限定のアイテムがある。季節感のある飾りつけを楽しめるのはうれしいね。
あの荒れ果てたガーデンが、こんなに明るいガーデンに生まれ変わりました。写真を2枚並べるので、衝撃のビフォー・アフターをご覧ください。がんばった証なので自画自賛しても許されるかな。完成したガーデンを眺めると、めっちゃ満たされた気分になれて最高!
ひとまずガーデンはキレイになったけど、まだまだやることはいっぱい。新種を集めて植物図鑑の完成を目指したり、ジャスミンのパビリオンの飾りつけを手伝ったり……。しばらくガーデニング生活は続きそうだし、なんなら永住しちゃいそうな勢い。コミュニティ・ガーデンはそのくらい居心地がいいところなのだ。
『ガーデンライフ:夢の庭をつくろう』
- 対応プラットフォーム:Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4
- 発売元:3goo
- 開発元:stillalive studios
- 発売日:2024年5月16日発売
- ジャンル:シミュレーション
- 価格:5720円[税込]
- 対象年齢:CERO 全年齢対象、IARC 3歳以上対象
- 備考:Naconより『Garden Life: A Cozy Simulator』のタイトルでSteam、Xboxでも2月22日に発売