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『エンダーマグノリア: ブルームインザミスト』探索をじっくり楽しみたいメトロイドヴァニアファンにはとにかくたまらない、前作からさらなる進化を遂げた期待作【おすすめゲームレビュー】

byタワラ

更新
『エンダーマグノリア: ブルームインザミスト』探索をじっくり楽しみたいメトロイドヴァニアファンにはとにかくたまらない、前作からさらなる進化を遂げた期待作【おすすめゲームレビュー】
 ファミ通.comの編集者&ライターがGWのおすすめゲームをひたすら紹介する連載企画。今回取り扱う作品は、『エンダーマグノリア: ブルームインザミスト』です。

【こういう人におすすめ】
・前作
『エンダーリリーズ』を楽しめた人
・儚い雰囲気や幻想的な世界観が好き
・探索をじっくり楽しみたいメトロイドヴァニアファン
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タワラのおすすめゲーム

『エンダーマグノリア: ブルームインザミスト』

  • プラットフォーム:PC(Steam)、Nintendo Switch、プレイステーション4/5、Xbox Series X|S、Steam
  • 発売日:未定(2024年3月25日アーリーアクセス開始)
  • 発売元:Binary Haze Interactive
  • 開発元:Adglobe、Live Wire
  • ジャンル:アクションRPG
  • 価格:1980円[税込]

前作を踏襲しつつ進化した期待作

 『エンダーマグノリア: ブルームインザミスト』は、好評を得ている2Dアクションゲーム『ENDER LILIES: Quietus of the Knights(エンダーリリーズ)』の十数年後を描いたタイトルだ。前作は個人的にお気に入りで、「メトロイドヴァニアってやっぱりおもしろい」と思わせてくれたゲームだった。

 儚く幻想的なビジュアル、世界観やキャラクターの心情を描くような楽曲、そしてハードコアなアクション。それらすべての要素が合わさって高揚感を味わえるゲーム性で、とくにボス戦の盛り上がりと切なさは記憶を消してもう一度遊びたいほどに素晴らしかった。

 そんなゲームの次回作である
『エンダーマグノリア』は、アーリーアクセス時点でもかなり期待を持てる仕上がりになっている。前作のよいところは踏襲しつつ、新たなストーリー展開や、より磨きかかったアクションと、前作が好きな人なら間違いなく今作もハマるはずだ。

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 詳しい内容を紹介する前に、メトロイドヴァニア自体の魅力について触れておきたい。メトロイドヴァニアと呼ばれるジャンルのゲームは数多くあるが、
『エンダーマグノリア』も基本的な魅力は押さえている。

 複雑に入り組んだマップを探索してアイテムなどを集めつつ、ストーリーを進めボスを倒す。その過程で新たな能力や鍵を手に入れて、これまで進めなかった場所に行けるようになる(探索範囲が広がる)のが、メトロイドヴァニアの醍醐味だ。

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 壊せなかった壁や床を壊したり、水中に潜れるようになるなど、気になるけど行けなかった場所に進めるようになり、次第にマップが開拓されていくのがおもしろいところ。

 意外な場所がつながっていたり、スタート地点のすぐそばに重要な物や施設が隠されていたりすると、秘密を暴いている気持ちになりワクワクする。ゲーム終盤になってスタート地点に戻り、キーアイテムをゲットできたりすると絶妙なカタルシスを得られるのだ。

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 『エンダーマグノリア』の場合、アーリーアクセスなので探索できる範囲は限られていたが、それでも壊せない肉腫など、後々の展開を期待させる気になるポイントが随所に用意されていた。

 気になる場所に進めないもどかしさと、新たな能力を手に入れて道が開けていく解放感。メトロイドヴァニアでしか得られない体験はしっかりと味わえそうなので、アーリーアクセス時点でかなりの期待を持てた。

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スチームパンクな世界観と前作とは異なるテイストのストーリー

 『エンダーマグノリア』は前作から十数年後ということで、主人公はライラックに変わり、舞台も煙の国という新たな場所になっている。煙の国では人工生命のホムンクルスが暴走し、国内は荒れ果てた状態。生き残った人間も、ホムンクルスの豹変に怯えながら隠れ住んでいる。

 朽ち果てた風景や儚い雰囲気など、ビジュアル面の魅力は前作から受け継がれており、楽曲も音楽制作集団のMiliが続投。探索中にステージの雰囲気に合ったBGMが流れるため、より世界観に没入できる。

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今回は記憶を失った少女ライラックが主人公。
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暴走状態になっていたり、傷ついたホムンクルスを救うのがライラックの役目。

 全体的な雰囲気は前作に近しいが、
『エンダーリリーズ』が王道のダークファンタジーだとすれば、今作はスチームパンクなテイストになっている。いまにも壊れそうな状態のまま動き続けるホムンクルスや、地下に隠れ潜んで暮らしている人々など、ディストピアな雰囲気満載だ。

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 そして今作は生存者が多く存在し、街が残っているのも特徴と言えるだろう。前作は生存者との交流のない旅だったが、今回は街でショップを利用したりと、会話ができる機会が多い。

 残された手記(TIPS)だけでなく、会話によって現在の状況を知れたり、煙の国に住む人間たちの考えかたを理解できるので、探索する場所への理解も深まっていく。知り合いが増えるとそれはそれで、後々酷い目にあいそうな不安はあるのだが……。

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 また、暴走状態になっていたボスを倒した後、生き残った状態で仲間になってくれるのも前作とは異なる展開だ。倒したボスに触れることで過去を知れるのは同じだが、生き残って協力してくれるため、ストーリーが進むほど賑やかになっていく。

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 『エンダーマグノリア』は前作の雰囲気や魅力は踏襲しつつ、また違ったストーリーの展開を見せてくれる。残された手記などから不穏な空気も漂っているが、どのような結末を迎えることになるのか。

 アーリーアクセスでは序盤しか遊べなかったが、今後仲間が増えることでどのような展開になっていくのかが楽しみだ。

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高難度なアクションや味方の力を借りるシステムは健在!

 『エンダー』シリーズはかわいい少女が主人公な割に、アクションの難易度が高いのも特徴のひとつとなっている。

 個人的には緊張感のあるハードアクションが好みだが、アクションは苦手という人でも、今作は難易度を調整できるようなのでよりオススメしやすくなった。アーリーアクセス時点では選択できないが、簡単な難易度も用意されるようなので、ストーリー重視で楽しみたい人も問題なくプレイできるだろう。

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 そんな本作のバトルシステムは、最大4人のスキルを駆使して戦っていくスタイル。主人公自身は攻撃手段を持たず、味方の力をセットすることで、攻撃をくり出していく。

 基本の攻撃は最初に仲間になってくれるノラが担当し、剣による連撃を使用できる。ホムンクルスということで剣を振ったときは心地いい金属音が響き、スチームパンク感漂う剣戟だ。

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スキル使用時はキャラが出現して攻撃してくれる。

 主人公自身は回避行動やジャンプをしつつ、適時スキルを使って攻撃していく形だ。

 回避には長めの無敵時間が設定されており、タイミングよく回避を使えば大抵の攻撃は避けられる。動きさえ見切ってしまえばボス戦でもノーダメージを維持できるため、経験を積むほど攻略は楽になっていく。

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フレーム回避になれている人なら初見で対処できる攻撃も多い。

 使用できるスキルはボスを倒すことで増えていき、その種類もさまざま。ノラの攻撃は無制限に使用できるが、ほかのスキルについては一度使用するとクールタイムが発生する。前作ではスキルに使用回数の制限があったが、本作の場合は回数制限はナシ。

 また、ノラの攻撃を行いつつほかのスキルを発動することもでき、2~3スキルでの同時攻撃なども可能だ。アーリーアクセス時点で中距離への突進、遠距離への弾丸発射など幅広いスキルが揃っており、早い段階で戦いやすくなった。

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 前作と大きく異なる点として、今回スキルとして獲得できるのはメインで戦うボスのみ。道中出会ういわゆる中ボスを撃破してもスキルは得られない。

 その代わり、1キャラにつき確認できる限りで3つまでスキルが用意されており、これらを解放することで使える技を増やしていける。なお、スキル解放にはアイテムが必要だが、このアイテムは探索してゲットしたり、道中出会うボスを倒すことでゲットできた。

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解放したスキルのうち、どれを使うかは自由にカスタマイズ可能。

 基本の攻撃となるノラも、剣だけでなく重々しい斧による攻撃スキルに変更できた。どのスキルも強力なので、好みのアクションだったり、攻略するボスによって適時切り換えていくことになるだろう。スキルの中には敵の怯みを狙いやすいものや、当たれば凍らせて動きを封じるものもあるため、スキルどうしのシナジーを考えて選択してもおもしろいかもしれない。

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 これらのアクションを駆使して道中の敵を撃破していくのだが、やはりいちばん盛り上がるのはボス戦だ。

 前述した通り本作の回避アクションは無敵時間が長めに設定されており、攻撃を避けること自体はさほど難しくない。一方で耐久力は低く、耐えられる攻撃は3~4発が限度。探索でHPがアップするアイテムなどは拾えるが、それでも耐えられる攻撃には限りがある。

 回避が強いぶん一発が致命傷になり得るというバランスで、一瞬たりとも油断できない緊張感のあるバトルになるのだ。負けると非常に悔しいが、ひとつずつ敵のモーションを覚えていき、回避できるようになって撃破したときの達成感も大きい。

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 また、今作でもボスを追い込むとBGMが変化する仕組みは健在。筆者はボスを追い込んだり、形態変化でBGMが変わる演出が大好物なので、今作もボス戦は強い高揚感を得られた。

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BGMが変わると同時に、これまで使ってこなかった技も使用してくるように。”ここからが本番”感が最高。

 道中の探索も隠し通路やアイテムなどが豊富に用意されており、じっくり遊べば遊ぶほど強くなり、収集品も増えていくメトロイドヴァニアの楽しさも盛り込まれている。

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 また、今作ではマテリアルというアイテムを集めることで新たな装備をクラフトできるなど、くり返し探索する旨みも増えた。クラフトがどの程度のやり込み要素になるかはわからないが、装備のカスタマイズにもさらに幅が出せることに期待したい。

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 総括して
『エンダーリリーズ』の魅力はそのままに、ストーリーでは新たな一面が加わり、アクションも変化を遂げた正統な続編といった仕上がりになっている『エンダーマグノリア』。前作ファンであれば間違いなく楽しめるし、メトロイドヴァニア好きにも強くオススメしたい作品だ。

 現時点ではアーリーアクセスなので、興味のある人はプレイできる範囲まで楽しみつつ、もし前作未プレイであれば発売前に
『エンダーリリーズ』も遊んでみてほしい。

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