2017年9月21日から9月24日まで、千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ2017。インディーゲームコーナー出展タイトルの中で、PLAYISMが日本語版の販売を予定している国外デベロッパータイトル2作品の開発者に話を聞いた。

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2064: Read Only Memories

 『2064: Read Only Memories』は、古典的名作への愛に溢れたクリックアドベンチャーだ。癖になる“ウザカワ”マスコット・チューリングら、個性的なキャラクターが織りなすミステリーが、全世界で好評を博している。日本語ローカライズ版がPLAYSMの協力で発売される運びとなった。以下は、開発を担当したMidBossのおふたりへのミニインタビューだ。

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――ネタバレが難しいクリックアドベンチャーというジャンルには酷な質問かもしれませんが、本作の見どころを教えていただけますか?

MidBoss あまり多くは語れませんが(笑)、身近な謎から始まった物語が、世界の命運をかけた大事件に展開していくストーリーは、日本のユーザーにも受け入れていただける自信があります。

ーーたしかに王道でありながら、何歳になってもワクワクしてしまうテーマですね! すでにに英語版をプレイしたユーザーからは、キャラクターの人気も高いようです。

MidBoss そうですね。キャラクターは特に力を入れた部分です。物語を作る際には、いかに彼らを魅力的に描けるかに全力を尽くしました。

ーーそうしたキャラクターにかける情熱には、何か理由があるのでしょうか。

MidBoss 私たちがこの作品を作った根底には、「差別をなくしたい」という想いがあります。登場人物の多くは、性愛の対象、心身の障害、様々な面で、世間一般の“普通”とは少し異なるパーソナリティを抱えています。プロパガンダ的に「差別は良くない!」と説教臭く訴えるのは簡単ですが、魅力的なキャラクターを好きになってもらう中で、個性のひとつとして理解してもらうという流れのほうが自然かと思うのです。と、まあこれは“裏話”ですので(笑)、ゲームを遊ぶ際には物語にただただ没頭してほしいです!

『2064: Read Only Memories』公式サイト

※[9月29日11:00分修正]「インディーゲームのローカライズで“日本語ボイス付き”というのはあまり前例のない試みですよね。」という記載に誤りがあったため、修正いたしました。読者並びに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。

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返校 Detention

 『返校 Detention』は、1960年代の台湾を舞台にしたホラーゲーム。
 実際の台湾の歴史をもとにしており、夜の学校が持つ不気味さと、残酷な物語を十分に堪能できる。セピアを基調にしたノスタルジックなビジュアルは、“死”のシーンにすら儚げな美しさを感るかもしれない。以下は、開発を担当したRed CandleGames(赤燭遊戲)へのミニインタビュー。

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ーーみなさんの出身地である台湾を舞台にした本作ですが、なぜホラーゲームにしようと考えたのでしょうか。

赤燭遊戲 我々が伝えたかったのは、“台湾の歴史”です。1960年代の台湾は、統治権が日本から中国に渡り、混乱と成長を極めた時代です。激動の時代に隠れた残酷な事実を表現するにあたり、ホラーという表現が最適だと考えました。

ーーなるほど、ゲーム中にも、時代に即した新聞の切り抜きが印象的に登場しますね。

赤燭遊戲 そうですね。じつは、セピアを貴重としたビジュアルデザインも、歴史的な資料にインスパイアを受けたものです。ただし、メッセージ性がゲーム性を邪魔しないように最大限の配慮をしているので、そこは安心してください。

ーーホラーゲームとしての出来はいかがですか?

赤燭遊戲 アクションや謎解きもアクセント的に取り入れていますが、基本的にはだれでもクリアしていただけるような難易度です。しだいに緊張感を増す残酷な物語と、夜の学校に漂う儚く美しい空気感を、心ゆくまで味わってほしいです。

『返校 Detention』公式サイト

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