すごい気さくなクールビューティでした
映画「バイオハザード」シリーズのブルーレイ&DVDの発売を記念したイベント“バイオハザードフェスティバル”に合わせて来日した、ジル・バレンタイン役の女優シエンナ・ギロリーへのインタビューをお届けする。世界を飛び交った、「バイオハザードV リトリビューション」で彼女がジル役から降板するのではないかという噂の真相から、タフな女性が活躍しまくる撮影現場の様子まで、いろいろ聞いてみたぞ。
――「バイオハザードV リトリビューション」で、当初あなたがジルを演じないのではないかという噂がありました。その後、制作陣とお話された結果そうではなくなり、今こうしてジル役としてお会いしているわけですが、一体どういった話がされたのですか?
シエンナ 当時、私が双子を出産したばかりで、撮影時期がいつ頃になるか、そこまでに復帰できるかという問題があったんです。なぜならご存知の通り、ジルの役を演じるには、ピタッとしたスーツを着てアクションしなければならないから(笑)。横にはミラ(・ジョヴォヴィッチ)がいるし、尚更それなりのスタイルに戻さなければいけないので。でも、撮影時期が少し伸びれば大丈夫だと思ったので、相談させて頂いたんです。
――ではその後、トレーニングしたんですね。
シエンナ そう! 映画「モータルコンバット」にも出ていたマーシャルアーツのプロ、ロビン・ショウにトレーナーとしてついてもらってトレーニングしたの。思いっきりしごかれたわ。彼のトレーニングはとても早くシェイプアップできるの。それで体を戻して撮影に挑んだんです。
――ミラ・ジョヴォヴィッチ、ミシェル・ロドリゲスという、世界で最高クラスにタフな(役を演じる)女性2人がいる、すごい撮影現場だったと思うのですが、今回ジルとして棒のような武器を持って彼女たちと同じ画面で戦わなければいけなかったわけですよね。大変だったのでは?
シエンナ えぇ、でも楽しかったです。簡単なことではありませんが、私にそれだけの演技ができると思って起用して頂いているわけですから、その信頼に対して自分も全力で応えたいと思いました。
それと、ファンのジルに対する期待にも応えたかったんです。私はジルというキャラクターがとても好きです。もし自分のためだけだったら、ここまで頑張れなかったと思います。「ファンに変なジルは見せられない」という思いで頑張りました。
――戦う女性がとてもたくさん出てくる映画ですが、普通の撮影現場とは違った雰囲気がありましたか?
シエンナ とても活力がある撮影現場でしたね。みんなの間に、「いかに女性が強いか見せましょう!」っていう仲間意識のような一致団結した空気がありました。私たちは力を蓄えてきた、という部分を見せようという部分でみんなが結ばれていて、とてもパワーがあふれていました。
――今回のジルの役は、洗脳かなにかをされているという、以前演じられた時とはかなり違う役柄だと思うのですが、でも同じキャラクターではあるわけだし、そこの演じ分けの部分はどうされましたか?
シエンナ そこはファンに助けてもらいました。ツイッターで「あなたにとってのジルはどんな感じ? 好きな場面はなに?」って聞いたら、みんなが映像を送ってくれたりして、そこから秘めた怒り、葛藤といったものが伝わってきたんです。なので今回の演技はファンとのコラボレーションでもあると思います。サポートしてくれるファンがいて、大変ありがたいですね。
――3D立体視に対応していたり、CGが使われている部分も多いと思うのですが、普通の演技と比較して、難しい部分などはありましたか?
シエンナ それは余りないです。3D立体視ですが、最近の技術であれば、ものすごく奥行き感を強調することもできるし、自然な奥行き感を出すこともできますよね。後者の場合は演技にもプラスになると思っています。
そういった意味では、ドラマ性の高い作品に、もっと3D立体視が使われるようになったら、それはそれでもっと面白いのではないかと思っています。極端な例だと、たとえばスコセッシ監督がカメラテクニックを3Dで発揮したらどんな絵作りになるのか? そういったことにとても興味があります。「グッドフェローズ」でやったようなことを3Dでやったらどんな作品になるんでしょう? そう考えるとこれからが楽しみです。
――実際に演技をしている時と、合成後の画面とでは結構違うと思うのですが、それを見た時の感想などは?
シエンナ いまは、特にこういった大きな予算の作品では、演技した後でCGを組み込んでみてどういう仕上がりになっているか確認して、チェックしながら撮影を進めていくことができるんです。それで大分映像の完成図の予想がつくので、昔と比べるとそこまで驚きはないです。
それよりも私は、体をトレーニングして整えて、シーンに挑んで、思いっきり演技ができた時の充足感が好きなんです。ドラマ作品だと「あの時ああしておけばよかった」と後悔することも多いのですが、(アクション映画では)要求された動きがちゃんとできたか、できていないかは、比較的はっきりしているじゃないですか。だからバシッと決まった時はとにかく気持ちがいいですね。
――では最後に日本のファンにメッセージを。
シエンナ 本当にファンの皆さんに感謝したいです。ジルは私も好きですし、皆さんも愛着を持っている。それが本当にうれしいですし、心から御礼を言いたいと思います。
いかがだったろうか? なお、「バイオハザードV リトリビューション」は、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントより、ブルーレイ、3D ブルーレイ、DVDなど各種フォーマットでパッケージが発売中。迫力のアクションを体感しよう。