開発プロデューサーみずから、『ロックスミス2014』の魅力をアピール
ユービーアイソフトから、2013年11月7日発売予定のプレイステーション3/Xbox 360用ソフト『ロックスミス2014』。本作の開発指揮を取ったエグゼクティブ・プロデューサーの肥後直巳氏、プロデューサーのジェイソン・シュローダー氏によるプレゼンが行われたので、早速お届けしよう。
前作『ロックスミス』の発売から1年、数々のパワーアップを遂げて発売される『ロックスミス2014』。肥後氏やシュローダー氏の所属する、サンフランシスコの開発チームは2年間かけて制作。前作は、全世界で150万本を売り上げたが、開発チームとして感じていたことや反省点を含め、イチから作り直したのが本作『ロックスミス2014』だ。
まず、メニュー画面はユーザーからのフィードバックを参考に、コントローラだけで行うように改良された。また、つぎに意識した点としては、曲を弾くモード以外でも、ギターを弾けば音が出るように注意したとのことだ。また、前作で開発チームとしてのいちばんの反省点だったローディングの長さは、その反省を生かし、ロード時間ほぼゼロを実現。快適なギタープレイをストレスなく楽しむことができるのだ。
◆ラーン・ア・ソング
本作のメインモードといえるこのモード。曲選択画面では、曲名順やアーティスト名順はもちろん、プレイ回数や難易度など自由にソートできる。プレイできる曲は、新旧邦楽+洋楽の名曲が最初から50曲以上!
最初に“オススメ”してくれる楽曲は、プレイヤーのレベルに合わせたギター上達のために、本作がオススメする順番なのだが、もちろん好きな曲から演奏してオーケー。また、選んだ曲でどんな練習すればいいのかを表示する“ROCKSMITHレコメンド”というシステムも、ユーザーからのフィードバックを受けてのものだそうだ。この“ROCKSMITHレコメンド”に沿って練習するのが効率的。また、“ROCKSMITHレコメンド”は、プレイした結果に併せて内容が変わっていく。
譜面どおりに弾けると、難易度が上がっていく仕様は本作でも同じだが、その上昇の仕方も初心者なら緩やかに、上級者なら速く上昇するようにできる。また、細かい部分だが、フレット番号が表示されるなどの改良も行われ、分かりやすく、かつ煩雑にならないように配慮されているのだ。肥後氏によると「本作のフレット表示に慣れたあとに、前作に戻ってプレイすると、相当戸惑うはずです。そのくらいの差があります」とのことだ。
ユーザーからのフィードバックが多かった“リフ・リピーター”は大きく改善された。本作では、曲を止めてすぐにセッティング可能になり、難易度、スピード、反復回数など、自分が練習したいように設定できるようになった。また、設定している最中にもデータが反映されるので、それを見ながら調整することも可能だ。
先ほどの“ROCKSMITHレコメンド”と、苦手なパートをくり返し練習できる“リフ・リピーター”を併せれば、ストレスなく、確実に上達していくだろう。
◆セッションモード
本作の目標のひとつである、“ギターを弾ける人がさらにレベルアップする”ために搭載された新機能。前作の目標が「ギタリストを作ろう」だったのに対し、本作の目標は「ミュージシャンを作ろう」。このモードでは、どうすればミュージシャンになれるかを考えたときに、まずはほかのミュージシャンとプレイできるようにならなければいけないという発想からできたモード。
そして、このモードに最初に入れようと思ったのはドラムだったそう。最初は、ドラムキットに毛の生えたようなものかもしれないが、本作の“ドラマー”は、プレイヤーが演奏するまで待っているし、演奏のテンポに合わせてリズムを刻んでくれる。ふつうは、用意されたドラムにプレイヤーが合わせるわけで、こんなドラムキットはいままでなかっただろう。開発スタッフとしては、これ機能だけでも十分に満足だったが、さらにおもしろくするために、ほかの楽器を入れることになった。ドラム同様、そういったものはいままでなかったので、相当試行錯誤しながら制作したそうだ。
さまざまなセッティングで楽しめる本格仕様のこのモード。なかでも“バンドレベル”というのは、どれだけ複雑にバンドが演奏していくかというもので、もっとも複雑な“プログレッシヴ”になると、バンドがさまざまな変更を指定してくるという。言わば、その場のノリに合わせて「つぎのフレーズからコードを変えよう」といった具合に、本当にミュージシャンとセッションしているような醍醐味を味わえるはずだ。
◆レッスン
前作は30個だったレッスン。フィードバックとして、初心者はもっと初歩のもの(本作では“ストラップの取り付け方”や“ギターの持ち方”などがある)、上級者用にはもっと専門的なものを収録することになり、本作では80個ものレッスンを収録している。それぞれ動画で説明したり、実際に演奏することで身につけることができる。もし上級者レベルのレッスンをクリアーできれば、ミュージシャンとしても相当の実力といえるはずだ。もちろん、80個のレッスンは最初からすべて実践可能。
本当の初心者なら、まずはこの“レッスン”から少しずつ学んでいったほうが、いきなり曲を弾くより、上達が早いかもしれない。
◆GUITARCADE
前作にもあったが、ミニゲームをプレイしながら自然とギターテクニックを身につけられるこのモードもパワーアップ。フレットを瞬時に判断させるものや、ピッキングの強弱で自機を操作するものなど、レトロゲームをイメージしたものばかり、10のミニゲームをプレイすることができる。さらに、“スコアアタック”モードは、通常の曲を弾いて、カラオケで点数を競うような感覚でスコアを競うモード。ミスの回数などでゲームオーバーがある。
肥後「前作では、有志がネットで独自にランキングを競っていたのを見て、やはりゲーム中で反映できるようにするべきという考えから、“スコアアタック”を実装することになりました。失敗しながらも、弾きかたを覚えていく“ラーン・ア・ソング”とは、言わば正反対の性格の楽しみかたと言えるかもしれないですね」
ロックスミス2014 東京ゲームショウトレーラー 60秒Ver.
さらなる完成形を目指す『ロックスミス』シリーズの未来
プレゼン終了後、肥後・シュローダー両氏にインタビューする機会を得た。先日の“UBIDAY2013”のステージイベントで、スーパーベーシスト・KenKen(RIZE)をして、「プロでも学べる『ロックスミス2014』」を言わしめた完成度を誇る本作が目指す未来とは?
--初心者はもちろん、上級者にも配慮された印象です。また、前作の成功を受け、本作はどういったコンセプトで開発されたのでしょうか?
ジェイソン・シュローダー氏(以下、シュローダー) 前作の開発終了後、次回作を作るならどういったものにするか話し合いました。まず考えたのは、“最高のギターを作るツール”作りたいということでした。すべての要素が入った、完璧なギター・ラーニング・ツール。そこで、セッションモードの搭載や、レッスンやラーン・ア・ソングなど、すべてを強化する必要があると考えました。
--ユーザーからのフィードバックはたくさんあったと思いますが、とくに印象的なものはどんな意見でしたか?
シュローダー いちばん驚いたのは、“リフ・リピーター”に対する反応の多さでした。どちらかというと、おまけ要素として入れたものだったのですが、まず“リフ・リピーター”からプレイするというユーザーが多かったのに驚きました。そこで、本作では、すぐに“リフ・リピーター”の画面が出るようにしました。
--『ロックスミス』の今後についてはどんな展望をお持ちですか?
シュローダー プロデューサーとしては、答えづらいですね(笑)。
肥後直巳氏(以下、肥後) では、代わりに(笑)。ユービーアイソフトとしては、『ロックスミス』はシリーズタイトルとして考えています。これからどのように展開していくかはつねに考えていますし、今後ほかの楽器にチャレンジすることもぜひやってみたいです。本作でしっかりできたと思う部分はもちろん、やり切れなかった部分も当然ありますし、さらにつぎのレベルに持っていくアイデアもたくさんあります。まず本作を成功させてから、今後もやっていきたいです。
--“2014”とついていますしね。
肥後 ただ、つぎが“2015”になるかどうかは、まだわかりません(笑)。しっかりしたものを作って、さらにユーザーの方を驚かせたいですね。
--では、最後にメッセージをお願いします。
シュローダー いろいろなユーザーに遊んでもらって、その感想を聞きたいです。前作では、ネット上の動画やTwitterなどのコメントで、ユーザーの方が徐々に上達していく過程を知ることができて、とてもうれしかったんです。本作でもそういった感想を聞きたいし、私たちが驚くようなフィードバックをもらって、それを次回作に活かしたいと思っています。いろいろなコメントをお待ちしています。本作では、邦楽もたくさん収録&DLCでプレイできます。それについてのフィードバックもいただきたいですね。
肥後 本作は開発チームが2年間、力を込めて作ってきました。前作と比べものにならないくらい改善していますので、前作を遊んでくれた人はもちろんですが、ゲームを越えたツールだと思っているので、「こんなふうにギターを覚えることができるんだ」という体験をしてもらいたいです。DLCは毎週配信予定ですし、邦楽は2週に一度配信されると思います。こちらも楽しみにしていてください。
--来年の“UBIDAY”はKenKenさんとセッションですね?(笑)
肥後 が、がんばります(笑)。