平均で一番F2Pにお金を使う年齢と性別、わかりますか?

 2013年11月5日にロサンゼルスで開幕したGDC Nextから、F2P(基本プレイ無料)ゲームの使用額など、気になるリサーチの内容をお届けする。
 “Should I Pay or Should I Go? Consumer Attitudes on F2P and Alternative Payments”と題された講演では、1年間かけて13~54歳のアメリカ人を対象に行われたオンライン世論調査から、消費者がF2P(基本プレイ無料)ゲームをどう捉え、支払いを行っているかが明かされた。

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▲発表を行ったのは、リサーチを行ったマーケティング会社Frank N. Magid AssociatesのRobert Crawford氏(左)と、VISAのゲーム向け決済部門PlaySpanのAndre Machica氏(右)。

 講演では、まず“ゲーマー人口”が、男女問わず幅広い年齢層に広がっており、ゲームが大衆化していると解説。これはもちろん“アメリカのゲーム”として連想しがちな『コール オブ デューティ』のようなコンソール(家庭用ゲーム機)やPCのハードコアゲームだけでなく、カジュアルゲームなども含んでの話だ。

 では肝心のF2Pについてはと言うと、旧来型のパッケージソフトや月額のゲームよりF2Pをより好むとした人は77%にも及び、アメリカの人口にしてみると、実に1億1000万人がF2Pを好むという計算になるという。
 また、アメリカのバーチャルアイテムの市場は30億ドルとなることにも触れ、マーケットの中心はF2Pにシフトしてきていると述べていた。

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▲人口分布。以前の調査ではゲーマーは消費者全体の60%だったが、現在は80%に。男女問わず幅広い層に“ゲーマー”がいる。
▲「F2PとP2P(ここでは従来型のプレイが有料なモデルを意味する)、どちらを多くプレイするか?」という質問では、F2Pが圧倒的。
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▲クレジットカードやデビットカード以外、プリペイドカードなどの決済手段への反応。プリペイドカードの満足度が意外にも高い。
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 では、F2Pでお金を使うのは誰なのか? ここでまずリサーチ結果から、男女の好むプラットフォームとジャンルの違いが示された。男性がコンソール(家庭用ゲーム機)を支持し、女性はモバイルデバイス寄り、男性が好むジャンルはハードコアなものが多く、女性はカジュアルゲームやソーシャルゲーム……といった感じ。

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▲コンソールは圧倒的に男性が、モバイルデバイスは女性が“もっともゲームをするプラットフォーム”として選択。
▲ジャンルの好みにも当然バラつきが。

 となると男性がコンソールやPCでゲームを買っているのに対し、女性がモバイルデバイスでカジュアルゲームやソーシャルゲームのアイテムを買っているということになりそうだが、金額の分布となるとまた違う。
 男女合わせた全体で、月に使った金額が平均して多いのは、18歳~24歳(17ドル43セント)で、次に13歳~17歳(12ドル85セント)が続く。そして18歳から24歳の中で、さらに男女に分けてみると……男性が30ドル54セントで、女性は3ドル95セントとなり、金額だけで見ていくと、若い男性が金額を引き上げている形になるのだ。

 講演の中では使用対象のタイトルは明かされなかったが、これはMOBA系のタイトルやMMOなど、いわゆるハードコアF2Pのタイトルの流行が影響しているのかもしれない。女性の金額の少なさについては、質疑応答で「お金を使っていると答えたくない女性もいるのでは」との推測も出ていた。

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▲「先月F2Pにいくら使った?」という質問に対する回答では、24歳以下の特に男性が数字を牽引しているという結果が。
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▲35%のゲーマーがバーチャルアイテムを購入しているとのこと。
▲コンソールでもF2Pは増えてきている、という話。

 全体を平均したひとりあたりの月額使用金額では、F2Pが月9.15ドルであるのに対して、旧来のP2Pモデル(くり返しになるが、ここでは従来型のプレイが有料なモデルを意味する)では月28.86ドル。ちなみに、仮にF2Pの平均が17ドルまで伸びると、年間収入でP2Pを超えるとか。

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▲P2Pプレイヤーの約6割が「F2Pよりいいゲーム体験ができる」と考えている一方、F2Pプレイヤーの半数が「F2Pも同じぐらいいい」と考えている。また、46%のF2Pプレイヤーは何も払わない。これらは、F2Pの今後の課題でもある。
▲今後の展望。F2Pプレイヤーの平均使用額が現在の9ドルから17ドルまで伸びれば、年間収入でP2Pを超える。