まずはFPS用としての手触りをチェック

 2013年11月7日、周辺機器メーカーのホリから、“ストライクギア”が発売された。この商品は、ホリのFPS(一人称視点シューティング)向け周辺機器である“ギア”シリーズの最新作。ホリの技術がいたるところに詰まったコントローラーとなっている。今回は、週刊ファミ通編集部の北口徒歩2分が、“ストライクギア”を使ってみました!

ホリのFPS用パッドはFPS以外でも活躍!? “ストライクギア”インプレッション_01
ホリのFPS用パッドはFPS以外でも活躍!? “ストライクギア”インプレッション_02
FPSパッド3 ストライクギア
プレイステーション3/ホリ/2013年11月7日発売/4980円[税込]
FPSパッドEX ストライクギア
Xbox 360/ホリ/2013年11月7日発売/4980円[税込]

 まずは、このストライクギアの特徴をおさらいしておきましょう。最大の見どころは、なんと言ってもL1/R1(LT/RT)の手前に設けられたFL/FRボタンでしょう。このFLとFRボタンには、ほかのボタンの機能を割り当てることができます。たとえば、FRボタンに□ボタン(Xボタン)の機能を持たせる、といったことが可能になるわけです。これは、左スティックで移動、右スティックで視点変更を行うという操作が多いFPSにおいて、非常に有効。ボタンを人差し指や中指で押せるようになるため、両手の親指をスティックにかけたまま操作できるようになり、動作のスキがなくなるのです。また、プレイステーション3用ではL1、L2、R1、R2の4つ、Xbox 360版ではRTとLTにも、ほかのボタンの機能を割り当てられるので、自分の好みに合わせたカスタマイズが可能となっています。
 もうひとつのウリは、ターゲットボタン機能。これは、コントローラーの背面にあるターゲットボタンを押しているあいだは、右スティックの感度が下がるという機能で、スナイパーライフルを構えたときなど、細かい動きをしたいときに使う機能ですね。さらに、左右スティックの感度を10段階で調整できるなど、スティックに関しては、かなりこだわって作られているのがわかります。

ホリのFPS用パッドはFPS以外でも活躍!? “ストライクギア”インプレッション_03
ホリのFPS用パッドはFPS以外でも活躍!? “ストライクギア”インプレッション_04
▲背面にあるターゲットボタン。
▲FLボタンはL1の手前に。

 さて、ここからが本題です。「じゃあ、実際にフィーリングはどうなの?」という話。コントローラーを選ぶ際には、上のような機能がついていることはもちろんプラスですが、持ちやすさや操作のしやすさという点も、それと同じくらい重要になります。で、このFPSパッド、じつは旧モデルにあたる“アサルトパッド”も存在しているんです。アサルトパッドにもいろいろと便利な機能はついていたのですが、肝心のフィーリングのほうが、ぶっちゃけかなり微妙だったんですよ。たとえば、スティックの感度を取ると、とにかく硬い。しかも、硬いだけならいいんですが、少しずつスティックを傾けていくと、一気にスティックが倒れるポイントがあったりして、お世辞にも使いやすいとは言いにくかったんですね。
 でも、今回のストライクギアでは、そのあたりが非常に改善されています。プレイステーション3やXbox 360の純正コントローラーと比較しても、遜色ないレベルと言えるでしょう。また、コントローラーの形自体も、アサルトパッドのゴツゴツした形状から、丸みを帯びたフォルムに変わって、持ちやすくなりました。□ボタン(Xボタン)や△ボタン(Yボタン)は、押したときに若干ポコポコした感じがあるものの、満足度は高いです。プレイステーション3のデュアルショック3が5500円[税込]、Xbox 360のコントローラーが4725円[税込]という値段を考えると、お買い得度はかなりのものではないでしょうか。両方の純正コントローラーは無線でこちらは有線ですが、その代わりにいくつも便利な機能がついていますし。

ほかのゲームで使ってみよう

 FPS向けをうたっているこちらのストライクギアですが、もしかしたらほかのゲームでも活躍できるんじゃないかと思い、試してみました。使用したゲームは、『スーパーストリートファイターIV アーケードエディション』です。対戦格闘ゲームはアーケードスティックでプレイする人が多いでしょうし、自分もそうなのですが、コントローラー勢もけっこういると思うので、そんな方にどうかなと思ったんですね。で、実際にやってみたワケですが……これ、意外とアリです!
 僕はデュアルショック3十字ボタンだと、なかなか波動拳(十字ボタンを下、右下、右と入力してパンチボタンを押す)が安定して出せません。それはXbox 360の純正コントローラーでも同じで、十字ボタンの形状がどうにもしっくり来ないんですね。でもストライクパッドの十字ボタンならばかなり押しやすく、安定して波動拳が出せます。昇龍拳→EXセービング→前ダッシュ→滅・波動拳という定番のコンボもらくらく出せました。

ホリのFPS用パッドはFPS以外でも活躍!? “ストライクギア”インプレッション_05
ホリのFPS用パッドはFPS以外でも活躍!? “ストライクギア”インプレッション_06
ホリのFPS用パッドはFPS以外でも活躍!? “ストライクギア”インプレッション_07
ホリのFPS用パッドはFPS以外でも活躍!? “ストライクギア”インプレッション_08
▲セビ滅もこの通り!

 十字ボタンと左スティックを使い分けられるのもポイントで、スクリューパイルドライバーのようにレバーを1回転させるときは、左スティックで操作すると簡単に出せます。アナログスティックは十字ボタンに比べて回しやすいので、十字ボタン2回転の入力がめちゃくちゃ苦手な自分でも、セービングアタック→アルティメットアトミックバスター(十字ボタン2回転+パンチボタン3つ)というコンボが出せました。ちなみに、アーケードスティックを使っていたときも含めて、人生で初です。一応『スーパーストリートファイターIV』のころはPP4800まで行ったんですが、手が不器用なんですよね。

ホリのFPS用パッドはFPS以外でも活躍!? “ストライクギア”インプレッション_09
▲アルティメットアトミックバスター!

 また、FLとFRに好きなボタンを割り振れるという機能も、有効に活用できます。たとえばコーディーを使っているときなどがそうで、FLボタンに中パンチ(△ボタン(Yボタン)に中パンチを設定し、FLボタンに△ボタン(Yボタン)の機能を持たせる)、L1ボタンに強パンチを設定すると、左手の人差し指と中指でそのふたつのボタンを押し続けることで、EXゾンクナックルを溜められます。立ち回りの中にEXゾンクナックルを組み込みやすくなるんです。もしかすると、「パンチボタン3つ押しのボタンをどこかに作り、それを押し続けても溜められるじゃないか」という意見もあるかもしれませんが、それだと、溜めているあいだにパンチボタンが押せません。でも、中パンチと強パンチで溜めている状態なら、弱パンチは押せるので、しゃがみ弱パンチ→しゃがみ弱パンチ→しゃがみ弱キック→クリミナルアッパーといったコンボができるんです! これは一例ですが、ボタンの割り振りを活用することで、便利になる局面はもっとたくさんあるでしょう。

ホリのFPS用パッドはFPS以外でも活躍!? “ストライクギア”インプレッション_10
▲ほかのキャラクターでも使える局面があるかも。

FPSをプレイしていない人でも役立つ!

 というわけで、使用感について書き連ねてきましたが、コントローラーの買い足しを考えている人ならば、ぜひ購入を検討してもいい逸品だと思います。FPSユーザーに便利なコントローラーであることはもちろん、ボタンの割り当て機能はほかのゲームにも幅広く活用できますし、純正のコントローラーと比較しても、性能に遜色はありません。ホリのいままでのコントローラーの中でも、間違いなく最高級と言えます。ぜひそのフィーリングを味わってみてください!

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