豪華ゲストが『機動戦士ガンダムUC』への思いを語る!

 2014年5月17日(土)、『機動戦士ガンダムUC episode 7「虹の彼方に」』の上映がスタートした。『機動戦士ガンダムUC episode 7「虹の彼方に」』は、福井晴敏氏による小説『機動戦士ガンダムUC』が原作のアニメ。2010年に1作目が作成され、完結編となる今作『episode 7「虹の彼方に」』は、2014年5月17日(土)~6月13日(金)の4週間限定で、全国35館にてイベント上映される。

池田秀一さんも思わず涙! 『機動戦士ガンダムUC episode 7「虹の彼方に」』初日舞台挨拶リポート_01
池田秀一さんも思わず涙! 『機動戦士ガンダムUC episode 7「虹の彼方に」』初日舞台挨拶リポート_02

 その上映初日となる5月17日、新宿ピカデリーにて初日舞台挨拶イベントが開催。その模様をリポートしよう。ちなみに、前日に開催された前夜祭の模様は【コチラ】。合わせてご覧いただきたい。

 舞台挨拶には、ゲストとしてバナージ・リンクス役の内山昂輝さん、ミネバ・ザビ役の藤村歩さん、フル・フロンタル役の池田秀一さん、リディ・マーセナス役の浪川大輔さん、監督の古橋一浩さん、ストーリーの福井晴敏さんが登壇。またスペシャルゲストとしてララァ・スン役でおなじみの潘恵子さんも登場した。

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▲豪華ゲストが登場、本作への思いを語った。左より、古橋一浩さん、浪川大輔さん、藤村歩さん、内山昂輝さん、池田秀一さん、潘恵子さん、福井晴敏さん。

 最初の質問は、「episode 1から4年、最終章を迎えた気持ちについて」。福井さんは「私の場合は原作小説も含めると、まるまる8年。当時は生まれていなかった息子も小学二年生になり、とても長い時間がかかってしまいました。ひとつのシリーズを7年間、一点の妥協もなく作り切れたのは、皆さんにご愛顧いただけたからです。感謝の二文字以外ありません。本当にありがとうございました」と、ファンに向けて感謝を述べた。

 古橋さんは「昨日(の前夜祭イベント)もハードルを下げてくださいと連呼したのですが、楽しみにされている方の期待が高く、消化不良をおこした方がいらっしゃるかもしれません。申し訳ありませんでした」と、謝罪のコメント。それに対して福井さんは「いやいや、誰も何も言っていないしね! 昨日からずっとこの調子で……、(皆さん)大丈夫でしたよね?」とフォロー。会場からはそれに応えるように拍手が巻き起こり、ファンが古橋監督を安心させるという一幕も。

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▲「ハードルを下げて見てください」と語る古橋監督(左)と、フォローする福井さん(右)。

 内山さんは「episode 1が始まったのは、まだ僕が10代のころです。劇中では1ヵ月しか経過していませんが、現実では4年経っていまして、そのギャップをどうするかが問題でした」と、長期作品ならではの問題について語った。ちなみにその問題は「がんばる」ことで乗り越えたそうだ。

 劇中ではミネバによる長い演説シーンがあるそうで、藤村さんは「感極まりつつしゃべるシーンだったので、とても難しかった。でも思ったよりはリテイクが出なくて、ホッとしました」と、名場面を振り返った。ちなみに演説のシーンは宇宙世紀憲章の話とのことで、台本のト書きに“瞳がうるうる”と書かれていたが、その理由はわからなかったとか。「収録当日、バナージのことを思って涙ぐんでいる、ということがわかったんです」と裏話を語ってくれた。

 また「決戦ではネオ・ジオン軍とユニコーンが戦いますが、ふだんのビームサーベルではなく、人間どうしが戦うようなシーン。監督もこだわった場面なので、ぜひ見てほしい」と見所を語った。

 池田さんは「やっと終わりました。……昔、『ファーストガンダム』と呼ばれる作品がありました。その劇場版、舞台挨拶をこの新宿でやらせていただきました。あれから三十有余年、またこの新宿で挨拶をさせて頂いて、感無量です。本当にみなさんありがとうございました」と、声を詰まらせながらも涙ながらに『機動戦士ガンダム』への思いを語り、会場からはひときわ大きな拍手が巻き起こった。

 浪川さんは「全国のマリーダ大好きな皆さん、どうもすみませんでした。1ヵ月のあいだに表情がいろいろと変わるため、演じ甲斐がありました。参加できてよかったな、とかみしめています」と感想を語ってくれた。

 本作は、冒頭に福井さんが構成した宇宙世紀ダイジェストが放映される。この制作の経緯について、福井さんは「皆さん、長くなかったですか? 25分のハズなんですが、2時間見たような気分になるのは、やっぱり『機動戦士ガンダム』シリーズ35年分の歴史だからですね。自分自身も“あの頃高校生だったな”と、色々思い出しながら作りました。それから間髪おかずの(本編)1時間半なので、この映像体験はいままでにしたことがないと思います」とコメントした。

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▲スペシャルゲストとしてサプライズ登場した潘恵子さんは、皆さんに花束を贈った。

 続いて、スペシャルゲストとして潘恵子さんが登場。「私も完結編を待っていました。本当におめでとうございます、皆さんお疲れ様でした。私もepisode 1から見ていたので、どうなるのかなと毎回楽しみで。でも完結してしまうとつぎの楽しみがなくなってしまうので、福井さんまたお願いします!」と、早くも次回作を期待するコメントを行った。

 イベントを締めくくり、古橋さんは「『機動戦士ガンダム』30周年で始まり、35周年で完結。お祭りで始まりお祭りで終わる、そんなスパンの作品になりました。メカものは初めてで不慣れな部分もありましたが、5年間で少しはうまくなったかな、と思います。5年間おつきあいいただきまして、本当にありがとうございました。感謝です」と、改めてファンに感謝を送った。

 浪川さんは「この作品に携わることができて本当に幸せ者です。必至にやってきましたので、楽しんでいただけたらと思います。みんなで力を合わせて、この『機動戦士ガンダムUC』をもっとたくさんの方に見て頂けるように、僕も頑張っていきますので、これからもお力を貸していただければ」とコメント。

 藤村さんは「皆さんのおかげでここまで走り続けることができました。episode 7で本編のお話は終了となるかもしれませんが、『機動戦士ガンダムUC』という作品自体は、何らかの形で皆さんの元に届けられるのでは、と信じています。応援よろしくお願いいたします」と、『機動戦士ガンダムUC』を終わらせたくない思いを語ってくれた。

 内山さんは「まさか人生でガンダムに乗ることになるとは思いませんでした。激動の5年間だったんですが、なんとか頑張ってここまでやってきました。episode 7まで作れたのは皆さんのおかげなので、本当に嬉しく思っています。ありがとうございました」とファンに感謝を述べた。

 池田さん「それでも、可能性を信じて。がんばっていきましょう」と、短いながらも重い言葉を贈ってくれた。

 潘さんは「完結編に出させていただいたのも、スタッフの皆さんのおかげです。感謝しています。これからも応援してください。よろしくお願いします」と、含みのあるコメントを行った。

 福井さんは「今回はいつもより多く35館で行ったんですが、全国ほぼ完売しました。自分が映画の興行に携わるようになって十数年ですが、初めての経験です。episode 1のころは10館、若干埋まりきらないかな、というところからスタートし、だんだんと(上映館数が)伸びていった。テレビ局と攻勢をかけて宣伝をしたとか、そういうことはなく、純粋に作品を愛してくださる皆さんの力でここまで来られた。ここ10年のエンターテイメント環境では、奇跡のようなことだと思います。我々はこれを糧に、つぎのことを考えていきたいと思っています。5年後、10年後に、ちょっとでも皆さんに振り返ってもらえたら、我々としてはこんなに嬉しいことはありません。本当にどうもありがとうございました」と、作品を愛してくれたファンへの感謝を述べた。

 また「いつもは公開前に朗読劇とかコンサートを行ってきたんですが、今回は終わってから満を持してやらせてもらおうと思ってまして……」と、福井さんより新たな告知も行われた。まず、7月5日にパシフィコ横浜でコンサートが開催される。音楽担当の澤野さんによるフルオーケストラで、6月15日よりチケットが一般販売されるそうだ。

 また、以前行われたシャアが人生を2時間にわたって語る「ガンダムライブエンタテインメント 赤の肖像 ~シャア、そしてフロンタルへ~」についても言及。「赤があるなら白もやるべきだろう、ということで……」と、『白の肖像』のような企画が進行中だとか。こちらは年内に開催予定だそうだ。

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▲フル・フロンタル専用オーリスと池田さんのフォトセッションも行われた。

 また、プレスキットにレジェンド声優からのコメントが含まれていたので、そちらを掲載して本レポートの締めくくりとしたい。

足掛け5年。
episode 7の収録を終え、心地良い充足感と虚脱感を覚える今日この頃です。
ガンダム35周年。数多の物語が紡ぎ出されて来ましたが、『機動戦士ガンダムUC』は、
中でも重要な一画に位置付けされる作品です。
今、この作品に巡り合えた事を感謝すると共に誇りに思っています。
そして長きに亘ってガンダムUCを支持してくれた皆さん、本当に有難う。
皆さんのお陰でここに辿り着く事が出来ました。
諸君、又逢う日まで!!

フル・フロンタル役  池田 秀一さん

最終章にアムロ・レイが出る事は、
二年前くらいに福井晴敏さんから伺っていて、
楽しみにしていましたが、何とわずか一言とは!
ですが、ライバルであり、戦友であり、
かけがえのない親友でもあるシャアにかける、
その一言にありったけの思いを込めて演じました。
壮大な物語となった 「機動戦士ガンダムUC」 是非、
一挙上映で観てみたいです!

古谷 徹さん

『機動戦士ガンダムUC』 をepisode 1から7まで、
一話一話、その上映を待ちどおしく劇場で拝見いたしました。
『機動戦士ガンダム』のララァに出逢ってから35年経った今、
ガンダムUCで福井晴敏さん、池田さん、古谷さん、スタッフの皆さまと
御一緒出来た事、そしてファンの皆さまに観て頂いた事、
とても嬉しく、感謝しております。
当時は「ああ~刻(とき)が見える・・・」でしたが、
今回録音に参加させて頂いて、「ああ~刻が止まった!」
そんな気持ちになりました。

潘 恵子さん

(取材・文:ライター/喫茶板東)