開発時のエピソードを交えながら

 2015年8月22日に催されている『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)の正式サービス2周年を祝う14時間生放送のなかで、世界設定担当の織田万里氏とローカライズチームのマイケル・ クリストファー・コージ・フォックス氏が登場し、“エオルゼアさんぽ道”と銘打ち、パッチ2.Xエリアのエオルゼアの各スポットに秘められたエピソードを開発時の裏話やこぼれ話を交えて語った。

『FFXIV』“サラオスの亡骸”はサラオスのものではなかった! 14時間生放送、世界設定解説を振り返る_01
▲ふたりに加え、司会としてコミュニティーチームの望月一善氏が登場。

エオルゼアさんぽ道~ウルダハ編~

 まずはウルダハ/ザナラーンエリアの名所から説明。望月氏が冒険者を操作して現地へ向かったうえで、織田氏とマイケル氏が解説を加えていった。番組内で語られた設定を、スポットごとに振り返っていこう。

◆格闘士ギルドの旗のデザインの由来について

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織田氏:(一見すると剣のようにも思えるが)旗は炎をモチーフにした形状。もともとウルダハの国旗は、天秤に富を象徴とする宝石と、力を象徴する炎が描かれている。格闘士ギルドは力の象徴のひとつなので、こういう形でそれを表した。なおゲームの導線を考えて、バトル系ギルドは赤色の旗で統一されている。

マイケル氏:じつはこの旗は(ロンチ前に行われていた)αテストまで存在しなかった。建物に目印がないことに気づき“ヤバイ”と思った某プロデューサー兼ディレクターからの指示により、各ギルドのシンボルとなる旗を制作することになった。

◆格闘士ギルド内の壁面に描かれたミコッテは誰?

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織田氏:武器を構えていることから格闘士であることはわかる。設定上は、数十年前に活躍した拳闘士。ギルドマスターのハモンが美人であった彼女を気に入ったために、こうしてカベに掲げてある。“このギルドには昔にいろいろな人がいたんだろうな”と感じてもらうために用意したもの。

◆西ザナラーンのササモの八十階段が“77段”しかない理由

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マイケル氏:昔は80段あったのだが、砂漠による風化や地震などで減ってしまった。ササモの八十階段に関するクエストを準備しているので、詳しい設定についてはまだお話できない。ちなみに英語版では階段ではなくsin、“八十の罪”になっている。その罪についても今後明らかになるのでは。

織田氏:『蒼天のイシュガルド』が発売されたばかりなので、(ウルダハにスポットを当てた)クエストを作るのはタイミング的に難しいかもしれないが、機会があればやってみたい。

◆物言わぬ王の彫像に隠された秘密は……?

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織田氏:ウルダハの母体となった都市であるベラフディアが作った遺跡。ベラフディアは第五星暦時代に存在していた魔法都市のマハに由来していて、そこからやって来た魔道士たちが建国したという設定になっている。マハはヤフェームという場所にあったのだが、そこに関連する人たちがザナラーンへ移住。巨石文明ともいうべき石像をたくさん作った。ちなみに王様については、ワインボードの謎の中ですでに語られている。

マイケル氏:ワインボードの謎は、言語別にそれぞれクイズの中身が異なる。英語やフランス語ができる人はぜひ他言語版もプレイしてほしい。

◆東ザナラーンのベラフディア遺跡について

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織田氏:ベラフディア時代の遺跡のひとつなので、物言わぬ王の石像とデザイン的に似たものになっている。このあたりの歴史についても、いろんなところで語っていくつもり。

マイケル氏:マハは(第五星暦時代に繁栄した)ニームやアムダプールとも関係してくる。

◆ナルザル神のそもそもの設定は?

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織田氏:エオルゼア十二神に含まれる双子の神様。ウルダハの守護神とされている。現世を司るナルと、後世を司るザルが対になっており、2柱の神が、南ザナラーンと東ザナラーンのふたつの祠で別々に祀られている。ザルの祠の石像のデザインがベラフディア時代のものと似ている理由は、歴史的な源流をおなじくする人たちが作っているため。