ニューデザインではフロントカメラも搭載。被ったままでドリンクも取れる!

 HTCが、Valveのバーチャルリアリティ(VR)プラットフォーム“SteamVR”に対応するPC用VRヘッドマウントディスプレイ“HTC Vive”の新バージョン“Vive Pre”を発表した。
 Vive Preは、今年4月に発売開始を予定しているという製品版に先駆けて用意された第2世代開発者キットで、今月より7000台を提供予定。もちろん初代開発者キットでのフィードバックを受けて、製品版に向けたさまざまな改良が施されている。

VRヘッドマウントディスプレイ“HTC Vive”の第二世代開発キットが発表。製品版展開は4月を予定_01
▲キューブ型の物体はセンサー。このふたつのセンサーでルーム(部屋)サイズの有効範囲を持つ“歩き回れる”VR空間を実現する。

 注目はヘッドマウントディスプレイ(HMD)前面にフロントカメラを搭載したこと(穴がポコポコあいたような形状をしているが、カメラは中央下部の1基のみで、それ以外は位置検出に使うセンサー)。日本でも発売中のサムスン製VRHMD・Gear VRが搭載しているフロントカメラと同様、HMDを着用したまま一時中断して外界の様子を映し出し、ドリンクを手に取ったり、周囲の人を視認することができる。VR空間と外界をミックスさせるような表現も可能になったので、新たな発想に期待したい。

 また初代ではやや不格好で重く取り回しが微妙だった部分についても、本体のスリム化やストラップの再設計によって着用性を改善。顔や鼻まわりに密着するフォーム部分についても、交換可能かつさまざまな顔の形状の人に対応するようになったという(一般的にHMDでは日本人の平たい顔だと隙間ができがちで、そこから外界の光が入ってきてしまったりするので、交換可能なのはありがたい)。

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▲注目はフロントカメラの搭載。着用中に外界の様子を映し出し、飲み物を取ったり、そばにいる人と話したりができるようになる(ただし現実的にはケーブルでコップを引っ掛ける可能性があるので配置に注意は必要だ)。

 そして両手に持つモーションコントローラー部分も新デザインに変更。親指で使うトラックパッドや二段階動作するトリガーなどによって操作性が向上している一方で、リチウムポリマー電池を採用し、マイクロUSBケーブルでの充電も可能に。一回の充電で4時間動作するとのこと。

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▲Oculus RiftやPSVRではモーションコントローラーは別売りだが、Viveにはデフォルトで付属する。視覚だけでなく手足も没入させるVR体験に特化できるのが特徴のひとつだ。

 明日よりラスベガスで開幕する世界最大の家電ショー“CES”に向けて、Vive恒例のデモブースを内蔵したトラックも到着(これまで全米各地をツアーしてきた)。会期中はさまざまなサードパーティーのブースにもViveを使ったデモ機が出展予定で、会場のさまざまな場所で体験できるとしている。