フルバージョンではボリュームもアップ。さらなる恐怖がプレイヤーを襲う

 Steamなどでアーリーアクセス(有料の早期アクセスプログラム)を行い、大きな話題を呼んでいたBloober Teamによる一人称視点ホラーアドベンチャーゲーム『Layers of Fear』が海外で正式リリース。プラットフォームはXbox One、プレイステーション4、PCで、PC版は日本語化もされている。参考までにSteamでの価格は1980円(※正確には家庭用ゲーム機版の海外リリースは明日で、現在PC版が先行で解禁されている)。

 『Layers of Fear』の主人公は、最高の作品を作り上げるという執念に囚われた画家。ストーリーは彼が自宅に戻る所から始まるのだが、次第に空間が歪み、自身の狂気の世界へと堕ちていく。そこにあるのは、扉を開けるたびに家の構造上そこにはありえない部屋や廊下が出現し、幻覚が襲い、しまいには自らが生み出した業に殺されては蘇るという無限地獄。やがてプレイヤーは知ることになるだろう、かつてこの男が芸術のために何を捧げたのかを……。

 ゲームのスタイルとしては『P.T.』と少し似ている。まず一人称視点ホラーとしてシンプルな作りで、行動は移動と扉や特定のオブジェクトへの干渉程度しかできない。扉を開けて新たな区画に入り、また別の扉を探して屋敷を進んでいくというのが基本的な流れ。
 道中はだいたい一本道だが謎解き要素もあって、鍵を見つけたり、カギとなる行動(燭台に火を点けるとか)を取ることで先に進めるようになることも。彷徨の果てにキーとなる“パーツ”を見つけるとアトリエに戻り、“作品”の絵が変化して一区切りとなる。そうして“作品”が完成していく過程で、これまで何が起こったのかもうっすらと判明していくという寸法だ。

狂気に囚われた画家が主人公の一人称視点ホラーアドベンチャー『Layers of Fear』が正式リリース。PC版は日本語にも対応_01
▲画家がすべてを賭ける最高の作品。

 非戦闘系の一人称視点ホラーとして、戦闘的な要素がないぶんあらゆるトリックを盛り込んでいて、空間が歪んだりありえない物が見える幻覚の類はもちろん、「一旦ある場所を注視させておいて突然ガタンと物が動く」、「振り返ると何かが動いている」、「視界の隅に何かが映る」、「嫌な物が一瞬消えたかと思ったらやっぱり出現する」といったテクが目白押し。アーリーアクセス中から国内外を問わず実況人気が高いタイトルだったが、それも納得。

狂気に囚われた画家が主人公の一人称視点ホラーアドベンチャー『Layers of Fear』が正式リリース。PC版は日本語にも対応_02
▲人形が山のように転がる廊下の奥に見えるのも、また巨大な人形。どうやら過去と関係があるらしいイメージが画家=プレイヤーを襲う。

 今回発売されたフルバージョンではコンテンツが増え、プレイ時間はパブリッシャーのAspyrいわく「QA担当者は6-7時間ぐらいでプレイしているが、急げば2-3時間でプレイすることも可能。ただしその場合は色んな物を見落とすことになる」といった感じ。ちなみに一人称視点ゲームで酔いやすい人は、オプションで視界の振動をオフにするのをオススメしたい(これがオンだと慣れている人でも若干酔いやすくなる)。