ここに絶対に押してはいけないボタンがあるけれど……押すでしょう、あなたは。たぶん。【とっておきインディーVol.82】_02

頼むから、このボタンだけは 絶対に押さないでくれ。

 “押すなよ、絶対押すなよ!”なんだかどこかで聞いたことのあるフレーズですが、こんなふうに言われたとしたら、もはや、押してもらうための前フリにしか思えないもの。……といっても、このゲームで押すのは、熱湯や水辺にいるお笑い芸人の背中ではなく、奇妙な機械の真ん中にある、ひとつの赤いボタン。

 そう、今回ご紹介するゲームは、ボタンを押すだけのゲームなのです。 

ここに絶対に押してはいけないボタンがあるけれど……押すでしょう、あなたは。たぶん。【とっておきインディーVol.82】_04
▲中央にある赤いボタンを押す。押すべきか、押さざるべきか。そんなふうに、ちょっと悩み始めた時点で、すでにゲームは始まっている。

 ちなみに質問。あなたは「絶対に押すな」と言われたボタンを押すチャンスに恵まれたとしたら……押しますか? おっと、少し迷いましたね。先ほど本作のことを、ボタンを押すだけだと言いましたが、そこには、プレイヤーの意志と決断、行動と好奇心がある。そして、それがもたらす変化と驚きが本作には詰まっている。さあ、その指でボタンを押してみませんか。

決して触れてはいけない機械を触れるか触れないか、というだけのゲーム。

 ゲームを開始すると、プレイヤーは、まず同僚らしき人物から「ちょっとトイレに行くあいだだけ、機械を見張っていてくれ」と頼まれることになります。そこで、中央に赤いボタンのある巨大な装置を前にして、そのボタンを押すのか、はたまた押さないのか……?

ここに絶対に押してはいけないボタンがあるけれど……押すでしょう、あなたは。たぶん。【とっておきインディーVol.82】_01
▲ボタンを押したり、タッチしたりすることで機械に変化が起こる。ここでは、機械の側面がスライドして、工具が出現した。モニターをハンマーで割った下には……!?

 好奇心に負けて、ボタンを押してみると、機械にはさまざまな変化が起こります。謎めくナンバープレートが出現するなど、まるでアドベンチャーゲームや、リアル脱出ゲームを彷彿とさせるかのような、機械相手の謎解きが始まるのです。

 プレイヤーのひらめきと好奇心に応えるかのように、機械にはつぎつぎと変化が起きる。やがて、モニターや部屋の壁など、目に映るすべてが機械の謎を解くカギだと気づくはず。

 この奇妙な機械は、いったい何なのか。プレイヤー……あなたは、きっとその答えを知りたくて、ボタンを押してしまうことでしょう。

 そうしていつしか、ボタンを押すことで変化を見せる機械を相手に、さまざまな行動をとり続けることで、いくつかの結末を迎えることになります。ネタバレは避けますが、それらの内容は、ときには悲劇的な形で訪れることになるのかもしれないし、もしくは、思わずクスリと笑ってしまう形で訪れるかもしれません。

 まあ、どちらにせよ、それを見るのは、ボタンを押したあなただけなのです。

ここに絶対に押してはいけないボタンがあるけれど……押すでしょう、あなたは。たぶん。【とっておきインディーVol.82】_07
ここに絶対に押してはいけないボタンがあるけれど……押すでしょう、あなたは。たぶん。【とっておきインディーVol.82】_03
ここに絶対に押してはいけないボタンがあるけれど……押すでしょう、あなたは。たぶん。【とっておきインディーVol.82】_05
▲ボタンを何度も押したことで変化していく機械。機械自身の真実にたどり着いてしまうかもしれない……。結末は、シリアスなものからパロディーまで、予想もつかないものが多数用意されている。
ここに絶対に押してはいけないボタンがあるけれど……押すでしょう、あなたは。たぶん。【とっておきインディーVol.82】_06

Please, Don't Touch Anything
メーカー BULKYPIX
対応機種 iOSiPhone/iPod touch / PCWindows / MacMacintosh / AndroidAndroid
発売日 2015年12月30日配信開始
価格 600円[税抜](613円[税込])
ジャンル アドベンチャー
備考 対応機種:iPhone、iPad、および iPod touch(iOS 5.1.1 以上対応)/Android(2.3以上)