この旅の終着駅で車窓からは何が見えるのか?

 Do My Best Gamesの『The Final Station』を紹介する。本作はインディーパブリッシャーのtinyBuildからPC/Mac版がSteamで配信中。価格は1480円。なお参考までに、海外ではPS4版も配信されており、今週末にXbox One版も配信予定となっている。

 本作の主人公は、街を繋ぐ近未来の鉄道の運転士。何らかの伝染病により死人が動き出して人間を襲うようになった(つまりゾンビパニックな)世界の終わりの始まりに、特別列車を走らせて人々を救うのがその任務だ。

 ゲームは全5章構成で、プレイ内容は駅での探索アクションと運行中のマネージメントゲームの2種類に大きく分けられる。
 というのもこの路線、各ステーションの線路にロックがかけられており、解除コードを入手しないと先に進めないのだ。平時なら駅舎に行けば解除コードを発行してくれるのだが、もちろん非常事態の駅ではそうはいかない。責任者が「ちょっと自宅に戻ります」といった死亡フラグバリバリのメモを残していなくなっていたりするからだ。というわけで駅に着いたらまず、たった4桁のコードを求めて“感染者”がうろうろする駅周辺を命がけの探索ということになる。

世界の終わりの車窓から――ゾンビサバイバル鉄道員アクション『The Final Station』_01
▲何故か日本語看板がチラホラ(ただしゲームそのものは日本語対応していない)。

 “感染者”を倒す方法は、近接攻撃、各種銃での銃撃、椅子や箱などの持ち上げられるオブジェクトを投げつけて倒す、爆発に巻き込むという4種類が存在。当然のごとく弾には限りがあるので、できるだけ近接で戦うとか、時には相手の脇をすり抜けて先に行くといった節約術も重要になる。

 また探索中は、運行中パートで役立つ医療キットや食糧、そして車内で医療キットや弾薬を製造するための素材などを入手可能。なので(基本的には大体一本道だが)ちょっと戻って開けなかった扉を開けてみたり、部屋にいる感染者をちゃんと倒してから棚を漁りに行くといった選択にも意味がある。まぁ、発見したのが誰かが家族に宛てた最期のメモだったりして「どよーん」となるだけだったりもするけど。

世界の終わりの車窓から――ゾンビサバイバル鉄道員アクション『The Final Station』_02
▲どうすんだよこれ……。

 そして、探索中に生存者を発見することもある。一部の例外を除き、生存者は新たな乗客として加わり、彼らを各章終わりの安全な駅に届けることができれば報酬が得られる。
 しかし、乗客にはそれぞれ体力(Health)と飢餓(Hunger)のメーターがあり、飢餓がゼロになると体力が減り始め、さらに体力がゼロになると死亡。また怪我をしている乗客は飢餓メーターとは関係なく体力が減っていく。できるだけ多くの乗客を生きて街に送り届けるには、医療キットや食糧を配って面倒を見なくてはならない。残り物資によっては「どちらを救うか」というサバイバル映画さながらの判断をすることにもなるだろう。

世界の終わりの車窓から――ゾンビサバイバル鉄道員アクション『The Final Station』_03
▲キノコ雲を背景に列車は進む。乗客の体力と飢餓レベルを見て、ヤバそうなら医療キットや食糧を提供しよう。

 運行中はそれだけでなく、車両の各部位のメーターにも注意しなくてはならない。毎回どこかしらの動作が不安定になり、放っておくと空調が停止するなどの被害も出始める。そうなる前にミニゲームで圧力を下げるといった対処が必要だ(ただしミニゲーム自体はそんなに難しくなく、対応するボタンを押したりレバーを下げたりするだけ)。

世界の終わりの車窓から――ゾンビサバイバル鉄道員アクション『The Final Station』_04
▲車内の各部位のメーターにも注意しないと、異常動作で電力を食い始め、空調が停止するなんてことも起こる。ミニゲームで調整すべし。

 サバイバルアクションゲームとしてはかなりシンプルにまとめた部類に入る本作だが、ドット絵で描かれた乾いた終末感と、感傷的なBGMが素晴らしく、思わず惹き込まれる。デジタルアートブックとサントラ付きのコレクターズ・エディションは1780円で、ゲームをプレイした後にDLCとして498円で購入することも可能だ。