レオナルドを主人公に選び、1時間プレイしてきました

 自由度の高さや独特のシステムで人気を集める『サガ』シリーズの最新作として、2016年12月15日に発売が予定されているRPG『サガ スカーレット グレイス』。新しい情報が公開されるたびに話題を集めてきた本作のメディア向け体験会が、先日開催されました。

 今回は『サガ』シリーズの大ファンである私ことライターのリプ斉トンが、『サガ スカーレット グレイス』を1時間プレイさせていただいた感想をリポートします。『サガ』の最大の魅力である“自由度の高さ”はどう進化したのか!? ぜひご覧ください。

『サガ』に期待する自由度の高さと、RPGの醍醐味が確かにある。『サガ スカーレット グレイス』体験プレイリポート_05
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▲本作に登場する主人公は、左からウルピナ、タリア、レオナルド、バルマンテの4人。選んだ主人公によってまったく異なるストーリーが展開します。
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▲今回はレオナルドでプレイ。彼はヤクサルト辺境州に住む農民の青年で、ある日現れた女性の願いを叶えるために旅に出ることになります。
▲姉御肌のエリザベート(と、ほか多数)が仲間に。

 ゲームをスタートし、オープニングのイベントを見終えると、ワールドマップが出現。本作では、ワールドマップをめぐり、建物や人物のオブジェクトを選択することでバトルやイベントが発生し、物語が進んでいく“フリーワールドシステム”を採用しています。レオナルドのシナリオは、ほかの主人公と比べて序盤からいろいろな場所に行けるのが特徴。“いきなり広大なマップに投げ出される”という『サガ』らしさにしびれる!

 近ごろのゲームは、序盤はチュートリアルを兼ねて旅路を誘導してくれることが多いですが、このシナリオでは、『ロマンシング サ・ガ』(とくにグレイやバーバラのシナリオ)のように、ゲーム冒頭から、行動の自由が与えられます。好きなように移動し、世界の広さを感じ、そしていきなり強い敵に遭遇して全滅する……という、『サガ』シリーズの醍醐味を、本作でも味わうことができました。

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▲自由に冒険ができるとはいえ、大目的は存在。レオナルドの場合は、世界のどこかにあるといわれている伝説の地“アイ・ハヌム”への到達を目指します。
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▲プレイヤーは、最初から広大なマップを探索できます。敵にランダムでエンカウントすることはないので、サクサク進めます。
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▲ざっくりとしたマップの説明文! これも『サガ』らしい演出のひとつ。
▲危険な場所のように感じる……。目的地ではない場所にも序盤から自由に行けるようです。『ロマンシング サ・ガ』でいうなら、フレイムタイラント的なボスがいそう……。
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▲現在いる地域にあるオブジェクトを、メニュー画面の“地域情報”から見ることもできました。
▲現在の目的は、メニュー画面の“備忘録”で確認可能。道草に夢中になって目的を忘れてしまったり、久しぶりにゲームをプレイしたとしても安心ですね。
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▲オブジェクトを調べると、場所によってはストーリーに絡むイベントが発生し、目的が更新される場合も。
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▲イベントを進めることで、移動できる場所が増えていきます。つぎの土地ではどんなできごとが待っているのか!?
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▲オブジェクトにて、バトルとイベントのどちらが起こるかはあらかじめ示されていますが、イベントによっては、途中でバトルが起こる場合も! バトルシステムのインプレッションについてはのちほど。
▲この敵は!? いまのパーティの育成具合で倒せるのか……? 

 プレイしていて「おもしろい!」と感じたのは、自由度の高さとイベントの豊富さ、そして意外性。道中、用途のわからないアイテムを入手することもありますが、それによって、ほかの場所で新たなイベントが見られるようになったりします。すぐには何も起こらないけれど、ゆくゆくは何かしらの事件の引き金になりそうなイベントもありました。意図しないイベントが発生したり、事件に巻き込まれたりする内容は、シリーズの中でも『ロマンシング サ・ガ』3作品に近いものがあると感じます。

 また、すでに公開されている情報ではありますが、本作にはワールドマップ以外の街マップやダンジョンマップが存在しません(街はありますが、街の中を探索する要素がない)。ダンジョンを探索して敵と戦ったり、宝箱を集めたりすることはないということです。こう聞くと、『ロマンシング サ・ガ』のようなゲームプレイを期待している人は「ええーっ」と思うかもしれませんが、筆者は1時間の体験プレイの中で、「ダンジョンが欲しいな」とか、「RPGとして物足りないな」と感じたことはありませんでした。

 ワールドマップ上で調べられるオブジェクトや、そこで起こるイベントの多さはかなりのもので、プレイすればきっと「すべての場所を巡りたい! 早くつぎの場所に行きたい!」という欲求にかられます。プレイヤーが『サガ』シリーズに期待する自由度の高さとRPGの醍醐味は、間違いなく味わえると思います。イベントやショップ、アイテムを入手できる機会など、いままでダンジョンや街のマップにあったものは、ワールドマップ上にすべて詰まっています。ワールドマップは単なる地図ではなく、いろいろなマップが詰まった、ひとつの大きなマップのようなものだなと、プレイしていて感じました。

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▲プレイヤーによって十人十色なプレイが楽しめるのも『サガ』シリーズの伝統。プレイヤーの選択によっては、二度と出会えないキャラクターや、手に入らないアイテムがあるかも!?

バトルの戦略性の高さはシリーズ随一の内容!

 本作でもうひとつ気になる点と言えば、いままでにないシステムを搭載したバトルが挙げられます。『サガ』シリーズのバトルの特徴とも言える“陣形”、“技と術”、“閃き”といった要素はもちろん健在。さらに、本作から導入された“タイムライン”の存在により、バトルの戦略性は飛躍的にアップしています! そのターンに誰がどの順番で行動できるのかを表したのがタイムラインで、バトル画面の下部に表示されています。これはコマンド入力前から確認できるため、味方の行動順や敵の行動を予想してどのように攻撃するべきかを考えることができます。

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 さらに、本作のバトルにおいて重要なのが、“連撃”です。まずはこの連撃のシステムを解説。ダメージを受けて敵か味方が倒れると、倒れたキャラクターのアイコンがタイムライン上から消失します。このときに、タイムライン上で敵どうしか味方どうしのアイコンがつながると連撃が発生! つながったキャラクターたちによる、相手陣営への追加攻撃が発生します。

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▲画像では、レオナルドが敵を倒したことで、味方5人がタイムライン上でつながり……。
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▲連撃が発生! 5人が敵に同時攻撃を仕掛けます。
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▲連撃は敵も使えるので要注意! 発動すれば追加で大ダメージを受けてしまいます。

 この連撃が発生すると、連撃に参加したキャラクターは次ターンから消費BP(ブレイブポイント)の値が軽減される効果もあるため、とくに強敵との戦いではこの連撃をいかに発生させるのかが重要になりそうです。BPは技や術の使用に必要なパーティー共有のポイントで、基本的に強力な技・術ほど、使用する際に多くのBPが必要となります。BPが足りなくなれば残りのキャラクターは攻撃に参加できないため、敵の弱点を突ける武器や技を持っているキャラクターにBPを多く使わせたり、少ないBPの技を複数人で使ったりと、適宜戦略を立てていく必要がありそう。

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▲画像の場合、レオナルドは強撃の使用にBP2、スイングダウンの使用にBP4、ヴァンダライズの使用にBP6が必要となります。連撃が発動すればするほどこれらの消費BP値が減ります。

 このタイムラインとパーティ共有のBPが影響するバトルは、いままでの『サガ』シリーズにはなかった戦略性を生み出しています。いままで以上に、誰が誰を攻撃するか、どの技を使うかなどを考える必要が出てきそうです。本作では序盤に登場するザコ敵もなかなかの強さなので(ボタン連打では勝てません)、慣れないうちは全滅することもありそう。いや、慣れても全滅しそうな気もする……。

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▲恒例の全滅画面。体験プレイ中もけっこうな回数を全滅してしまいました。ちなみに、LPが続く限り、バトルはやり直せます。

 技の中には、行動を早められる技や、敵の行動を遅らせる“バンプ技”なども存在する模様。タイムライン上で敵が1体も孤立していなかったら、このバンプ技で強制的に敵の行動順をズラして連撃を狙ったり、味方が連撃を食らってしまいそうなら、素早く行動できる技で連撃の発動を回避したりといった戦略を立てることで、有利に戦えそう。

 毎ターン与えられた無数の選択肢から最善の行動を選択し、連撃を狙って戦っていく……。スルメのように噛めば噛むほど味の出てくる、新たなバトルシステムだと感じます。陣形や技など、従来の『サガ』シリーズのシステムとの相性もよく、これまでのシリーズにはなかったバトルを体感させてくれそうです!!

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 なお、本作では1バトルにかかる時間は従来の『サガ』シリーズよりも長め。1バトルの密度がかなり高い、量より質というイメージのバトルですね。そのためか、人によって感覚に差はあると思いますが、筆者はバトル前のロードについて、それほど長いとは感じませんでした。東京ゲームショウ2016バージョンと最新バージョンのロード時間を比較した動画がアップされているので、興味がある方はこちらもチェックしてみてください。

まだまだ先をプレイしたくなるゲーム内容に期待大

 今回プレイできたのは1時間だけだったので、本作の特徴であるフリーワールドシステムや、タイムラインが導入されたバトルシステムにしぼってリポートさせていただきました。従来の“『サガ』らしさ”の特徴は踏襲しつつも、新しいゲームを作りたいという挑戦精神を、この2要素から感じます。この記事を読んでいる皆さんがそれぞれ『サガ』シリーズに求めるものは違うかもしれませんが、冒険の自由度の高さや、バトルの戦略性の高さなど、『サガ』の大きな魅力であるこれらの要素は、本作でも間違いなく味わえると断言します。

 独特のセリフ回しや、伊藤賢治氏が手掛けるBGM、小林智美氏がデザインするキャラクターなどからも『サガ』らしさを感じ取ることができ、きっとタイトルを伏せられてプレイしても、「これは『サガ』だ!」とファンなら思えることでしょう。

 発売まで残り2ヵ月弱。早くこの体験プレイの先、果てはクリアーまでプレイしたいです! 本作にも、『サガ』シリーズではおなじみの、いきなり強敵にエンカウントして一気に全滅させられるような戦闘があったりするんでしょうか? 『ロマンシング サ・ガ』では、イフリートっていうモンスターが全体攻撃の“火の鳥”を使ってきまして、1ターンで全滅してしまうというのが、経験者なら一度は通る道だったりします。そんな状況をいかにして攻略していくのかというのも『サガ』の魅力だったりするんですよね。そういうのがあると、オジサンは堪らないのですが……? 期待してます!!

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▲技を閃いたときの電球の表現もバッチリ! これも『サガ』らしさ!?