シリーズの根幹に迫るストーリーモードの実装も

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントアメリカが2016年12月3日、4日(現地時間)の2日間、アメリカ・アナハイムにて開催するコミュニティ・イベント“PlayStation Experience 2016”。同イベントの会期中に、2017年後半に発売が予定されているカプコンの新作対戦格闘ゲーム『MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE』のメディア向けプレゼンが行われた。本稿では、そのプレゼンで判明した内容をお届けする。

『MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE』はパートナーとの共闘感を重視、シリーズの根幹に迫るストーリーモードの実装も!【PSX 2016】_01
▲左から、カプコン ディレクター 廣瀬紀生氏、CAPCOM U.S.A. プロデューサー Michael Evans氏、マーベルエンターテインメント エグゼクティブプロデューサー Mike Jones氏

『4』ではなく、『INFINITE』となった理由

 プレゼンには、カプコン、カプコンUSA、MARVELと、各社のキーマンが出席。まず初めに、本作のタイトルが『MARVEL VS. CAPCOM4』というナンバリングではなく、『MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE』となったことについての説明がなされた。「これまでのシリーズでは、MARVELとカプコンの世界がなぜ融合されたのか?」ということの説明がなかったため、本作では“シネマティックストーリー”と呼ばれる本格的なストーリーモードを実装し、その真実に迫るという。そしてストーリーには、MARVEL作品でも重要なキーワードとなっている“インフィニティ・ストーン”が絡んでくるそうだ。それが『4』ではなく『INFINITE』となった理由のひとつのとのこと。また、INFINITEというタイトルには、“ゲームプレイに無限の可能性をもたらす”、“長く無限に遊んでもらう”など、無限がテーマにもなっているそうだ。ほかには、『4』となると新規プレイヤーが参入しにくいといったことや、本作のバトルシステムにもインフィニティ・ストーンが大きく関係してくるなどの理由も。

2ON2のタッグバトル!

 本作では、第1作目以来となる2ON2のタッグバトルを採用。その理由のひとつとして、本作には“チームワーク”や“仲間との共闘感”を重視するというコンセプトがあったからだという。開発段階では4ON4や5ON5にするという案も上がったようだが、それでは数が多く、仲間に対する深い思い入れがわいてこないと判断したそうだ。それではどういったものが共闘感を得られるのか議論した結果、「お前に任せた!」とパートナーに代わるようなシチュエーションがいちばんだろうということで、パートナーとふたりで組むタッグバトルになったとのこと。

いつでもどこでもパートナーとの交代が可能!

 本作のタッグバトルの特徴は、いつでもどこでもパートナーと交代できるというもの。また、記事冒頭のPVを見ていただければわかる通り、これまでのように“交代攻撃→登場のポーズ”というなアクションではなく、交代後すぐにパートナーキャラクターを操作できる。これを利用することで、交代して出てきたキャラクターをすぐに操作してコンボを決め、さらに交代してコンボをつなぐといったことが可能になっている。このように、交代後すぐに操作できることを利用すれば、これまでできなかったようなコンボや戦略が可能になっているので、チーム人数が減ったことでとっつきやすくなることはあるが、戦略の深みがなくなるということはないそうだ。

インフィニティ・ストーンの活用でプレイヤーの個性が際立つ

 タッグバトルともうひとつ、本作のバトルで柱となるシステムが“インフィニティ・ストーン”だ。ソウル、マインド、タイムなど6種類あり、バトル中に使用することでそれぞれ異なるキャラクター強化の効果が得られるという。どのインフィニティ・ストーンを使うかによって、プレイヤーの個性が出せると語っていた。たとえば、動きの遅いキャラクターを使うときは、スピードアップの効果が得られるインフィニティ・ストーンで弱点を補ったり、逆に長所を活かす形で使用したりと、同じキャラクターでも使用するインフィニティ・ストーンによって異なる戦略が可能になるそうだ。

質疑応答

――MARVELとカプコンキャラクターを融合したことで、強めたものと捨てたものはどのようなものがありますか?

開発 ある意味これまでのゲームシステムを1度捨てました。そこからシリーズのよさはなんだろうと? と考えたところ、これ以上の増築ではなく、新たに作り直そうということになりました。

――キャラクターの取捨選択もあったのでは?

開発 コミックや映画など、たくさんのキャラクターがいるので選択はかなり難しかったです。とはいえ、既出のキャラクターだけではなく、我々は将来のことも考えなくてはなりません。前作の開発当初はアベンジャーズが本格展開していませんでしたし。もちろん、「あのキャラクターを出してほしい」などの要望がありますので、過去のことも考えなければなりません。ちなみに、登場キャラクターはほぼ決まっています。ロックマンXを最初に公開したのは、北米でものすごく人気が高く、以前のアンケートでダントツトップだったんです。我々はファンの要望にもしっかり応えています。

――シネマティックストーリーを実装しようとしたのはなぜですか?

開発 アベンジャーズの映画の影響が大きいです。ヒーローたちはひとつの世界で活躍している。であれば、よりストーリーが期待されてきます。そういう時代なんだと思います。あとは、アーケードがなく家庭用オンリーになったのも大きいですね。コミックで対立しているアイアンマンとキャプテンマーベルが、ゲームでは協力している。それを見ただけでもファンであれば、「ふたりに何があったのか?」とストーリーを期待してしまうと思います。キャプテンマーベルについては、今後映画を作っていく予定です。

――最後に、プロジェクトがスタートしたのはいつころからですか?

開発 具体的な時期はお話できません。ですが、結構な期間チューニングしていますので、ご期待ください。