みなさん、こんにちは。『龍が如く』シリーズ担当編集のメタボIKEDAです。シリーズ担当編集者が、身を持ってPS4『龍が如く6 命の詩。』(以下、『龍6』)のコラボ企業であるRIZAP(ライザップ)のサービスを体験する本企画も3回目。今回は、『龍6』ゲーム内に登場する架空店舗“RIZAP神室町店”で出会うことになる、幕田トレーナー(こちらは実在)へのインタビュー取材の模様を中心にお届けします。『龍6』出演についての感想のほか、現在、急成長中のRIZAPの秘密、夏に向けて運動を始めたい方へのアドバイスなど、盛り盛りの内容となっています!
<過去記事>
◎第1回目(企画スタート時)の記事はコチラ
◎第2回目(2017年2月3日~3月8日)の記事はコチラ
統括トレーナー・幕田氏が語るRIZAPの秘密
統括トレーナー/教育ユニット長
幕田 純(まくた じゅん)氏
――まずは、幕田さんの経歴からお話いただけますか?
幕田 純氏(以下、幕田) こういったトレーニングの世界に入ったのは、大学からですね。大学は体育学部だったのですが、トレーニング理論について学んでいました。
――学生のころからトレーナー志望だったのですね。
幕田 はい。学生のころは実業団のスポーツチームのトレーナーをしていたのですが、卒業後はフィットネスクラブに2年間務めました。その後、フリーランスのトレーナーに転じました。そのころに今の取締役である迎(RIZAP取締役・迎綱治氏)とたまたま知り合いまして、「フィットネスに関する事業を立ち上げたいのだけれど、一緒にやらないか?」と、声をかけていただいたのです。その後、一緒に立ち上げたのがRIZAPです。
――まさに立ち上げのときから関わられていたのですね。運動が得意だったようですが、スポーツ選手ではなくて、トレーナーになりたいと思ったのは、どういう理由だったのでしょうか。
幕田 確かにスポーツは得意でしたし、だからこそ体育学部に進んだのですが、大学には、それこそ各競技で日本一になるような選手がたくさんいたんです。みんな、「自分はこの世界で頂点に立つんだ」というやる気と自信に満ち溢れていて。僕はいろいろなスポーツをかじったものの、何かで日本一になるような選手にはなれかった。でも、なにか1本、筋の通った生きかたをしてみたい、という想いはずっとありました。悶々と生きかたを模索しているときに出会ったのが、“トレーナー”という職業でした。すごくやりがいのある職業だと感じて、「僕はこれで生きていこう」と決めたのです。
――トレーナーという職業のおもしろさは、どのようなところにあるとお考えでしょうか。
幕田 相手を支えたり、変えられるところですね。自分のサポートによって、その人が自分だけでは発揮できないようなパフォーマンスを実現して、より輝いていく姿を見られるのが魅力です。
――関わっている相手が、トレーナーのプランによって目に見えて変わっていく姿を見るのがおもしろいという。
幕田 そうですね。RIZAPでは、おもにそれが体型の変化になるのですが、やっぱり体型が変わると、心持ちがポジティブに変わるんです。「人生が変わった」と言ってくださるお客様がとても多くて、私共としても大きなやり甲斐だと感じています。
RIZAPでは結果が出ないのはトレーナーの責任
――事業の立ち上げから関わられていたというお話でしたが、基本コンセプトや、トレーニング内容の設計の部分から関わられていたのでしょうか。
幕田 そうですね。RIZAPの基本コンセプトは、瀬戸(創業者の瀬戸健氏)のアイデアや経験が大きく影響しているのですが、それを実現する段階では、本当に最初から関わらせていただきました。
――いわゆるフィットネスジムは全国各地にたくさんありますが、RIZAPの事業をスタートするに当たっては、どのような特長や、ほかとは違う強みを想定されていたのでしょうか。
幕田 徹底的にお客様に寄り添う姿勢や、絶対に結果につながるように最善を尽くすことが、RIZAPが事業立ち上げの当初から我々が備えている特長だと思っています。あとは、トレーナーがきちんと責任を持つというところですね。結果が出ないからといってトレーナーやクラブ側の責任、という考えかたをするところは少ないと思います。
――確かにそうですね。通っているユーザーのほうも、そういう発想はあまりないと思います。
幕田 お客様にはあえて干渉せず、「好きなときに、自由に施設を使ってください」というスタンスのところが多い中、我々はもっと違うやりかたもあるんじゃないかと思っています。具体的な結果を求めているお客様に対しては、「週2回は来ましょうね」というような来館を含めたご案内をすべきだと考えています。
――なるほど。
幕田 一定の頻度でご来店いただいて、それでも痩せないのは、適切な運動ができていなかったり、食事に偏りがあるわけで、つまり、痩せるための行動が十分には出来ていないということだと思います。そういった部分をちゃんとトレーナーがケアして、お客様を結果まで導いていく。そのすべてはトレーナーの責任である、というのが、RIZAPの考えかたです。お客様の食事が偏ってしまうのも僕らの責任ですし、適切なトレーニングをしていただくことも僕らの責任です。この寄り添いかたは、RIZAPならではだと思います。
――トレーナーのスタンスを根本から変えたわけですね。
幕田 そうですね。「もっと、こういうサービスを作りたいよね」という瀬戸の想いを形にした感じですね。
――瀬戸代表が、最初からRIZAPを形づくるコンセプトをお持ちだったのはすごいですね。
幕田 ちょっと手前味噌になりますが、瀬戸のすごいのは、つねに徹底してお客様目線のところです。僕らは、すぐにフィットネス業界の常識で考えてしまいがちなので、瀬戸のような発想はありませんでした。瀬戸は、自分も痩せたい側ですし、「こんなものがあったらいいな」ということが、つねにお客様目線から出てくるのです。そうしたアイデアが、現在ではRIZAPの強みといわれるサービスになっていきました。
――瀬戸代表のアイデアと幕田さんたちの専門的な知識や経験が、うまく融合されていったわけですね。僕も実際にチャレンジしてわかったのですが、“結果にコミットする。”というキャッチコピーを掲げられているからには、トレーナーさんはものすごく体育会系で、厳しいというか、スパルタなのかなと思っていました(笑)。でも、ぜんぜんそんなことはなくて、皆さんとても応対が丁寧ですよね。
幕田 はい。『龍が如く6』に出てくる僕はちょっと上から目線な感じもありますが、あれはゲームを盛り上げる演出の部分もありまして……(笑)。実際には、まったくスパルタではないです。ダイエットは単発では結果が出ないので、長く続けてほしいのですけれど、正しいことが長く続くかというと、これはまた別の話だと思います。多くの方々は、正しいとわかっていても、おもしろくなかったり、気負わずにやれないと、途中で挫折してしまいます。お客様には日ごろのセッション(トレーニング)が少しでも楽しく、かつ、少しでも「将来のためになりますよ」ということを、しっかりお見せできるように心掛けています。
――実体験をしてみると、セッションでストレスを感じることは皆無ですね。何より、しっかりと結果が出るのが楽しくてしかたないという。
幕田 ありがとうございます。そういっていただけると、とてもうれしいです。
――最初のセッションは、「軍隊に入隊する!」くらいの心持ちで緊張して臨んだのですが、まったくの杞憂でした(笑)。
幕田 そう思われている方がけっこういらっしゃるのですが、ぜんぜんそんなことはないです(笑)。
――RIZAPにはたくさんのトレーナーさんがいらっしゃいますが、幕田さんは統括的な役割をされているそうですね。日ごろ、トレーナーさんに対してどのような指導をされているのでしょうか。
幕田 いろいろとありますが、よく話しているのは、「お客様から何キロ痩せたいという目標をうかがったら、なぜその体重まで痩せたいのかをちゃんと聞いてください」ということですね。たとえば、事前のカウンセリングで「とにかく10キロ痩せたい」と仰られる方も多いのですが、そういう動機で始めると、途中で「自分は何のために痩せようとしているんだっけ?」という想いに駆られて、挫折してしまったりするんです。
――目標を見失ってしまうと。
幕田 自発的にダイエットされるお客様には、10キロ痩せたいと思ったきっかけがあるはずなんです。たとえば、同窓会があるとか、着たい服があるとか、もっと自分を高めたい、のような。人それぞれ理由はいろいろあると思うのですが、本来はそちらが目的であって、“何キロ痩せる”というのは、あくまでそれを叶えるための手段でしかないわけです。“何のためにダイエットを始めるのか”をご自身の中で明確にしていただいて、トレーナーに共有していただくことがとても大事ですね。これがちゃんと共有されていると、挫折しそうになったときや、辛いと思ったときの励みになり、ダイエットは成功しやすくなると僕は思っています。僕がトレーナー教育をするうえで、すごく大切にしているのは、この動機づけの部分なのです。
――確かに、よくわかるお話です。トレーナーの皆さんは、どこか研修センターのようなところで教育を受けるのでしょうか。
幕田 そうですね。入社してすぐに店舗に配属されるのではなくて、1ヵ月ほど研修をします。この研修にはテストがありまして、合格できない場合は1ヶ月のカリキュラムをもう1周してもらいます。トレーニングや食事・メンタル面など多岐に渡る知識と技術、そして接客のしかたをしっかりと身につけないと、お客様を担当できないようにしています。
――なかなか厳しいですね。
幕田 そこはもっともこだわっている部分ですね。ちなみに、最初の研修が終わっても、さらにトレーナーとしてレベルアップできるようになっています。様々な悩みをお持ちのお客様に、しっかりと対応できるトレーニングの幅を広げるイメージですね。たとえば、ダイエットではなくて、逆に増量したいという方もいらっしゃいますし、脚に特化して美脚になりたいという方もいらっしゃいます。そうしたご要望にもお応えできるように、トレーナー教育の環境を整備しています。
――トレーナーさんは体脂肪が何%以下でないといけない、というようなレギュレーションがあったりするのでしょうか。
幕田 とくに会社としては設けていませんが、職業柄、しっかりと自己管理をしているスタッフが多いですね。当然、運動好きのスタッフが多いですし。
――やっぱり、トレーナーさんがポチャッとされていたら、「ちょっと……」という感じになりますよね(笑)。
幕田 そうですね(笑)。店舗スタッフ以外の本社メンバーも、デスクにはサプリメントやプロテインを置いていますね。たまに、食事に誘うと「いま低糖質中だから、控えているんです」と断られたり(笑)。つねに体型を維持したり鍛えたりする雰囲気は、トレーナーを含めて社内全体にありますね。
『龍が如く』キャラクターと共演できた喜び
――『龍が如く6』に関するお話もお聞きしたいのですが、コラボ企画が始まる前に、『龍が如く』というゲーム自体はご存知でしたか。
幕田 もちろんです。テレビCMや飲食店とのコラボも多いですし、ゲームを遊ばなくても知っている方が多いイメージがあります。じつは、今回のコラボでは、ゲーム内で登場するトレーナーを社内オーディションで決めるというアイデアもあったのですが、実現していたらすごい応募数になっていたと思います。『龍が如く』シリーズは、それくらいトレーナーのあいだでも知られています。
――結果的には、幕田さんが統括トレーナーとしてゲームに出演されたわけですが、社内の反応はいかがでしたか。
幕田 僕が『龍が如く6』に出演させていただいたことは、とくに社内告知的なことはしていなかったんですが、それでも多くのトレーナーから「見たよ!」と言われました。「印象が違う」とか、「あんなにカッコよくない」なんてことを言われることもありました(笑)。
――なるほど(笑)。ご自身の感想はいかがですか。
幕田 改めて考えると「ゲームの中にいるんだ……」と不思議な気持ちになりますね(笑)。でも、すごいことですよね。とても光栄です。桐生さんを始め、『龍が如く』の登場人物は、すごく体が大きくて強いじゃないですか。僕は小柄なので、ああいう人たちに憧れがあるんです。ですので、ゲームの中で会話をしたり、トレーナーとして関われることには、格別なうれしさがありました。あとは、トレーニングに使う器具や店内の雰囲気の再現度が高くてびっくりしましたね。
――実際のお店に行ってみると、本当にゲームと同じ雰囲気で驚きますね。フロントや廊下の照明の感じなど、そっくりそのままで。ちなみに、RIZAPはお店の雰囲気がすごくいいですよね。
幕田 ありがとうございます。内装については、瀬戸のこだわりがありまして、高級ホテルを意識した作りになっています。内装そのものだけではなく、たとえば、ホテルのラウンジに香りがあるように、RIZAPジムにも香りをつけたりですとか、洗面台やシャワールームのアメニティにもこだわっています。
トレーナーさんはゲーム内より丁寧で優しい?
――『龍6』でのRIZAPの再現度はとても高いと思うのですが、逆にここはちょっと違う、というところはありますか。
幕田 先ほどもお話した通り、ちょっと僕が強めというか、上から目線な感じになっている点ですかね……(笑)。本当は、もうちょっと丁寧な感じだと思っていただけるとうれしいです!
――桐生さんを通じて体験できるトレーニング内容も現実に則した内容ですよね。
幕田 そうですね。そこは『龍6』の開発スタッフの方に取材していただき、きちんと再現しています。ゲーム内では6つの種目が選択できますが、基本的には、実際のセッションでもほとんどの方が行っている代表的なトレーニングですね。ただし、“スクワットジャンプ”だけは、RIZAPで提供することはほぼないのですが、特別に桐生さん用にやらせていただきました。なかなかハイレベルのエクササイズです。
――『龍6』の仕様でとてもおもしろいのが、RIZAPチャレンジと、桐生さんの食事がきちんとヒモづいているところですが、それはまさにRIZAPの考えかたでもありますよね。
幕田 そうですね。
――ずっと気になっていたのですが、ゲーム内では、桐生さんが白米やお蕎麦などの炭水化物をけっこう食べますよね。あれはちょっと食べ過ぎじゃないですかね(笑)?
幕田 桐生さんくらい鍛えられた方ですと、トレーニングはバルク(筋肉を増やして体を大きくすること)のコースになると思いますので、筋肉を大きくするために一定の炭水化物を取ったほうがいいんです。もちろん、ゲーム的な演出もあると思いますが、筋肉を増やすためには、あながち間違いではないですね(笑)。
――なるほど(笑)。人によってトレーニング内容には違いがありますが、桐生さんぐらいになるとああいった形になる、ということですよね。
幕田 そうですね。逆に食べていただきたいです。
RIZAPのダイエットはゲーマー向き?
――せっかくの機会なので、読者に役立ちそうなお話もお聞きしたいのですが、ゲーマー向けにおすすめのストレッチなどはないでしょうか?
幕田 ゲームは、イスなどに座って前かがみの姿勢で遊ぶことが多いと思います。この体勢では、胸やお腹の筋肉が縮まっているんです。縮めている筋肉はだんだん柔軟性がなくなってくるので、時々は意識して逆の動きをしてあげるといいと思います。手を後ろで組んで胸を張るような動作などは、ストレッチ効果が高いですね。あとは、短時間でも空気イスの姿勢でゲームをするとか(笑)。
――いや、それはなかなかたいへんだと思います(笑)。
幕田 ちなみに、体が痩せてくると、仕事がうまくいくようになったとかいうお声をいただくことがあるんです。あとは、自分の生活が規則正しくなったという方もいらっしゃいます。もしかすると、少し体を動かして痩せたりすると、ゲームプレイのパフォーマンスも上がるかもしれないですね。
――たしかに、ゲームプレイは集中力が重要なので、体力がアップするとパフォーマンスが上がるかもしれないですね。それと、実際にトレーニングを体験して感じたのですが、RIZAPのやり方は案外ゲーマーに向いていると思うんですよ。
幕田 そうなのですね! ぜひ、みなさまにオススメです。
――食べたものをRIZAP専用のアプリに入力して、たんぱく質、脂質、糖質の三角形を埋めていく感じは、ゲームキャラの育成でパラメーターを振り分ける感覚に近いですし、高タンパク低糖質の食べ物をあれこれと探すのも、より効果の高いアイテムを探す感じにちょっと似ていて(笑)。
幕田 確かに、食事バランスのグラフは分かりやすく可視化されるので、おもしろいですよね!
――とくに栄養を摂る部分が顕著だと思いますが、いかに三角形からはみ出さずに食べたいものを食べるかを考える感じは、けっこうゲーム的な発想だと思います。
夏に向けて体作り、どうすれば?
――だいぶ暖かくなりまして、これから夏に向けて体に作ろうと考えている方が多いと思いますが、しばらく運動していない人は、何から始めたらよいでしょうか?
幕田 やはり、本当に運動をしていないという方は、最初のトレーニングは指導者をつけたほうがいいと思っています。ケガの防止や安全面・効果面からもそのほうがいいと感じています。
――たしかに、同じ運動をしているように見えても、ちょっとした姿勢とか、力の入れかたによって、まったく効果が違いますからね。
幕田 フォームひとつで効く場所がぜんぜん変わってきますし、教わらないとわからないことはたくさんあります。トレーニングがひさしぶりの方や、初めての方には非常に効果的だと思います。
――言われてみると、RIZAPの導入期でのトレーニングでは、筋トレのフォームを固めることにすごく重点を置かれていますよね。
幕田 そうですね。そこが固まってしまえば、どこにどう効かせるのが効果的かわかると思います。フォーム固めを疎かにすると、効果がないうえに危険なんです。
――それでは最後に、夏に向けてダイエットを考えている方に向けて、アピールをお願いします。
幕田 RIZAPは、じつは楽しく手軽にできるので、気負わずに来ていただければと思います。もしご来店いただけましたら、しっかりと思い通りの体にデザインさせていただきます。目標にあわせてプログラムを作成させていただくので、ダイエット目的の方は、まずは痩せることから始め、その後は筋肉を付けていきますし、もっと身体を大きくして筋肉を付けたい! という方向けにも体を大きくするメニューをご用意しています。もちろん、桐生さんのようなムキムキボディーになりたい! という方もお待ちしておりますので、よろしくお願いします。