先行ベータは9月5日午前2時まで開催中
約10年ぶりに第二次世界大戦を題材として扱うことになった、ミリタリーFPS『コール オブ デューティー』(以下、『CoD』)シリーズの最新作『コール オブ デューティー ワールドウォーII』(実際には日本未発売の『Call of Duty: World at War』というのもあるが、まぁそれは置いといて……)。
その発売に先駆けて、日本国内も含めて2回に分けて行われた先行βテストを実際に触ってみたので、感想などをつらつらと書いていこうかと思う。というか、遊びながら書いているんだけどね。
先行βテストで遊べたモードは以下の通り。
・TEAM DEATHMATCH(チームデスマッチ)
・DOMINATION(ドミネーション)
・HARDPOINT(ハードポイント)
・WAR(ウォー)
・MOSHPIT(モッシュピット)
・KILL CONFIRMED(キルコンファームド。MOSHPITのプレイリストで登場)
『CoD』シリーズ伝統のチームデスマッチやドミネーションといったモードは、多くのゲームでも採用されていることもあり、ゲーマーにとっては釈迦に説法かもしれないが念のために説明しておきたいと思う。
チームデスマッチはシリーズを遊んでいるゲーマーだけでなく、オンラインシューターを好んで遊んでいる人にとってはお馴染みのモード。規定のポイントに到達するまで、ひたすら敵陣営のプレイヤーを倒し続けるのが目的。
ドミネーションは、チームデスマッチと同じマップを使用しマップ上にある3ヵ所ある拠点(旗)を制圧するのが目的。この拠点を制圧すると、一定時間ごとにポイントが自軍へ加算されるため、敵陣営よりも多くの拠点を支配下に置くことを目指す。
ハードポイントは、マップ上にいくつかある候補地の中から制圧場所がローテーションで指定され、そこを両陣営で奪い合うキング・オブ・ザ・ヒル形式のモード。ドミネーションに近い感覚で遊べるが、出現する拠点が1ヵ所ということもあり、参加者がつぎつぎとなだれ込むため乱戦は避けられない。
モッシュピットは、上記モードのほかに、敵を倒した際に落とすドッグタグを回収するKILL CONFIRMED(キルコンファームド)が収録されていた。
これらのモードを実際にプレイしたが、先行ベータに収録されていたマップはどれも狭めで、試合開始後に接敵するタイミングもかなり速かった。近~中距離での銃撃戦が多めということもあり、実際の戦場でも激戦区だった場所で生き続けることが難しいということを考えさせられたりさせられなかったり……。というか、正直リスポーン位置のバランスどうなんでしょうと思ったりも。
そんな訳で、死なずに連続で敵を倒していくなどして得られる、ご褒美のスコアストリーク“空挺部隊”(AI制御の兵士が、パラシュートでマップ上に降下して戦ってくれる支援ストリーク)なんて呼ぶこともできず。製品版で呼び出したいなぁ。
さて、いくつかあるゲームモードの中でも筆者がとくに楽しんで遊んでいたのが、新モードの“War”だ。こちらは、前述の2モードとは打って変わって、ストーリーベースで進行する。段階的に変わる目標を巡りを、攻撃側と防衛側に分かれて体験するわけだが、ゲームモードの詳細については下記の動画を見ていただければ、理解できるはず。
攻撃側は連合軍部隊の一員となり、ドイツ軍の制圧下にある町を確保することが目的。一方の防衛側のドイツ軍は、連合軍の進撃を阻止することで勝利となる。
とにかく楽しかったのが攻撃側で、籠城をして有利な位置を確保しているドイツ軍に対し、どうにかして前線を押し上げていくのが、まさに“戦争”という雰囲気を感じさせてくれる。
最初の目標ポイント(司令部)となるドイツ軍の建物を制圧するときは、一定時間敵の侵入を阻止しなければならず、屋内に窓越しから次々と放り込まれるポテトマッシャー(ドイツ軍の使う柄の長い手榴弾)に右往左往。命がいくつあっても足りない!
続く、ドイツ軍に崩されてしまった橋を新たに設置するときも、周囲の建物からひたすらスナイパーライフルや機関銃で狙われ、ハチの巣状態。対抗策としてスモークグレネードを使用するも、問答無用で適当にバラバラと撃ち込まれるのはまさに地獄だった。運悪く味方がスモークグレネードを持っていないときなんて蹂躙され続けるため、「なんだ、最初の司令部は地獄の一丁目だったのか……」なんて思ったりもする。
司令部と橋を占拠し、その後は味方と力を合わて弾薬庫の爆破に成功。最後は、戦車を護衛しながら目標到達ポイントまでは運ぶことになる。見事戦車をポイントまで誘導できると、ドイツ軍の高射砲陣地を破壊し勝利となるのだ。この、激戦をくぐり抜けて無事ミッションを終えられたときの“ひと仕事終えた”感は、かなり強い。これまでのモードでは感じられなかった、達成感が味わえる。
一方、防衛側でプレイするときは、連合軍に対していかに"イヤラシイ攻撃"を重ね、前線を押し上げさせないかが楽しい。とくに、橋の防衛で設置にくる連合軍の兵士に対し、上半身にさえ銃弾が当たればワンショットで倒せるスナイパー“Commonwealth”を用いての狙撃は痛快だ。ひたすら「目標をセンターに入れて、スイッチ」しているだけですわ。
しかしながら、敵の猛攻に飲まれて橋を突破されてしまうと、マップの形状的に攻撃側のほうが有利になりやすい印象を受ける。連合軍の進撃を止めるのが非常に難しくなるのだ。だが、ここで厳しい戦局をなんとか乗り越え、防衛しきれたときの嬉しさはひとしお!
前述したことのくり返しにもなってしまうが、これまでのシリーズ作品とは毛色のちがう対戦形式となる新モード“War”。さまざまな目標に対して、チーム一丸となって戦うのは勝っても負けても非常に楽しい。もちろん、従来の対戦形式も楽しめるのだけど、いまは新たに搭載されたこのモードをじっくりと遊んでいきたいなと思う。
あ、本作を遊ぶ前に、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を題材にした海外映画『バンド・オブ・ブラザース』を見ておくと凄く高まると思うので、ぜひどうぞ!
※『バンド・オブ・ブラザース』公式サイト
そして、今回のテストでは触れられなかったが、個人的に楽しみにしているのが旗取り戦のCAPTURE THE FLAG(キャプチャー・ザ・フラッグ)モード。8月中にドイツで行われたGamescomの会場では、プロチームを招き世界初お披露目となる対戦模様が生中継された。う~~~ん、早く旗を巡って戦いたいなぁ。
プレイスタイルと師団
本作のマルチプレイを遊ぶとき、最初にプレイヤーは“ディビジョン(師団)”を選ぶことになる。このディビジョン(師団)とは、プレイヤーが操作するキャラクターの属している兵種のことで、それぞれ所持している武器や性能は異なっている。簡単ではあるが、以下にまとめてみた。
・歩兵
ライフルでの攻撃を主体としたオールラウンダー。使い続けることで、メインウェポンに装着できるアタッチメントが増えたり、追加の弾薬を携行できる。
・空挺
サブマシンガンを所持。近~中距離での戦いに長けた兵種。サブマシンガンにサプレッサーを装着できたり、ダッシュの持続速度が長くなったりする、ポイントマン的存在。
・機甲
ライトマシンガンを持つ。敵の投擲物に対して耐性があり、爆発・炎上に対してのダメージを減らすことが可能なタフガイ。
・山岳
スナイパー。レベルを上げると、敵の偵察機に発見されにくくなり、物音を立てずに移動できるようになる。上半身にヒットさせれば一撃で敵を排除できるスナイパーライフルも登場するので、強力。
・派遣
ショットガンを持つ近~中距離戦が得意な兵種。被弾した敵に手痛いダメージを与える焼夷弾が凶悪で、先行βテストでは猛威を振るった(間近で撃たれると凄まじいエフェクトで表示されてビビってしまう)。
筆者が主に選択していたディビジョン(師団)は、歩兵と空挺のふたつ。空挺はひたすら走り回り、サブマシンガンで敵にドドドッと鉛玉を撃ち込み即逃げるといったヒットアンドアウェイ戦法が取りやすい。ダッシュも長続きするので、上手く立ち回れたときは気分爽快。
歩兵はというと、M1ガーランドのクリップ音(弾を撃ち尽くしたときのアレ)がとにかく好きなので、使っていたという感じ。
ゲームを遊びディビジョン(師団)のレベルを上げると、歩兵師団に所属していても狙撃銃を装備できるようにはなる。しかし、ゴチャゴチャしちゃう感じなので、僕は師団にあった武器を装備させている。まぁこの辺はそれぞれの好みといったところかな。
ちなみに、ディビジョン(師団)を選ぶ際に、“基礎トレーニング”の設定も可能。これは、従来のパークシステムに置き換わるもので、対戦を重ねることで獲得したアンロックトークンを消費すると、習得できるシステムだった。
先行βテストでは、14の基礎トレーニングが用意されていたが、筆者は無駄弾もバカスカと撃ちまくるトリガーハッピーっぷりだったので、倒した敵から弾薬を補充する“フォーリッジ”を選択していた。これはこれまでに登場した“スカベンジャー”と同じ効果を持つ基礎トレーニング。ほかにも、名称は違えど過去作で収録されたパークの効果を持つ基礎トレーニングが確認できた。
これ以外にも、サブウェポンの代わりにメインウェポンをもうひとつ持つことができるトレーニングや、ミニマップの表示範囲が広がるトレーニングまで色々なものがある。前者は接近されると対処が厳しくなる“山岳”に、セカンダリとしてサブマシンガンを持たせたりといった工夫もできる。使用する師団やプレイスタイルに合わせて、組み合わせていきたいところ。
そんな感じでプライベートβテストを遊んでみたわけですが、最近のシリーズ作品は所構わず飛び上がったり壁を駆け回ったりという派手なものだったのに対し、本作は第二次世界大戦をテーマにしていることもあり、近未来や現代戦に馴染んだ人からは地味に見えだろう。
だが、ファストペースで目まぐるしく展開されていく戦闘は、シリーズ作品に引けを取らないゲームテンポとなっていることは確かだ。そして、そのコアとなる銃撃戦の部分は過去のシリーズ作品から変わっておらず、遊んでいると"いい意味でも悪い意味でも"「あぁ、『コール オブ デューティ』だねこれ」といった印象を受けた。
まだまだ触れていないキャプチャーザフラッグやゾンビモードなど、ストーリーモード以外にも早く遊んでみたいモードが待ち構えている。当方の受け入れ体制は整っている。あとは発売日を待つだけだ。