海外インディーパブリッシャーのMerge Gamesが、SteamでPC用シミュレーションゲーム『RIOT - Civil Unrest』のアーリーアクセスを開始した。現時点での対応言語は英仏伊独西で、日本語には非対応。
本作は、デモ隊と暴徒鎮圧部隊の衝突を描く暴動シミュレーションゲーム。デモ隊と鎮圧部隊の双方がプレイ可能で、世界各地で起こった現実の政治的衝突に題材を得たキャンペーンモードのほか、ローカル対戦モードを搭載。また、自分でシナリオを作ってシェアできるエディターモードも存在する。
本作のゲームプレイを簡単に説明するなら、「リアルタイムストラテジー的な操作で行う陣取りゲーム」というのが近いだろう。デモ隊側・鎮圧部隊側双方に攻防のシナリオがあり、例えば鎮圧部隊が攻撃側のシナリオでは、「制限時間内にデモ隊が陣取るエリアに乗り込んで一定時間保持する」といった目的が設定されている。
基本はマウス&キーボード操作で(ただしPC用ゲームコントローラーにも対応している)、左クリックでユニット(グループ)を選択し、右クリックで移動先を指定して動かしていき、1から4の数字キーでスキル発動といった感じ。(攻撃側で鎮圧部隊なら)そうやって催涙スプレーを使ったり、突撃して退かせたり、あるいははみ出てきた暴徒をしょっぴいたりしながら、ジリジリとラインを上げてエリアを奪いに行く。
もちろんデモ隊も火炎瓶などのスキルを使ってくるし、ユニットが著しくダメージを受けた場合などは、指令に関わらず前線から一時撤退してしまうこともある。単に一直線に全隊を進めればいいわけではなく、各所で小競り合いをくり返しながらじんわりと群衆コントロールしていく腕が求められるのだ。
使えるスキルやユニット編成の内容に多少の違いはあるが、やることの基本はデモ隊側も大体同じだ。数で押し寄せるデモ隊側と、装備に優れた少数精鋭で臨む鎮圧部隊側、どちらもプレイすることで、積もり積もった怒りを爆発させて暴徒と化した群衆の怖さと、圧政や腐敗すらも押し通す本気になった時の国家権力の恐ろしさを味わうことができるだろう。
どちらにしても、ひたすら不穏な空気の中で競り合って、勝った所でそう輝かしい栄光が待っているわけでもない、勝利なき戦いがそこにあるという激渋なゲームだ。
本作はもともとイタリアのLeonard Menchiari氏の個人プロジェクトとして開発され、アーリーアクセス版の製品化にあたってはIV Productionsが開発に加わっている。あくまでアーリーアクセス版ということもあって、まだ変な所でユニットが引っかかってしまったりするのはご愛嬌。プレイ後にはフィードバック用のページが開くようになっているので、英語でフィードバックできる人はぜひ投稿してみて欲しい。