2018年8月21日~25日(現地時間)ドイツ・ケルンメッセにて開催されたヨーロッパ最大規模のゲームイベントgamescom 2018。その日、記者はビジネスエリアのユービーアイソフトブースにいた。『Trials Rising』を試遊するためだ。
『Trials』シリーズというと、記者の頭にすぐに浮かんでくるのが2009年にXbox Live アーケードタイトルとして配信されたXbox 360用ソフト『Trials HD』。当時、ファミ通Xbox 360編集部で大ハマリしていたのを記憶している。『Trials』は超難関コースを、モトクロスバイクで攻略していく横スクロールバイクアクション。バイクは物理エンジンでリアルに再現されており、前後のバランスをいかにうまく取りながらスピードを出したり、トリックを決めていくのかがキモとなる。たとえば、重心が後ろにあるときに体重を後ろに預けるとそれはコケるでしょう……という感じだ。当然頭ではわかっているのだが、何しろコースが「これでもか!」というくらい起伏に富んでいたりトリッキーなものが多いので、頭でわかっていてもなかなか指先が反応してくれない(ときに頭も反応しないけど)。そんなふうにもどかしい思いをしつつも、クリアーを目指して何度でもトライしていくのが、『Trials』の魅力と言える。
そんな人気シリーズの最新作が、2019年2月12日にXbox One、プレイステーション4、Nintendo Switch、PC向けにリリースされることがアナウンスされた『Trials Risng』だ。「コミュニティーのために作りました」と、ユービーアイソフト・キエフのプロデューサー、オレクサンダー・シュベリオ氏が語るとおり、実際のところ本作は、シリーズ最多となるコース数が収録されているほか、カスタマイズ要素も豊富。さらにコースエディタ機能も進化と、大充実の内容となっている。
全世界のコースを転戦していくことになる本作。デモバージョンではいくつかのコースが点在しており、大西洋を真ん中に据えたワールドマップの左側から右側にいくほど難しいコースになるとのこと。コースはイエローストーン公園のカルデラやパリのエッフェル塔など、それぞれの地域をモチーフとしたコースになる。デモ版には日本のコースはなかったが、「製品版ではありますよ」とオレクサンダー氏。
何よりも楽しいのがこのコース。各コースはバラティーに富んでおり、「こんなコースもあるのか!」とびっくり。実際には絶対にありえないようなコースの数々は、見ていて本当に楽しい。とんでもなく奇想天外なコースもあり、「これ、攻略できるのかしら……」と思ったり。以下、オレクサンダー氏におねだりしてプレイしてもらった、デモプレイの映像を紹介する。この映像を見るだけで、本作の楽しさがわかっていただけるのではないかしら。
さて、本作のさらなる楽しさは、ローカルマルチプレイによる“タンデムバイク”。こちらはプレイヤーがふたりで1台のバイクに乗ってコースを攻略するという、とんでもないモード。「夫婦で遊んだら喧嘩になりそうですね……」と、記者が思わずつぶやいたら、オレクサンダー氏がにっこり。息が合わなかったらプレイヤーどうしが、喧々諤々となること必至のゲームモードだ。「遊んでみますか?」と誘われるままにオレクサンダー氏との“タンデムバイク”を挑戦してみるも、ひとりでうまくできないことが、ふたりでうまくいくはずもなく……ということで、失敗の山積み。「基本は、ひとりプレイの要領と変わらないですよ」とのアドバイスを受けて、なんとかコースの中ほどまで達するのがせいぜい。そこで気がついたのが、試行錯誤をしながら、相手と息を合わせる必要があるのだということ。つまり、「これって、夫婦の機微といっしょじゃないか!」と、なんとなくわかったような気になったのでした。
というわけで、残された時間はとにかく黙々とプレイ。「つぎは成功するはずだ」、「こうすればうまくいくのでは?」と、何度もトライ&エラーをくり返すのがなんとも楽しい。試遊をしているほかのメディアから、悔しさのあまり「うわっ!」とか「ああ!」とか声が漏れるのもよくわかる。『Trials Rising』は、思わず声が出てしまうほどにアツくなってしまう1作だ。
というわけで、最後に現地で収録した『Trials Rising』のプレイ動画をお届けする。ご覧いただくのは3本。1本目は、ユービーアイソフト・キエフのプロデューサー、オレクサンダー・シュベリオ氏の模範プレイ。「日本のファンのために模範プレイを!」とお願いしたところ、快くお受けしてもらったもので、さすがの腕前を披露している。「たくさんプレイしているから」とのことで、最後に少しだけミスしているのはご愛嬌ということで。
2本目が、本文中でも触れている“タンデムバイク”。こうして改めて見ると、悪戦苦闘ぶりがわかる。とくにスタート時にうんともすんとも動かないところは、息の合っていなさを感じて思わぬ苦笑。カップルや友だち、親子で遊んだら楽しいだろうなあー。
そして最後は、少しお恥ずかしながら記者の残念なプレイを。これも『Trials Rising』の魅力ということで。くり返しになるが、試行錯誤が楽しいタイトルなのだ。