2019年9月15日、プロゲーミングチーム“DeToNator”を運営するGamingDは、沖縄ファミリーマートとのスポンサー契約締結を発表した。

 発表会はSamsung SSDと共同出展した東京ゲームショウ2019のブースで実施。前日にはアパレルブランドと配信・イベント用施設の立ち上げを発表しており、2日連続の大きな展開はファンを驚かせた。

・ファミ通.com 東京ゲームショウ2019特設サイト

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代表の江尻勝氏(左)をはじめ、所属ストリーマーの4人もファミリーマートの制服を着用。いらっしゃいませー。

 これまでのDeToNatorは競技シーンへの挑戦やゲーム配信に力を入れてきた。より長期的な成長を図るため、今後はゲームイベントを活用した“地域活性化”にも踏み込みたいという。

 沖縄ファミリーマートは、沖縄県で不動産賃貸業などを営むリウボウとファミリーマートの出資で設立された会社だ。ラッピング店舗開設や沖縄オフィス設立も視野に入れ、まずは南の地からゲーマーの勢いを底上げしていく。

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リウボウホールディングス代表取締役会長 糸数剛一氏よりビデオメッセージが寄せられた。「ゲームは日本人のライフスタイル(の一部)。沖縄ファミリーマートとしてもできることを全力をやって、ゲーム文化の発信・拡大を!」と、力強くコメント。そして、シャツがおしゃれ。
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沖縄ファミリーマートを代表して、社長付特命部長の比嘉智氏が登壇。

 沖縄ファミリーマート 社長付特命部長の比嘉氏によると、沖縄ファミリーマートはいろいろと新しい取り組みをしてきた会社らしい。

 たとえば、レジ横で売られているチキン。ファミチキの先輩にあたるフライドチキンは沖縄ファミリーマートで生まれ、その後に全国展開している。また、店頭での挽きたてコーヒー販売も同社が発祥だという。

 いまや当たり前となったコンビニの光景は、沖縄ファミリーマートから誕生したのだ。

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新しいことをして道を切り開くという意味でも、DeToNatorとも相性がよさそう。

 協賛の目的はおもに3つ。

ゲームを通した地方活性化。若者応援。
 ある調査では、沖縄県の15歳から24までの若者のおよそ半数がゲームを趣味と挙げる。「ゲーム関係の仕事に就きたい」という声も多いそうだ。

 沖縄県は野球やサッカーのキャンプ地としても知られている。経済効果もさることながら、若年層への影響も大きい。プロ選手と間近に接することで、子どもたちの夢が現実と地続きになるからだ。

 DeToNatorとの交流によって本気でゲームに取り組む若者の背中を押し、成長の道筋を作っていきたいのだろう。

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まじめに聞くStylishNoob氏とSHAKA氏。

若者とのコミュニケーション戦略
 沖縄ファミリーマートがコンビニ事業を初めて32年になる。「経営戦略を立てる人がおじさん化しているんですよね」と、比嘉氏。

 ビジネスの世界では若者や学生を“育成層”と呼ぶ。若者とコミュニケーションを図り、感性を取り入れ、将来的にも沖縄ファミリーマートを利用してもらいたい。

 若者は何を考えて、どういう行動を取るのか。若者が好きなゲームを通して学ぶべきことはたくさんある。

県外への情報発信。沖縄ファミマを観光目的地に。
 沖縄県はリゾート地であり、アジアの玄関口でもある。観光客数は6年連続で過去最高を記録しており、2018年度は999万9千人を記録。およそ7割が日本人とのこと。

 県外から訪れた観光客に、「せっかくだから沖縄ファミマに寄ってみよう」と、足を運んでもらいたいのだという。

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妙に神妙な顔のYamatoN氏とSPYGEA氏。

DeToNator×沖縄ファミマの6プラン

 沖縄ファミリーマートの本気さが語られたところで、2社の取り組み内容が発表された。2019年10月から2020年にかけて検討中のプランは、全部で6つ。

DeToNatorゲーミングデバイスコーナー設置(2019年内実施予定)

 DeToNatorを支援する企業のゲーミングデバイスをファミリーマートで販売しようというアイデア。

 ゲーミングデバイスは購入前に使い心地を確かめたいものだが、地方はどうしても取り扱い店舗が限られる。コンビニで気軽に触れるのはいいかもしれない。

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店舗ラッピング(2019年内実施予定)

 店舗の外装や内装をDeToNatorイメージで統一しようという企画。大型IPのキャンペーンなどで採用される施策だ。

 イメージ画像を初めて見たストリーマーたちが「こんな……いいんですか?」と困惑するほどDeToNatorを推している。比嘉氏は「はい、ぜひやらせてください」前向きだった。まさに、ここを観光の目的地にしてもらいたいのだろう。

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店舗外観のイメージ画像。
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SPYGEA氏は「まじ!?」とばかりにモニターを覗き込んでいた。
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喜びを隠しきれないYamatoN氏の横で、事の重大さを噛み締めるSPYGEA氏。
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店内イメージ。棚の商品が少ない気もするが、きっとファンが押し寄せた後なのだ。売れ売れである。

DeToNator沖縄オフィス設立(物件探し中)

 沖縄にオフィスを構え、そこからメンバーが配信。ゲームのおもしろさを伝えるのは当然として、沖縄ファミリーマートの関連商品や沖縄そのものを紹介していく。DeToNatorのフィルターを通して沖縄のよさを感じてもらうのが目的。

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StylishNoob氏は感想を求められるたびに「いらっしゃいませー」でかわしていた。

デトネーター塾2020 沖縄開催

 DeToNatorは教育分野も大事に考えている。2018年10月に小中学生が対象の『Fortnite』講座を実施したことがあり、その沖縄版を企画中とのこと。

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DeToNatorコラボ商品発売!?

 商品を作るのはさすがにハードルが高いように感じる。それでも「もう商品部の担当者も決まっています」と語る比嘉氏が頼もしい。いまはどういう商品がゲーマーに喜ばれるか、調査中だそうだ。

 ストリーマーたちの希望は以下の通り。

StylishNoob「DeToNatorスナック。何とかチップスみたいな。(おまけカード用の)写真撮るとき、ポーズとりますよ」

SPYGEA「飲みものを出してみたいですね」

YamatoN「インスタント食品的なやつがほしいなと思いました。おかゆみたいな」

SHAKA「弁当じゃないすか」

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どんな商品が仕上がるか楽しみだ。スクリーンに映る比嘉氏は悩ましそう顔をしているが。

DeToNatorファンミーティング in 沖縄(2020年実施予定)

 沖縄ファミリーマートの協力を得て、沖縄県でファンミーティングイベントを開催予定。「沖縄ならではのイベントをやりたい。発表できる段階になったらご報告します」と、江尻氏。

 なお、僕はよく地方イベントを取材している。スライドを見た瞬間に「沖縄出張か!」と心が躍った。

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「海行きたいな!」と本音を隠さないSHAKA氏。

 最後に、比嘉氏は協賛を決めた理由を教えてくれた。それはメンバーと会食をしたときのこと。やさしくて、まじめで、プロとしてゲームに真摯に向き合う姿に感動したのだという。

 DeToNator代表の江尻氏は、つねづね“人”が大事だという旨の発言をしている。沖縄ファミリーマートという大物を惹きつけた最後の決め手は、やはり“人柄”だった。

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DeToNator×沖縄ファミマ施策が実現した経緯についてキーマンを直撃

 発表会の終了後、沖縄ファミリーマートの比嘉智氏にお時間をいただいた。もう少し経緯を詳しく聞きたかったのだ。

比嘉智(ひがさとし)

沖縄ファミリーマート 社長付特命部長。文中では比嘉。

――ゲームファンの前で発表するのはどんな気持ちでしたか?

比嘉どれくらい反応があるか不安はありましたけど、みなさん、やさしかったですね。

――DeToNatorのファンは暖かい人が多いと思います。

比嘉そうですね。それは感じました。

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ステージイベント終了後、ファンサービスをするDeToNator。大勢のファンが行列を作り、順番にメンバーとコミュニケーションを図る。

――今回のお話は、沖縄ファミリーマートとDeToNator、どちらから持ちかけたんですか?

比嘉こちらからです。マンガ、音楽、ゲームだったり、若い人たち向けのコンテンツを考えていたときに、エヌジェイワンという会社とアドバイザリー契約を結んだんです。

 そこの担当さんから「DeToNatorさんがいいですよ」と推薦されたのがきっかけですね。直接お会いして話しているうちに、これはすごいなと。ビジョンや考えかたですごく似ている部分もある。業界は違いますけど、共感できるところがいくつもありました。

――あれ? エヌジェイワンというと○○さんですか?

比嘉仰る通りです。

――合点がいきました。記事では名前は出さないですけど、つまりDeToNatorの活動を長く見ていた方の仲介があったわけですか。

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DeToNatorのメンバーを見ていると、楽しそうに活動しているなと感じる。これはエンディングのひとコマ。SHAKA氏が『PUBG』韓国部門マネージャーのKH氏にファミリーマートの制服を自慢(?)していた。

――ステージではプランを6つ発表されましたよね。すべて実施が確定しているんですか?

比嘉ええ。動いてますね。ラッピング店舗はお店の選定を進めているところです。立地なんかも大切ですから。あとは時期。台風が来たり天候が悪い時期だと作業ができないので。

 ゲーミングデバイスの販売についても、商品担当といっしょにラインアップを検討中です。ついさっきもTwitterを見たら、地元のゲームファンの反応があったようなので、そういう方の意見を聞いたり、DeToNatorさんとも相談して進めていければというところですね。

――どういうものを買いたいか、お客さんからも意見を寄せてほしいということですか?

比嘉そうですね。小売業はお客様と接するじゃないですか。その感覚で、ゲームファンのお客様とも直接が交流ができます。大人(企業)同士で固まっていろいろ決めるより、ユーザーにいちばん近いところにいたいんです。

 ゲームを軸にマーケティングしていくとして、協賛のやりかたも調べたんですよ。動画配信、大会、チーム協賛。3つの中では、DeToNatorさんのような業界も現場もよく知っている方と組んで、ストレートにお客様に喜んでもらう方法を考えるのがいいだろうなと。

――お客さんとの接点を第一に考えたというのが、たしかに小売業っぽい。ところで、大きな会社だと決裁がたいへんじゃないですか。企画を通すのに時間はかかりましたか?

比嘉早いほうだと思います。最初に(ビデオメッセージを寄せた)糸数と、野崎という当社の社長と、私。この3人で話をして、どういう可能性があるか探りました。全体の方向性を決めて、決裁するメンバー(部門長など)が理解しやすいように資料を作って、みんなに納得してもらう。そういう動き出しでした。

 DeToNatorさんは全力でやられるんです。だったら、僕らも全力でやらないと。関係部署に話したら、意外と「これはやってみないとわからないね」という反応でした。

――読めない部分が多いというのはよくわかります。

比嘉それでも「ゲームがすごい」というデータをどんどん出したのがよかったのかなと思います。

 沖縄ファミリーマートでは、いままでとは違う案件の場合はすぐにトップと話して、自分たちのビジョンと合うか合わないかを見極めます。合わないようならプランを修正して、スタッフ側とも話をします。当然、あえて厳しい意見を出す人もいますので、納得がいくようにちゃんと話をする。

 それでも、どういう効果が出るかはわかりません。昔は「わからないからやってみよう」だったのに、いまは「わからないからやめておこう」となりがち。それは日本全体のよくないところかなと思います。

――そういう空気は感じますね。守りに入ってしまうというか。

比嘉だから、「やってみよう」と。トップが経営の数値をきちんと把握したうえで、これだったらやれると判断しています。

――ゲーム好きなスタッフが上げた企画ではなく、上から下ろしていった話なんですね。

比嘉そうですね。でも、ただトップダウンで動いているわけではなくて、根拠と考えかたを示したうえで、社員たちの理解も得るようにしています。

――たとえば、どのようなお話をされたのでしょうか?

比嘉いまは“eスポーツ”という言葉が独り歩きしてニュースになっているような気がします。僕から話したのは、そうじゃないよ、と。

 ゲームファンのみなさんに沖縄ファミリーマートを好きになってもらう。あるいは、ゲームファンはファミリーマートにどうあってほしいのか。そういう意見をたくさん聞きたいんです。

 そのためには、我々がゲームファンから信頼されないといけない。信頼を得るためにチームへ協賛をするのであって、「eスポーツはスポーツかどうか」みたいな、国とか大人がするような議論はまた別の話。僕はそう思うんです。

 テレビCMでは伝わらない客層もいらっしゃいます。ゲームを通じて仲よくなって、謙虚に意見をうかがって、新しいファミリーマートを沖縄から作りたい。そして東京に向けて情報提供して、全体が変わっていくきっかけにしよう。そういう説明をしましたね。

――すごい! 理にかなっているし、失礼ながら、そこまで冷静に考えられているとは思いませんでした。“eスポーツ”という言葉に引っ張られる人は、ゲーム業界にも多いはずなのに。

比嘉大人たちも昔はゲームセンターに行ってるんですよ。みんながアマチュアとしてゲームを遊んでいると、競技のレベルが上がって、ルールができて、自然にプロ(リーグ)ができていく。そういう流れなんじゃないかなと思います。

 「eスポーツがすごい」ということだけではなくて、ゲームはれっきとした文化。それが若い人にとって重要だということを僕らは理解しないといけない。

 こういう話を社員向けに発表したら、課長クラスが息子にLINEで聞いてるんですよ。「デトネーターって知ってる?」って。そしたら「父ちゃん、これすごいよ!」って言われて、おじさんたちはやっぱりそうなんだと気づいたという(笑)。

――それ最高のエピソードですね。

比嘉おもしろかったですよ。一方で「うちの息子がeスポーツ選手になりたいって言っていて、複雑なんです」という声もあって。

――不安な気持ちも理解できます。不安な親御さんには、塾などの取り組みを通してきちんとした姿を見てもらって、そのうえで判断してほしいなと思います。

比嘉そういう人への対応も含めて、DeToNatorさんは真摯に向き合ってくれます。塾の企画もそう(DeToNator塾は親子での参加を推奨している)。

 沖縄でも正しくゲームに触れる場を作るのは、大人の、企業の役割だと思います。ゲーム業界の外から、文化としての醸成をどうサポートしていくのか考えたいですね。

――ちなみに、比嘉さん自身はゲームはお好きですか?

比嘉好きと言えば好きですけど、めちゃくちゃ下手なんです。

 それ以上にコンテンツ業界の人が好きなんですよ。クリエイティブで、まじめな人が多い。好きなものを極めたい意志が強いのかな。リスペクトがあるので、そういう業界を多くの人に好きになってもらいたい。

――何かに一生懸命な人って魅力的ですよね。

比嘉メンバーと食事をごいっしょしたとき、人となりが伝わってきたんですね。それぞれに物語があって、まじめで、家庭を持たれている方もいて。

 DeToNatorは江尻さんが10年かけて作ってきたチーム。つぎのステップに進みたいというときに関係を持てたことが誇らしいです。

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スクリーンで流されたエンディングムービーには「DETONATORはこれからも皆様と一緒に歩んでいきます。」というメッセージが。

比嘉だって、沖縄ですよ。東京のファミリーマートじゃないですからね。最初は「沖縄でやってくれるの?」って驚きました。

――沖縄だからおもしろい、というのもあると思います。個人的にはツアーを組んでほしいくらいです。

比嘉グループ内に旅行会社もあるので検討はしたいですね。期間的に、やるんだったら急がないといけないかな。ツアーのほうが高いこともありますから、ファンの皆さんに喜んでいただけるように、どういうメリットを出せるか検討しないと。

――ステージでは詳細スケジュールの発表はありませんでしたけど、実施時期はどうなっていますか?

比嘉ある程度は見えています。ラッピング店舗は11月くらいにはやりたいですね。デバイスの商談も進めていて、まずはラッピング店舗での販売となります。おそらくこれも同時期。

 まだ確定ではないですが、当社側でできることはだいたい2019年内にいけるかと思います。

 ファンミーティングイベントや塾は、まだ何とも言いにくいですね。DeToNator側とも相談して、スケジュールを詰めていきます。

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 ファミリーマートのキャッチコピーは「あなたと、コンビに、ファミリーマート」。今回の件で言えば、DeToNatorとコンビに、そしてゲームファンともコンビになりたいと言ってくれたわけだ。

 沖縄ファミリーマートとコンビになったDeToNatorは、今後どう飛躍していくのだろうか。